サブネット・マスク (IPv4) およびプレフィックス (IPv6)

サブネット・マスク (IPv4) およびプレフィックス長 (IPv6) は、同じネットワーク上の IP アドレスの範囲を識別します。

IPv4 サブネット・マスク

すべての IP アドレスは複数の部分に分かれています。 そのうちの 1 つの部分はネットワーク (ネットワーク番号) を識別し、残りの部分はそのネットワーク内の特定のマシンまたはホスト (ホスト番号) を識別します。 サブネット・マスク (IPv4) とプレフィックス (IPv6) は、サブネットを構成する IP アドレスの範囲、または同じネットワーク上の IP アドレスのグループを識別します。 例えば、サブネットを使用して、1 つの建物、部門、または地理的位置の中、あるいは同じローカル・エリア・ネットワーク (LAN) 上にあるすべてのマシンを識別します。

ある組織のネットワークをサブネットに分割すると、その組織は 1 つの共有ネットワーク・アドレスを使用してインターネットに接続できます。 サブネット・マスクとプレフィックスを使用するのは、ホストが別システムと通信しようとする場合です。 そのシステムが同じネットワークまたはサブネット上にある場合、ホストはローカル・リンク上でそのアドレスを見つけようとします。 システムが異なるネットワーク上にある場合、パケットがゲートウェイに送信され、ゲートウェイはそのパケットを正しい IP アドレスに経路指定します。 これは Classless-InterDomain Routing (CIDR) と呼ばれます。

IPv4 で、サブネット・マスク 255.255.255.0 は 32 ビットであり、4 つの 8 ビット・オクテットから構成されます。サブネット・マスク 255.255.255.0 のアドレス 10.10.10.0 の場合、サブネットの IP アドレスの範囲は 10.10.10.0 から 10.10.10.255 までです。

IPv6 におけるプレフィックス長は IPv4 のサブネット・マスクに相当します。 ただし、IPv4 のように 4 つのオクテットで表される場合とは異なり、IPv6 では 1 から 128 の整数として表されます。 例えば、2001:db8:abcd:0012::0/64 は、2001:db8:abcd:0012:0000:0000:0000:0000 から 2001:db8:abcd:0012:ffff:ffff:ffff:ffff までの IP アドレス範囲のサブネットを指定します。 太字の部分は IP アドレスのネットワーク部分、すなわち「プレフィックス」と呼ばれます。 太字でない部分はネットワーク上の個々のホストを識別するため、IP アドレスのホスト部分と呼ばれます。

IPv6 アドレス

IPv6 アドレスは、以下のように 8 つの数値グループです。
  • ネットワーク・アドレス - サブネット・マスク内の最初の 3 つの数値グループ (最初の 48 ビット)
  • サブネット・アドレス - サブネット・マスク内の 4 番目の数値グループ (49 番目のビットから 64 番目のビットまで)
  • 装置アドレス - サブネット・マスク内の最後の 4 つの数値グループ (最後の 64 ビット)

例えば、IPv6 アドレス 2001:db8:abcd:0012:0000:0000:0000:0000 では、ネットワーク・アドレスは 2001:db8:abcd であり、サブネット・アドレスは 12 (簡易書式の表記を使用し、先行ゼロを除去) です。 これらの 2 つのグループはまとめて IPv6 プレフィックス になります。この例の装置アドレスは 0000:0000:0000:0000 です。

ネットワーク内の各装置には、固有の装置アドレスがありますが、IPv6 アドレスのネットワーク・アドレス部分とサブネット・アドレス部分は、ネットワーク内のどの装置でも同じです。したがって、すべての IPv6 アドレス内の最初の 4 つの数値グループは一定のままであり、最後の 4 つの数値グループは装置によって変わります。IPv6 アドレスの装置アドレス部分の代わりにプレフィックス長を使用すると、装置のリストを簡略化することができます。プレフィックス長は一連の装置を指定します。 スラッシュ (/) とその後に続く 1 から 128 までの範囲内の整数で表されます。例えば、プレフィックス長 /64 を 2001:db8:abcd:0012::/64 のように指定すると、システムによりネットワークは 64 個のサブネットワークに分割されます。 各サブネットワークには、ネットワーク上にある装置の 64 分の 1 が含まれます。表 1は、この結果として生じた、IPv6 アドレスのプレフィックス長のネットワーク範囲を示しています。
表 1. IPv6 アドレスのプレフィックス長のネットワーク範囲
範囲の先頭の IPv6 アドレスの拡張表記 IPv6 アドレス (圧縮表記) プレフィックス長を伴う IPv6 アドレス サブネットワーク内の装置範囲
2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 2001:DB8:ABCD:12:: 2001:db8:abcd:0012::0/64 2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 -
2001:0DB8:ABCD:0012:FFFF:FFFF:FFFF:FFFF
2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 2001:DB8:ABCD:12:: 2001:db8:abcd:0012::0/80 2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 -
2001:0DB8:ABCD:0012:0000:FFFF:FFFF:FFFF
2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 2001:DB8:ABCD:12:: 2001:db8:abcd:0012::0/96 2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 -
2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:FFFF:FFFF
2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 2001:DB8:ABCD:12:: 2001:db8:abcd:0012::0/112 2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 -
2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:FFFF
2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 2001:DB8:ABCD:12:: 2001:db8:abcd:0012::0/128 2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000 -
2001:0DB8:ABCD:0012:0000:0000:0000:0000