lsattr コマンド

目的

システム内の各デバイスの属性の特性とその属性に指定できる値を表示します。

構文

lsattr { -D [ -O ] | -E [ -O ] | -P [ -O ] | -F Format [ -Z Character ] } -l Name [ -a Attribute ] ...[ -f File ] [ -h ] [ -H ]

lsattr { -D [ -O ] | -F Format [ -Z Character ] } { [ -c Class ] [ -s Subclass ] [ -t Type ] } [ -a Attribute ] ... [ -f File ] [ -h ] [ -H ]

lsattr -R { -l Name | [ -c Class ] [ -s Subclass ] [ -t Type ] } -a Attribute [ -f File ] [ -h ] [ -H ]

lsattr -l Name { -o operation [ ... ] } -F Format [ -Z Character ] [ -f File ] [ -h ] [ -H ]

lsattr { [ -c Class ] [ -s Subclass ] [ -t Type ] } { -o operation [ ... ] } -F Format [ -Z Character ] [ -f File ] [ -h ] [ -H ]

説明

lsattr コマンドは、指定されたデバイスまたはデバイス・タイプの属性についての情報を表示します。デバイスの論理名を -l Name フラグを使用して指定しない場合は、-c Class-s Subclass、および -t Type フラグの 1 つまたはすべての組み合わせを使用して、事前に定義されたデバイスを一意的に識別しなければなりません。

lsattr コマンドには次に示すフラグの中から 1 つを指定しなければなりません。

項目 説明
-D デフォルトの値を表示します。
-E 有効値を表示します (-l フラグで指定した、カスタマイズ・デバイスにのみ有効)。
-F Format ユーザー定義のフォーマットを指定します。
-P デバイスが最後に構成されたときのデバイス値を表示します。
-R 正しい値の範囲を表示します。

カスタマイズされたデバイスの属性の有効値を表示すると、 情報はそのデバイスからではなく構成データベースから取り出されます。 -P または -T フラグを使って chdev コマンドでデータベース値を再構成していなければ、そのデータベース値は、デバイスがどのように構成されているかを反映します。再構成が発生した場合、lsattr コマンドによって表示されている情報は、次のシステム・ブートの後になるまで、現在のデバイス構成を正確に示していない場合があります。

-D フラグまたは -E フラグを使用する場合は、 -O フラグも使用しない限り、 出力のデフォルトの値には、属性の名前説明およびユーザーが設定可能な文字列の値が設定されます。

-P フラグは、デバイスが最後に構成されたときの、あるいは chdev コマンドを -P フラグまたは -T フラグと一緒に使用することによっていずれかの属性を変更する前の、属性値を表示します。

-O フラグは、指定されたすべての属性の名前をコロンで区切って表示します。次の行に -O フラグは、 対応する属性値のすべてをコロンで区切って表示します。 -H フラグを -D-E-F フラグのどれかと共に使うと、 欄名の上にヘッダーを表示できます。 ユーザーは、-F Format フラグを使用して、ユーザー指定のフォーマットで出力のフォーマットを定義できます。ここで、Format パラメーターは、非英数字または空白文字で区切られ、引用符で囲まれた列名のリストです。-F Format フラグを指定した場合は、-Z Character フラグも使用して、デフォルトのレコード分離文字を「改行」文字から指定した「文字」に変更することができます。

lsattr コマンドは、拡張事前定義属性 (PdAtXtd) オブジェクト・クラスの「操作」情報を表示します。操作情報は -o operation フラグを経由してアクセスされます。-o operation フラグおよび -a attribute フラグは、lsattr コマンドの同一の呼び出し内では指定できません。-o operation フラグは、-R フラグとの併用も無効になります。-o operation フラグを指定したときには、PdAtXtd オブジェクト・クラスからのフィールドのみが -F Format フラグで指定できます。

