IBM Storage Protect を使用してデータ保護を管理するためのプロセス
IBM Storage Protect サーバー・インベントリーは、データ保護のプロセスにおいて重要な役割を果たします。 サーバーがデータ・ストレージを管理するために使用するポリシーを IBM Storage Protect サーバー・インベントリーに定義します。
データ管理プロセス
図 1 は、 IBM Storage Protect データ管理プロセスを示しています。

IBM Storage Protect は、ポリシーを使用して、さまざまなタイプのストレージ・デバイスおよびメディア上のデータ・オブジェクトをサーバーが保管および管理する方法を制御します。 クライアントを、1 つのアクティブ・ポリシー・セットが入っているポリシー・ドメインに関連付けます。 クライアントがバックアップを作成し、ファイルをアーカイブまたはマイグレーションする時、このファイルはポリシー・ドメインのアクティブ・ポリシー・セット内の管理クラスにバインドされます。 管理クラス、およびバックアップ・コピー・グループとアーカイブ・コピー・グループは、ファイルが保管されている場所およびファイルの管理方法を指定します。 サーバー・ストレージを階層構造としてセットアップした場合、ファイルを別のストレージ・プールにマイグレーションすることができます。
インベントリー・コンポーネント
- サーバー・データベース
- サーバー・データベースには、クライアント・データおよびサーバーの操作に関する情報が含まれています。 データベースは、メタデータ というクライアント・データに関する情報を保管します。 クライアント・データに関する情報には、サーバー・ストレージ内のファイルのファイル名、ファイル・サイズ、ファイル所有者、管理クラス、コピー・グループ、および場所が含まれます。 データベースには、サーバーの操作に必要な以下の情報が含まれています。
- クライアント・ノードおよび管理者の定義
- ポリシーおよびスケジュール
- サーバーの設定値
- 活動記録ログおよびイベント・レコードなど、サーバーの操作のレコード
- 管理照会の中間結果
- 回復ログ
- サーバーは、データベース・トランザクションを回復ログに記録します。 回復ログは、障害が原因でデータベースが不整合な状態のままにならないようにする上で役立ちます。 回復ログは、サーバーの起動操作をまたがって一貫性を保つためにも使用されます。 回復ログは、以下のログで構成されます。
- 活動ログ
- このログは、サーバー上の現在のトランザクションを記録します。 この情報は、災害が発生した後にサーバーとデータベースを再始動するために必要です。
- ログ・ミラー (オプション)
- 活動ログ・ミラーは、活動ログ・ファイルが読み取れない場合に使用できる活動ログのコピーです。 活動ログに加えられた変更は、すべてログ・ミラーにも書き込まれます。 活動ログ・ミラーを 1 つセットアップすることができます。
- アーカイブ・ログ
- アーカイブ・ログには、活動ログにあった、クローズされたログ・ファイルのコピーが含まれます。 アーカイブ・ログは、データベース・バックアップに組み込まれ、サーバー・データベースのリカバリーに使用されます。 データベース・バックアップに組み込まれているアーカイブ・ログ・ファイルは、フル・データベース・バックアップのサイクルが完了すると自動的に整理されます。 アーカイブ・ログには、データベース・バックアップのログ・ファイルを保管できる十分なスペースが必要です。
- アーカイブ・フェイルオーバー・ログ (オプション)
- アーカイブ・フェイルオーバー・ログ (2 次アーカイブ・ログとも呼ばれる) は、アーカイブ・ログ・ディレクトリーがフルになった場合に、サーバーがアーカイブ・ログ・ファイルを保管するために使用するディレクトリーです。
ポリシー・ベースのデータ管理
- クライアント・データをどのストレージ・プールに最初に保管するかを制御します
- 保管されるオブジェクトのコピー数を制御する保存基準を定義する
- オブジェクトのコピーが保存される期間を定義する
ポリシー・ベースのデータ管理によって、ストレージ装置およびメディアの管理ではなく、データ保護に関するビジネス要件に集中できるようになります。 管理者は、ポリシーを定義して、クライアント・ノードをポリシー・ドメイン に割り当てます。
ビジネス要件に応じて、1 つのポリシーまたは多数のポリシーを設定できます。 例えば、ビジネス組織内で、さまざまなタイプのデータを持つさまざまな部門が、カスタマイズしたストレージ管理計画を立てることができます。 ポリシーは更新することができ、既に管理されているデータにその更新を適用できます。
