SDO データ・グラフ
サービス・データ・オブジェクト (SDO) は、異なるデータ・ソースからのデータを統一された方法で (データ・グラフとして) アプリケーションが取り扱えるようにするためのオープン・スタンダードです。 SDO データ・グラフは、メディエーション・プログラマーにとって重要な概念です。なぜなら、これらのデータ・グラフを使用して、さまざまなタイプのメッセージ情報を標準的な方法で表すことができ、メディエーションをプログラミングするためのシンプルで強力なモデルを提供できるからです。
SDO を使用することによって、アプリケーションは、さまざまなデータ・ソース (リレーショナル・データベース、XML データ・ソース、Web サービス、およびエンタープライズ情報システムなどを含む) のデータに一様にアクセスして、データを操作することができます。
SDO データ・グラフは、データ・オブジェクトの構造化されたコレクションです。 一般に、メッセージから生成されるデータ・グラフはツリー構造 になっています。 メディエーションはメッセージからデータ・グラフを取得して そのデータ・グラフを変換し、グラフへの更新がメッセージに反映されます。
WebSphere® Application Serverでは、データ・アクセス・サービスはメディエーションをデータ・ソースに接続し、メディエーションがメッセージの抽象表現である SIMessage を操作できるようにします。 SIMessage API には getDataGraph() というメソッドが用意されています。 このメソッドは、ツリー表現の SDO データ・グラフ (SIMessage の内容を含 む)、あるいはデータ・オブジェクトのグラフを返します。 各オブジェクトはメッセージ内 の 1 つ以上のフィールドを表すか、または他のオブジェクトを指します。
データ・グラフがメッセージに要求されると、適切なデータ・アクセス ・サービスが SIMessage のフォーマット・プロパティーによって識別されます。 フォーマット・ストリングは、メッセージの処理にどのデータ・アクセス ・サービスを使用するのかを制御するもので、そのデータ・アクセス・サービス 向けの追加の制御情報を含むことができます。 データ・アクセス・サービスは、 メッセージの構造を制御します。 WebSphere Application Serverで使用可能なデータ・アクセス・サービスについて詳しくは、 Web サービス・メッセージの SDO データ・グラフのマッピングを参照してください。
- SIMessage、およびその豊富なメッセージ操作方法のセット
- SIMediationSession (サービス統合テクノロジー機能の場合)
- DataObject インターフェースは、データ・オブジェクトの内
容を取得および更新する一連のメソッドを提供します。 また、
以下のアクションを実行するメソッドも提供します。
- データ・オブジェクトのコンテナーと、データ・オブジェクトが属するデータ・グラフにアクセスします。
- 内包されるデータ・オブジェクトの新規インスタンスを作成します。
- コンテナーからデータ・オブジェクトを削除します。
- DataGraph インターフェースはデータ・オブジェクトのグラフです。 このグラフ は、単一のルート・データ・オブジェクトと、そのルート・データ・オブジェ クトに含まれている参照を再帰的にトラバースすることによってアクセスできる すべてのデータ・オブジェクトから構成されています。
- 型は一連のプロパティー・オブジェクトです。 SDO 型は他の型システムの型定義に例 えることができます。 例えば、Java™ クラスの SDO ビューは型であり、クラス内の各フィールドはプロパティーによって表されます。 XML スキーマについては、ComplexType が型によって表され、 その各エレメントまたは属性はプロパティーとなります。
- データ・オブジェクトはプロパティーで構成されています。 プロパティーにアクセスするには、 プロパティー・オブジェクト、プロパティーの名前、またはプロパティーの索引を指定します。
メディエーションで使用される SDO データ・グラフのバージョンは バージョン 1です。 SIMessage インターフェースおよび SIDataGraphFactory インターフェースで提供されるデータ・グラフは、 他の SIMessage オブジェクトにのみ提供できます。 SIMessage オブジェクトに提供されるデータ・グラフは、 他の SIMessage オブジェクトから取得されたものか、SIDataGraphFactory を使用して構成されたもののいずれかです。