IEHMOVE (システム・データ移動) プログラム

IEHMOVE は、オペレーティング・システム・データの論理コレクションを移動またはコピーするために使用されるシステム・ユーティリティーです。

IEHMOVE に関する情報は、互換性のためだけに提供されています。 ストレージ管理サブシステムによって管理されるボリュームにデータを移動またはコピーするには、IEHMOVE の代わりに DFSMSdss を使用する必要があります。 PDSE を処理するには、DFSMSdss または IEBCOPY を使用する必要があります。 IEHMOVE は、PDSE、ISAM または VSAM データ・セット、あるいはラージ・フォーマット順次データ・セットと一緒に使用することはできません。 IEHMOVE は、PDSE、ISAM または VSAM データ・セット、ラージ・フォーマット順次データ・セット、またはフォーマット 8 DSCB のデータ・セットでは使用できません。 後者の場合、そのようなデータ・セットの作成者は EATTR=OPT を指定し、データ・セットは拡張アドレス・ボリューム (EAV) 上にあります。

IEHMOVE を使用してデータ・セットを SMS 管理対象ボリュームに移動またはコピーする場合は、すべてのターゲット・データ・セットを事前割り振りする必要があります。 コピーまたは移動するデータ・セットがカタログされていて、それを SMS 管理対象ボリュームに移動またはコピーする場合は、データ・セットの名前を変更する必要があります。

IEHMOVE を使用して、以下のものを移動またはコピーすることができます。
  • 1 つから 5 つのボリュームに常駐する順次データ・セット、区分データ・セット、または BDAM データ・セット。
  • 統合カタログ機能カタログにカタログされた非 VSAM データ・セットのグループ。
  • データ・セットのボリューム。
  • 可変長スパン・レコードを持つ BDAM データ・セット。

移動操作とコピー操作の違いは、データ・セットが直接アクセス・ボリューム上にあり、有効期限が発生した場合に、コピー操作によってソース・データがそのまま残されると、移動操作によってソース・データが消去されるという点です。 さらに、カタログ式データ・セットの場合、移動操作は移動されたバージョンを参照するようにカタログを更新しますが (特に指定がない限り)、コピー操作はカタログを変更しません。

基本的な移動操作またはコピー操作の有効範囲は、以下によって拡大することができます。
  • 移動またはコピー操作からのデータ・セットの組み込みまたは除外
  • 複数の区分データ・セットからのメンバーのマージ
  • 選択したメンバーの組み込みまたは除外
  • 移動またはコピーされたメンバーの名前変更
  • 選択したメンバーの置換

データ・セット・グループ、またはパスワードで保護されたデータ・セットを含むボリュームを移動またはコピーするときは、データ・セットがオープンまたはスクラッチされるたびにパスワードを指定する必要があります。

IEHMOVE は常に、入力データ・セットに関連したすべてのユーザー・ラベルを移動またはコピーします。 独自のラベル処理ルーチンを IEHMOVE で使用することはできません。

移動またはコピー操作の結果は、移動またはコピーされたデータ・セット、アクションなし、またはアンロードされたバージョンのソース・データ・セットになります。

注: IEHMOVE は、指定されたデータを正常に移動またはコピーできない場合、データを再編成して、指定された出力装置に配置しようとします。 再編成されたデータ ( アンロードされたデータ・セットと呼ばれる) は、80 バイトのブロック化レコードで構成される順次データ・セットです。このレコードには、ソース・データと、それ以降にソース・データを最初に存在したとおりに再構成するための制御情報が含まれています。 これらの結果は、以下に関するソース・ボリュームと受信ボリュームの互換性によって異なります。
  • ボリュームのサイズ
  • 受信ボリューム上のスペースの割り振り
  • データ・セット編成 (順次、区分、または BDAM)
  • ソース・データ・セットの移動可能性
関連資料: