ファイル定義 (FD)

ファイル定義 (FD)は、CICS® および領域内の CICS アプリケーション・プログラムで (例えば、監視用などに) 使用できるリモートおよびローカル・データ・ファイルを定義します。ローカル FD は、ある領域の 構造化ファイル・サーバー定義 (SSD) に定義された SFS にあるファイルにアクセスする手段を提供します。以下の属性を ファイル定義 (FD) に設定できます。
注: 属性名はコマンド行で使用されるとおりに表示されており、 AIX® System Management Interface Tool (SMIT) で使用される説明が括弧内に続いています。
<Key>
この属性は、CICS に対してファイルを識別し、FD 項目のキーとなる固有名を指定します。ファイル名は、各国語サポート (NLS) によってサポートされていません。それらは、ここにリストされている ASCII 文字から取った 8 文字以下の名前にすることができます。すべての永続データベース操作の場合、および実行時データベース挿入操作では、CICS はデータベース・キーを形成しているバイトに対し、クラス固有の妥当性検査を行います。ファイルの場合、CICS では、感嘆符 (!) から波形記号 (~) (10 進数 33 から 126) が許容されます。

この値の設定に IBM TXSeries 管理コンソール、SMIT (CICS for AIX)、または SAM (CICS for HP-IA) を使用する場合は、文字の使用に関する制約事項を参照してください。

