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IBM 100年の軌跡
 

エキシマ・レーザー手術

1980年、IBMはエキシマ・レーザーを使用したポリマー材料のエッチングに関する研究を開始しました。このポリマー材料は、製造工程でシリコン・マイクロチップを実装する際に使用されます。IBMの3名の研究者は、各種の生体組織での用途について検討し、レーシック手術の開発のきっかけとなる発見をしました。このレーザーの使用により、眼科医は、人間の髪の毛の約200分の1の厚さに相当するごく薄い角膜組織を約20億分の1秒で除去できるようになりました。この手術は、一般的な視覚の問題に対する医師の外科的な治療方法を抜本的に変革し、2011年現在、2,000万人が眼鏡やコンタクト・レンズを着用しなくても済むようになっています。

レーシックのチーム・メンバーであるジェームズ・ウィンは、1981年にこれを考案したとき、彼とその同僚がエキシマ・レーザーの用途として潜在的価値が最も高いのは脳外科手術かもしれないと考えていたことを思い起こしました。1984年、「繊細なニューロンを壊さない脳組織への電極の埋め込み」を支援するエキシマ・レーザーの使用法について、ウィンは部下の研究者の一人と共同で論文を執筆し、その実現を願いました。ウィンは先見の明がありました。1996年、脳動脈瘤の治療にエキシマ・レーザーが効果的に使用されたのです。さらに、2010年には脳腫瘍にも使用されました。2011年現在、米国では6つの病院で脳の神経組織や血管組織に対してこのような治療法が施されており、ヨーロッパのいくつかの病院では、エキシマ・レーザーの使用により、治療と手術の選択肢が増えています。

工業部門もエキシマ・レーザー技術の多くの利用法に気づいていました。その顕著な例として、レーザーを使用してポリマー、セラミック、ガラスなどの各種材料を混合してインク・ジェット・プリンターのカートリッジを製造する方法、液晶表示(LCD)のアクティブ・マトリックス・モニターの原材料の正確な調整、光学マイクロリソグラフィーによる数十億のトランジスターとその他のデバイスを実装したコンピューター・チップの製造における独創的な使用などが挙げられます。