将来グローバルに活躍したいと考える高校生へ成長のきっかけを提供する「ヤング天城会議」。その第4回が、2013年8月11日~13日の3日間にわたってIBM天城ホームステッドで開催され、全国から30名の高校生が参加しました。

社員の発案による、IBMらしさを生かした社会貢献のかたち

ヤング天城会議は、次代を担う若者の育成に貢献することを目指して企画されたプログラムです。IBM社員自らが「未来を見据えて日本IBMが今何をすべきか」について議論を重ね、その成果の一つとして2010年に誕生しました。
日本IBMは長年、社会貢献活動の一環として「有識者会議の場」を提供してきました。その中の一つの「天城会議」は、日本の各界のオピニオン・リーダーの方々が、日本の未来や世界の中の日本のあり方などを自由な立場・発想で議論する場です。ヤング天城会議はその発展形です。

特長は、まずIBMがグローバル企業として蓄積してきた経験やノウハウを生かしたプログラムであること。社外の有識者に加えて、IBMグループで国際的に活躍する社員が自らの経験を交えてのセッションを行うとともに、IBM独自の教育プログラムなども活用し、高校生の皆さんにグローバルで活躍するために必要な視点や考え方を身につけるきっかけをつかんでもらえるよう企画しています。また、全国各地から集まった同世代の高校生と集中討議をすることで、将来にわたり刺激し合える仲間をつくるとともに、自分の考えや主張を論じながら多様な意見に耳を傾け、見識や知識を高める場ともなっています。

体験型の授業やディスカッションを通じて変化していく生徒たち

プログラムは、3日間でゴールを達成できるよう、1日1テーマのもとで講義やディスカッションが進められました。

1日目:「世界における日本の位置づけや価値を学び、考える」

初日は、1チーム5人、計6チームに分かれて自己紹介やチーム活動のための基礎を学習。そのインプットとして、まずはヤング天城会議のアドバイザーである、武藤和博執行役員によるグローバル体験談に耳を傾けました。「世界の中の日本の位置づけや価値」については、まず、自らの出身地域についての「お国自慢」を発表し、日本の中での多様性に気付く機会を持ちました。さらに、世界が今後どのように変わっていくのか、その中で日本は、自分たちはどのようにかかわっていくべきかについて、ディスカッションを行いました。

各チームのディスカッションの様子1
各チームのディスカッションの様子2
各チームのディスカッションの様子3

各チームとも、日本各地から集まったメンバーによる“多文化”混成部隊。難しいテーマに悩みつつも、異なる視点や発想を持ち寄り、チーム独自のアイデアをまとめていく。

2日目:「多様性のある世界で活躍するために必要になる力とは何か考える」

まず、初日のテーマについてチーム別に発表を行いました。その後、グローバル人材育成のプロ、船川淳志氏(グローバルインパクト代表)によるワークショップを体験。さらにIBMの異文化コミュニケーションの研修やパネル・ディスカッションなど、実践的なノウハウが詰まったプログラムが展開されました。たくさんの刺激を受けた後にさらに議論を重ね、夜にはその集大成として2回目のチーム発表を実施。学んだことをすぐに吸収して変化を見せる生徒たちの姿と、本質をとらえたレベルの高い発表内容に、大人からは感嘆の声が上がりました。

パネル・ディスカッション、チーム別発表の様子1
パネル・ディスカッション、チーム別発表の様子2
パネル・ディスカッション、チーム別発表の様子3
パネル・ディスカッション、チーム別発表の様子4
パネル・ディスカッション、チーム別発表の様子5
パネル・ディスカッション、チーム別発表の様子6

体験型プログラムに夢中になる生徒たち。パネル・ディスカッションでは、社員の経験談を呼び水に多数の質疑応答が飛び交う。チーム発表では、寸劇や個人のエピソードを交えた独創的なプレゼンテーションが展開され、教室全体が熱気と一体感に包まれた。

3日目:「未来の理想の自分に向かってチャレンジ!」

最終日は、登山家の山田淳氏の講演と、生徒たちの未来に向けてのチャレンジ宣言を実施。生徒たちは山田氏の挑戦のスケールの大きさとともに、一歩一歩着実に取り組むことで、「夢を目標に、目標を現実に」することができる、というお話に、大いに感銘を受けました。その後、各自が、「建築家」や「国境なき医師団の医師」「教師」など、自分たちの夢を踏まえた上で具体的に取り組む挑戦について、1人ひとり皆の前で宣言し、プログラムは終了しました。

登山家の山田淳氏の講演の様子
生徒たちは一人ひとり、自身の未来を見据えて力強くチャレンジ宣言を行った様子
参加した講師、生徒たちの集合撮影

夢を現実にする力を語る山田氏。生徒たちは一人ひとり、自身の未来を見据えて力強くチャレンジ宣言を行った。

ヤング天城に参加して

生徒さんの感想

講師の声

  • 船川 淳志  氏の顔写真

    教育は未来を変える!―現場を知る企業の教育支援は貴重

    株式会社グローバルインパクト代表パートナー
    船川 淳志 氏

生徒さんとともに1日過ごしたのですが、皆さんが“素(自然体)”で話をしてくれて、その熱い思いに私自身、何度も心を揺さぶられました。こういう濃密な時間ができると、人間はいろんなものに学べて触発されることを改めて感じました。日本の学校教育には残念ながら「双方向性」が欠けています。人は成長過程でさまざまな現実の問題に直面する中で、自ら考え一歩前へ踏み出す力が必要です。そして、その力こそがグローバルで活躍できる基礎的な能力にほかならないのです。

企業が教育支援を行うことについては全面的に賛成です。特にグローバル人材を考えたときに、日本の「英語力」は悲惨な状況にあります。実践的な英語教育には現場を知る人間が必要であり、“通じる”英語を教えられるのはIBMのようなグローバル企業です。またヤング天城ではテーマの一つに「多様性」が挙げられていますが、異文化に接したときに相手の個性を尊重しつつコミュニケーションを図り、協働作業を進めるために必要なことを考えることはとても有意義です。生徒さんのディスカッションの中でも「教育は未来を変える!」というキーワードが出ていましたが、未来のためにこうした取り組みを続けてほしいと願っています。

社員の感想

  • 白井 徹哉の顔写真

    高校生の熱い思いに、大人も多くの気づきとパワーを得る

    日本IBM
    白井 徹哉

ヤング天城会議には、企画段階から参加しています。「IBMが日本社会に貢献できることは何か」を社内で討議した結果、世の中のさまざまな課題を解くのは最終的に「人」だというところに行き着きました。多様性のある人たちが協働作業をすることが普通になった時代に、グローバルで活躍できる人材の育成に継続的に貢献していくことができないか。また、そこにIBMの経験やノウハウを生かせるのではないかと考えました。

生徒さんから参加して良かったという感想をいただく一方、我々社員にとっても貴重な機会になっています。生徒さんの質問に対してあるべき姿を答える一方で、「自分自身はそうできているのだろうか?」と問い掛ける自分がいるのです。高校生の熱い思いから、多くの気づきとパワーを得ることのできる、大人にとっても貴重な場だと実感しています。

第3回ヤング天城会議