Migration Toolkit for Application Binaries の概要

Migration Toolkit for Application Binaries は、 IBM® WebSphere® Application Server Migration Toolkit内の最新ツールです。 このツールには、WebSphere Application Server traditional および Liberty に即座にデプロイできるよう、アプリケーションのバイナリーを迅速に評価するためのスキャン機能が組み込まれています。 このコマンド行ツールを使用して、管理者はソース・コードにアクセスすることなく数分でアプリケーションを評価できます。 常に、実稼働環境ではなく、より低い環境でスキャンを実行することをお勧めします。

このツールは、以下のレポートおよび構成ファイルを生成できます。

  • アプリケーション・テクノロジー評価レポート
  • アプリケーション・インベントリー・レポート
  • アプリケーション・マイグレーション・レポート
  • マイグレーション分析詳細レポート
  • Liberty 構成

このツールは、HTML レポートを表示するか、レポートを HTML ファイルまたは JSON ファイルとして保存することができます。 Liberty 構成ファイルは、XML ファイルとしてのみ生成できます。 Liberty へのマイグレーションの場合、server.xml ファイルはレポートの「Liberty 構成」セクションの下に生成されます。 WebSphere traditional のバージョン間でのマイグレーションの場合、構成が検出されると、別個の wsadmin スクリプトが生成されます。

アプリケーション・マイグレーション・レポート

アプリケーション・マイグレーション・レポートは、アプリケーション・テクノロジー評価レポート ( --evaluate )、マイグレーション分析詳細レポート ( --analyze )、アプリケーション・インベントリー・レポート ( --inventory )、および WebSphere 構成ファイル ( --generateConfig ) の内容を結合します。 アプリケーション・マイグレーション・レポートは、新しいデフォルト・アクションである --all アクションを使用して生成されます。 --evaluateアクションを明示的に指定することにより、現在もアプリケーション・テクノロジー評価レポートを生成できます。

java -jar binaryAppScanner.jar <binaryInputPath> [action] [options]

アプリケーション・テクノロジー評価レポート

アプリケーション・テクノロジー評価レポートは、アプリケーション内の Java™ EE プログラミング・モデルを識別し、適切な IBM WebSphere Application Server エディションを推奨します。 このレポートは、 Eclipse メニュー・バー 実行 > アプリケーション・テクノロジー評価レポートの生成を使用して、 Eclipseベースのマイグレーション・ツールキットによっても提供されます。

アプリケーション・インベントリー・レポート

アプリケーション・インベントリー・レポートには、各アプリケーションの内容と構造の全体的なインベントリーと、デプロイメントで起こり得る問題についての情報、およびパフォーマンスに関する考慮事項が含まれます。 この情報は、アプリケーションの内容と複雑さを決定する際に有用です。

マイグレーション分析詳細レポート

マイグレーション分析詳細レポートでは、WebSphere Application Server traditional と Liberty の様々なバージョン間の Java EE プログラミング・モデルおよび WebSphere API の違いが明らかになります。 WebSphere traditional のバージョン間でのアプリケーションの移行、および WebSphere traditional から Liberty へのアプリケーションの移行の難易度を評価するため、このツールによりアドバイスと可能な解決策が提示されます。 このツールは、JBoss、WebLogic、Apache Tomcat、および他のサード・パーティーのサーバーからのマイグレーションもサポートします。 さらに、アプリケーションに影響を与える可能性のある Java EE 仕様実装の違いがあれば、それも示します。 アプリケーションをクラウド・プラットフォームに移行する場合、このツールは、アプリケーションがそれらの環境で正しく実行されるように追加のアドバイス、提案、およびベスト・プラクティスを提供します。 また、このツールにより、ユーザーのマイグレーションに固有のシナリオにフラグを立てるユーザー定義の規則を作成することも可能です。

このレポートは、Eclipse ベースのマイグレーション・ツールキットで導入された以下の規則カテゴリー内の規則にフラグを立てます。

  • すべてのアプリケーション・サーバー
  • Apache Tomcat から WebSphere へのマイグレーション
  • IBM Cloud のコネクティビティー考慮事項
  • コンテナー (OpenShift、Kubernetes)
  • フレームワークのマイグレーション
  • Java EE 6
  • Java EE 7
  • Java EE 8
  • Java SE バージョンのマイグレーション
  • Liberty への Java テクノロジー・サポート
  • Liberty Core への Java テクノロジー・サポート
  • Open Liberty への Java テクノロジー・サポート
  • JBoss から WebSphere へのマイグレーション
  • IBM Cloud 上の Liberty for Java
  • サード・パーティー PaaS 上の Liberty
  • その他のサード・パーティー・サーバー
  • IBM Cloud のテクノロジー・コネクティビティー考慮事項
  • ユーザー定義
  • WebLogic から WebSphere へのマイグレーション
  • WebSphere traditional から Liberty へ
  • WebSphere traditional から Liberty への Java EE 6
  • WebSphere バージョンのマイグレーション

このコマンド行ツールは、Java SE 5 以降および WebSphere Application Server バージョン 6.1 以降からのマイグレーションをサポートします。 それより前のバージョンの Java または WebSphere Application Server の規則にフラグを立てるには、Eclipse ベースの WebSphere Application Server Migration Toolkit をアプリケーション・ソースに対して使用する必要があります。

Liberty 構成

Liberty 構成ファイルが生成され、そこには、各アプリケーション・バイナリーのスキャンおよび WebSphere 構成に基づいて Liberty サーバー内で必要な構成が含まれます。 このファイルを使用して、Liberty server.xml ファイルにコンテンツをコピーして Liberty サーバーを構成するか、 < include> エレメントを使用して Liberty サーバーをサーバー構成に組み込みます。

Migration Toolkit for Application Binaries の構成

バイナリー・スキャナーは、コマンド行パラメーターおよびプロパティー・ファイルを使用して構成できます。 scanner.properties ファイルが、アプリケーション・スキャン・オプションを指定するのに使用できるバイナリー・スキャナー jar と同じディレクトリーにあります。 コマンド行で指定されたスキャン・オプションは、プロパティー・ファイルで指定されたものより優先されます。

追加リソース

関連するカテゴリーに含まれる規則について詳しくは、「 Migration Toolkit Rules」を参照してください。

WebSphere Migration Knowledge Collection: Migrating to Liberty 」には、すべてのツール、ビデオ、およびリソース・リンクの概要が記載されています。

WebSphere Migration Knowledge Collection: Getting Started 」には、 WebSphere Application Server マイグレーションのあらゆる側面に関する情報が記載されています。

WebSphere Application Server のマイグレーションに関する包括的な情報 (マイグレーション・ツールキットの使用例を含む) については、「 WebSphere Application Server V8.5 マイグレーション・ガイド」を参照してください。