パフォーマンスは、プロセス、システム、プロセッサー、ネットワーク、またはデバイスが、特定の作業単位の負荷に対してどのように働くかを意味します。パフォーマンスを測定 (つまり定量化) するには、1 つの作業単位が完了するまでに要する時間の長さをモニターします。 作業単位が共用されている場合は、作業単位を実行するためにリソースが使用可能になるのを待つ時間の量をモニターします。 作業単位とは、プロセス、システム、プロセッサー、ネットワーク、またはデバイスが行う特定のアクティビティーまたはアクションです。 これは、入出力要求や、ネットワーク上での 1 バッファー分のデータの送受信や、NFS 要求の処理などのように細かいものの場合もあります。 パフォーマンスについて関心の対象となることが多いのは、特定セットの作業アクティビティーであり、これを作業の負荷またはワークロード (作業負荷) と呼ぶことにします。
パフォーマンス測定について特定のワークロードが識別されていれば、そのワークロードに関するパフォーマンス・メトリックスつまり測定単位を決定することができます。 z/OS NFS のパフォーマンス・チューニングに使用されるパフォーマンス・メトリックスの例としては、以下のようなものがあります。
パフォーマンス・メトリック | 説明 |
---|---|
スループット | 単位時間当たりに完了した作業単位の数。 |
応答時間 | 1 つの作業単位を完了するために必要とする経過時間。 |
CPU 時間 | プロセッサーが命令を実行するために費やす時間。 |
1 バイト当たり命令数 | 処理を要する CPU 命令の総数を処理されるデータのバイト数で割った値 |
総計スループット | 複数プロセスの場合のスループット測定値の合計 |
1 秒当たりの NFS 操作数 (NFSops) | NFS サーバーが処理した NFS 要求の数を、それらの要求を処理するための合計時間 (秒) で割った値 |
パフォーマンス・メトリックスの測定には、腕時計を見ながら 1 つの特定コマンドの実行時間を計測するような単純なものから、特殊なハードウェアおよびソフトウェア・ツールを使用して、さまざまなパフォーマンス・メトリックスをモニターして抽出するような複雑なものまであります。 z/OS NFS のパフォーマンスの評価では、z/OS NFS のパフォーマンスを評価するために使用できる幾つかの方法を取り上げて説明しています。 どの方法を選択するかは、ワークロードの複雑さと、ご使用のシステムで利用できるモニター・ツールによって決まります。