別のファイル・システムへのファイルまたはフォルダーの移動

各ファイル・システムには、それぞれに固有の特性があります。 ただし、別のファイル・システムにオブジェクトを移動させると、そのオブジェクトが現在保管されている ファイル・システムの特性を利用することはできなくなる場合があります。別のファイル・システムにオブジェクトを移動させて、その特性を利用したい場合があるかもしれません。

オブジェクトを別のファイル・システムに移動する前に、 統合ファイル・システムのさまざまなファイル・システムおよびその特性を理解しておく必要があります。

また、以下の状態についても考慮する必要があります。

  • オブジェクトが現在保管されているファイル・システムを利用するアプリケーションがあるかどうか。

    ファイル・システムの中には、 統合ファイル・システムがサポートしていないインターフェースをサポートするものもあります。これらのインターフェースを使用するアプリケーションは、 別のファイル・システムに移されたオブジェクトにアクセスすることはできません。 例えば、QDLS と QOPT のファイル・システムは、階層ファイル・ システム (HFS) API とコマンドをサポートすることによって、文書およびフォルダーのオブジェクトを処理します。 これらのインターフェースを、 別のファイル・システムのオブジェクトに対して使用することはできません。

  • オブジェクトの特性の中で何が最も重要か。

    どのファイル・システムでも、すべての特性がサポートされているというわけではありません。 たとえば、QSYS.LIB または独立 ASP QSYS.LIB ファイル・システムでは、 いくつかの拡張属性の保管と検索のみがサポートされていますが、 「ルート」(/) および QOpenSys ファイル・システムでは、 すべての拡張属性の保管と検索がサポートされています。したがって、QSYS.LIB および独立 ASP QSYS.LIB は、 拡張属性を持つオブジェクトの保管には適していません。

    QDLS 内に格納されている PC ファイルは、移動に適しています。 ほとんどの PC アプリケーションは、 QDLS から別のファイル・システムに移動された PC ファイルに対して作業を続けることができます。 これらの PC ファイルを保管するには、 「ルート」(/)、QOpenSys、および QNTC ファイル・システムを選択することをお勧めします。

System i® ナビゲーター では、オブジェクトを新しい場所にドラッグすることによって、ファイルやフォルダーを別のファイル・システムに移動できます。 あるいは、コピー・アンド・ペーストやカット・アンド・ペースト機能を使用して移動することも可能です。

CL コマンドを使用して別のファイル・システムにオブジェクトを移動するには、以下のステップを実行してください。

  1. 移動させるすべてのオブジェクトのコピーを保管します。

    バックアップ・コピーを保管しておけば、移動先のファイル・システムで、 アプリケーションがオブジェクトにアクセスできない場合に、 元のファイル・システムでオブジェクトを復元することができます。

    注: あるファイル・システムから保管したオブジェクトを、別のファイル・システムに復元することはできません。
  2. ディレクトリーの作成 (CRTDIR) コマンドを使用して、 オブジェクトの移動先のファイル・システムにディレクトリーを作成します。

    オブジェクトが現在保管されているディレクトリーの属性を詳しく調べて、 作成するディレクトリーに、それらの属性を複写するかどうか決めます。 たとえば、ディレクトリーの作成者が所有者であり、 元のディレクトリーの所有者ではありません。 ファイル・システムが、ディレクトリーの所有者の設定をサポートしていれば、 ディレクトリーを作成したあとで、その所有権を移すことができます。

  3. オブジェクトの移動 (MOV) コマンドを使用して、選択したファイル・システムにファイルを移します。

    MOV の使用をお勧めする理由は、ファイル・システムがオブジェクトの所有者の設定をサポートしている場合、オブジェクトの所有者が変化しないためです。 しかし、オブジェクトのコピー (CPY) コマンドを使用し、OWNER(*KEEP) パラメーターを使用することによってもオブジェクトの所有権を保つことができます。 この方法が有効なのは、ファイル・システムがオブジェクトの所有者の設定をサポートしている場合だけであることに注意してください。 MOV または CPY を使用する場合には、次のことに注意してください。

    • 属性が一致せずに、廃棄されることがあります。
    • 拡張属性が廃棄されることがあります。
    • 権限が同等でなく、廃棄されることがあります。

    このため、オブジェクトを元のファイル・システムに戻そうとしても、 単に移動またはコピーするのは不適切かもしれません。 属性や権限が廃棄されている場合があるためです。 オブジェクトを戻す方法としては、保管したバックアップから復元するのが最も確実です。