IBM Storage Protectをインストールすると、STANDARD という名前のデフォルト・ポリシーが既に定義されています。 この STANDARD ポリシーでは、ユーザーのワークステーション用に基本バックアップ保護が提供されています。 別々のクライアントに別々のレベルのサービスを提供するには、デフォルト・ポリシーに 追加するか、または新規のポリシーを作成することができます。
- ポリシー・ドメイン
- ポリシー・ドメインは、データ管理の共通ルールを共有するクライアント・ノードをグループ化する際の基本となる構成メソッドです。 1 つのクライアント・ノードを複数のサーバーに対して定義できますが、クライアント・ノードは、各サーバーで 1 つのポリシー・ドメインにしか定義できません。
- ポリシー・セット
- ポリシー・セット は、ドメイン内のクライアント・ノードに関するポリシーを必要に応じて活動化または非活動化できるようにグループ化される複数のポリシーです。 管理者はポリシー・セットを使用して、業務およびユーザーの必要性に基づいたさまざまな管理クラスを実装します。 ポリシー・ドメインに複数のポリシー・セットを含むことができますが、ドメイン内でアクティブにできるポリシー・セットは 1 つだけです。 各ポリシー・セットには、デフォルト管理クラスが 1 つ入っており、それ以外に任意の数の追加の管理クラスを入れることができます。
- 管理クラス
管理クラス は、サーバーによるデータの管理方法を指定するために、データの各カテゴリーにバインドできるポリシー・オブジェクトです。 管理クラスは 1 つ以上作成できます。 1 つの管理クラスが、特定の管理クラスを使用するためにデフォルトが指定変更されない限り、クライアントが使用するデフォルト管理クラスとして割り当てられています。
管理クラスには、バックアップ・コピー・グループ、アーカイブ・コピー・グループ、およびスペース管理属性を含めることができる。 コピー・グループは、サーバーがファイルのバックアップ・バージョンまたはアーカイブ・コピーを管理する方法を決定します。 スペース管理属性は、スペース管理クライアントによってサーバー・ストレージにマイグレーションする際にそのファイルが適格であるかどうか、およびどの条件でファイルをマイグレーションするかを決定します。
- コピー・グループ
- コピー・グループ は、以下の要因を制御する管理クラス内の属性の集合です。
- サーバーがバックアップ・ファイルまたはアーカイブ・コピーのバージョンを保管する場所
- サーバーがバックアップ・ファイルまたはアーカイブ・コピーのバージョンを保持する期間
- 保持されるバックアップ・コピーのバージョンの数
- バックアップ・ファイルまたはアーカイブ・コピーのバージョンの生成に使用される方式
セキュリティー管理
- サーバーを管理するための管理者アクセス
- データを保管およびリトリーブするためのノードへのクライアント・アクセス
- クローズされた登録 (Closed registration)
- クローズされた登録は、サーバーへのクライアント登録のデフォルトの方法です。 このタイプの登録では、管理者がすべてのクライアントを登録します。 管理者は、以下の設定を実装することができます。
- 任意のポリシー・ドメインへのノードの割り当て
- ユーザーが圧縮を使用できるかどうか、またはユーザーが選択できるかどうかの決定
- ユーザーがバックアップ・ファイルまたはアーカイブ・ファイルを削除できるかどうかの制御
Secure Sockets Layer (SSL) を使用して、データおよびパスワードの保護を追加することができます。 SSL は、サーバーとクライアントの暗号化されたセッションを作成するために使用する標準のテクノロジーであり、公開された通信パスを介して通信するためのセキュア・チャネルを提供します。 SSL では、デジタル証明書を使用してサーバーの ID が検証されます。 Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) サーバーを使用して認証する場合、サーバーと LDAP サーバーの間のパスワードは Transport Layer Security (TLS) によって保護されます。 TLS プロトコルは、SSL プロトコルの後継版です。 サーバーとクライアントが通信する際、TLS は、確実にサード・パーティーがメッセージを傍受できないようにします。