ActivateOnStartup (リソースをコールド・スタート時に活動化しますか?)
この属性は、領域のコールド・スタート時に永続データベースから実行時データベースにリソース定義を常にコピーするかどうかを指定します。 この属性が yes に設定されると、永続データベースから実行時データベースにリソース定義が常にコピーされます。この属性が no に設定されると、そのグループが領域定義 (RD)Groups 属性で指定されていない限り、実行時データベースにリソース定義はコピーされません。デフォルト値は yes です。
AddOpt (追加アクセス状況)
この属性は、ファイルに対する追加操作を許可するかどうかを指定します。可能な設定値は、addable および notaddable です。デフォルト値は addable です。
AmendCounter (更新の数)
この属性は CICS 内部使用に予約されています。
BaseName (サーバー・ファイル名)
この属性は、ファイル・サーバーに既知のファイルの名前を指定します。 この属性は、ローカル・ファイルにのみ設定します。デフォルト値は "" です。
BrowseOpt (ブラウズ・アクセス状況)
この属性は、ファイルに対するブラウズ操作を許可するかどうかを指定します。可能な設定値は、browsable および notbrowsable です。デフォルト値は browsable です。
DeleteOpt (削除アクセス状況)
この属性は、ファイルに対する削除操作を許可するかどうかを指定します。可能な設定値は、deletable および notdeletable です。デフォルト値は deletable です。
EmptyOpt (最初のファイル・オープンの空の状況)
この属性は、ファイルが開かれたとき、CICS がファイルを空にする必要があるかどうかを指定します。可能な設定値は、empty および do_not_empty です。デフォルト値は do_not_empty です。
EnableStatus (ファイル使用可能状況)
この属性は、ファイルが使用可能か、使用不可か、使用可能でなくされたか、それとも使用不可にされる処理中であるかを指定します。可能な設定値は、enableddisabledunenabled、および disabling です。 ファイルを定義するときは、enabled または disabled のみを指定できます。 デフォルト値は enabled です。
ErrorIsolation (エラーの分離)
この属性は、SFS エラーの分離を、ファイルに対してオープンされたリカバリー可能 OFD で使用するかどうかを指定します。この属性は、リカバリー不能ファイルの場合は無視されます。 この属性を on に設定した場合、すべての SFS エラーはアプリケーションに渡されます。この属性を off に設定した場合、特定の SFS エラーはアプリケーションに渡されず、エラーが発生した場合にはトランザクションを強制的に異常終了します。この属性を off に設定すると、SFS エラーの受け渡しと処理にかかる時間が不要になるので、わずかながらパフォーマンスが向上します。デフォルト値は on です。
FileServer (ファイル・サーバー)
この属性は、ローカル・ファイルの SFS の名前を指定します。リモート・ファイルまたは DB2 ファイルの場合、これはブランクです。デフォルト値は "" です。
GroupName (リソースが属するグループ)
この属性は、このリソース定義が属するグループの名前を指定します。名前は 8 バイトのストリングで指定します。コールド・スタートの場合、ユーザーは、CICS が領域定義 (RD)Groups 属性に指定されたグループに属するリソース定義を永続データベースから実行時データベースにコピーするように指定できます。 (これは定義を永続データベースから実行時データベースへ始動時にコピーするリソースの ActivateOnStartup 属性を yes に設定するのに追加して行えます。) デフォルト値は "" です。
IndexName (サーバー索引名)
この属性は、サーバー索引名を指定します。この属性は、ローカル・ファイルにのみ設定します。デフォルト値は "" です。
KeyLen (リモート要求で使用するキーの長さ)
この属性は、リモート・キー順データ・セット (KSDS) ファイルに対する要求で使用するキーの長さを指定します。デフォルト値は 0 です。
OpenStatus (ファイル・オープン状況)
この属性はファイルが開かれているか、閉じられているか、開く処理中であるか、閉じる処理中であるか、それともファイルにクローズ要求が発行されているかどうかを指定します。可能な設定値は、openclosedopeningclosing、および closerequest です。 ファイルを定義するときは、open または closed しか指定できません。 デフォルト値は closed です。
Permanent (リソースを変更から保護しますか?)
この属性は、永続データベース項目の変更または削除を許可するかどうかを指定します。属性が no に設定されている場合、項目は変更または削除できます。この属性を yes に設定した場合、項目の変更または削除はできません。項目を変更するには、最初にこの属性を no にリセットします。項目を変更した後、この属性を再び yes に設定してください。デフォルト値は no です。
PrePages (事前に割り振るページ数)
この属性は、EmptyOpt 属性が empty に設定されているファイルについて、そのファイルが開かれたときに、事前に割り振られるページの数を指定します。 デフォルト値は 1 です。
ReadOpt (読み取りアクセス状況)
この属性は、ファイルに対する読み取り操作を許可するかどうかを指定します。可能な設定値は、readable および notreadable です。デフォルト値は readable です。
RecordSize (リモート要求で使用するレコードの長さ)
この属性は、リモート・ファイルに対する要求で使用するレコードの長さを指定します。デフォルト値は 0 です。
RecoverStatus (リカバリー可能状況)
この属性は、ファイルがリカバリー可能であるか、それともリカバリー不能であるかを指定します。可能な設定値は、recoverable および notrecoverable です。デフォルト値は recoverable です。
RemoteName (リモート・ファイル名)
この属性は、リモート領域に存在するファイルの、その領域での名前を指定します。このリモート名を指定しなかった場合、CICS は、そのファイルのローカル ID をリモート領域に送信します。省略表現 %R、%H、および %S はこの属性では展開されません。例えば、"%H" という値は、実際にはストリング "%H" を意味します。デフォルト値は "" です。
RemoteSysId (リモート・システム名)
この属性は、リモート領域に存在するファイルについて、リモート領域への接続を指定する通信定義 (CD) 項目の名前を指定します。デフォルト値は "" で、これはファイルがローカル領域に存在することを意味します。
ResourceDescription (リソース記述)
この属性は、この FD 項目を 30 バイトのストリングで指定します。デフォルト値はデフォルト値は「File Definition」です。
RSLKey (リソース・レベル・セキュリティー・キー)
この属性は、数値 1 から 24 で表される、このファイルのリソース・セキュリティー・キーを指定します。この要求を発行したトランザクションを所有するユーザーのユーザー定義 (UD)RSLKeylist 属性に、この RSLKey 値がない場合、CICS は NOTAUTH 条件を発生させます。あるいは、public または private の値を指定できます。 値 public の場合、任意のユーザーがこのファイルにアクセスできます。値 private を使用すると、CICS は、トランザクション定義 (TD) 項目内で属性 RSLChecknone に設定されているトランザクションからのみ、ファイルへのアクセスを許可します。 デフォルト値は private です。

リソース・セキュリティーについて詳しくは、CICS リソースへのユーザー・アクセスの許可を参照してください。

TemplateDefined (ユーザー変換テンプレートが定義されていますか)
この属性は、ファイルが非 ASCII 領域からアクセスできる場合、またはファイルにバイナリーかユーザー定義のデータが含まれている場合、そのファイルに変換テンプレートが定義されているかどうかを指定します。そのようなテンプレートが存在する場合は、この属性を yes に設定する必要があります。そうでない場合は、no に設定します。デフォルト値は no です。
UpdateOpt (更新アクセス状況)
この属性は、ファイルに対する更新操作を許可するかどうかを指定します。可能な設定値は、updatable および notupdatable です。デフォルト値は updatable です。