フラグは、コマンド・ラインで指定するか、指定した -f File フラグを使用して指定することができます。

フラグ

項目 説明
-a Attribute 特定のデバイスまたはデバイス・タイプについて、 指定された属性に関する情報を表示します。 -a フラグは、 属性名ごとに 1 つ、または複数の属性名に対して 1 つ使えます。 複数の属性名に対して 1 つの -a フラグを使う場合、属性名のリストは引用符で囲み、名前の間をスペースで区切らなければなりません。-R フラグを使うときは、 必ず 1 つの属性名だけに -a フラグを 1 つだけ指定してください。 -a フラグまたは -R フラグを指定しなければ、 lsattr コマンドは指定されたデバイスすべての属性についての全情報を表示します。 -a Attribute フラグは -o Operation フラグと共に使用することはできません。 フラグのこの組み合わせは、lsattr コマンドがエラー・メッセージを出して終了する原因となります。
-c Class デバイスのクラス名を指定します。 このフラグを使うと、 出力を、指定したクラスのデバイスに制限できます。 このフラグを -E-l の各フラグと共に使用することはできません。
-D -O フラグと共に使わない場合、 特定のデバイスに関する属性名、デフォルトの値、 説明およびユーザーが設定可能なフラグ値を表示します。 -D フラグは、 -O フラグと共に使うと、 属性名およびデフォルト値だけをコロン・フォーマットで表示します。 このフラグは、-c-s、 および -t フラグを任意の組み合わせで使用して、 事前定義デバイスのオブジェクト・クラスにあるデバイスを一意的に識別でき、 または -l フラグと共に使用できます。 このフラグは、-E-F、または -R の各フラグと共に使用することはできません。
-E -O フラグと共に使わない場合、 特定のデバイスの属性名、現行値、 説明、およびユーザーが設定可能なフラグ値を表示します。 -E フラグは、-O フラグと共に使うと、 属性名と現行値だけをコロン・フォーマットで表示します。 このフラグを -c-D-F-R-s-t の各フラグと共に使用することはできません。
-f File File パラメーターから必要なフラグを読み取ります。
-F Format ユーザー指定のフォーマットで出力を表示します。 Format パラメーターは、 欄名を非英数字または空白文字で区切った引用符付きリストです。 セパレーターとして空白文字を使うと、 lsattr コマンドは位置合わせされた列に出力を表示します。 事前定義属性 (PdAt)、カスタマイズ属性 (CuAt)、 および拡張事前定義属性 (PdAtXtd) オブジェクト・クラスからのカラム名だけを指定できます。カラム名のほかに、使用できる特別目的の名前が 2 つあります。名前 description を使うと属性の説明を表示でき、user_settable を使うと属性を変更できるかどうかを判別できます。このフラグは、-E-D-O-R の各フラグと共に使用することはできません。
-H 出力される列の上にヘッダーを表示します。 -O および -R フラグは、-H フラグよりも高い優先順位を持っています。
-h コマンドの使用メッセージを表示します。
-l Name カスタマイズ・デバイス・オブジェクト・クラスにある、 属性名または属性値を表示したいデバイスの論理名を指定します。
-o Operation 特定のデバイスまたはデバイス・タイプについて、 指定された操作に関する情報を表示します。 それぞれの操作名または複数の操作名に対して 1 つの -o フラグが使用できます。

複数の操作名に対して 1 つの -o フラグを使用する場合、操作名のリストは引用符で囲み、名前の間をスペースで区切る必要があります。

ワイルドカード文字は、操作名にも使用できます。ワイルドカード文字の有効な設定は odmget コマンドに使用する設定と同じです。特定のデバイスまたはデバイス・タイプに関連したすべての操作は、操作値 "?*" を使用して表示できます。-o Operation フラグは、-a attribute フラグとも、-R フラグとも一緒に使用することはできません。 これらのフラグをどのように組み合わせても、lsattr コマンドがエラー・メッセージを出して終了する原因となります。
-O すべての属性名をコロンで区切って表示し、2 行目に対応するすべての属性値をコロンで区切って表示します。属性値は、-E フラグを指定すると現行値になり、-D フラグを指定するとデフォルト値になります。このフラグを -F および -R フラグと共に使用することはできません。
-P -O フラグと共に使用しない場合、特定のデバイスに関する属性名、値、説明、およびユーザーが設定可能なフラグ値を表示します。表示される値は、chdev コマンドを -P フラグまたは -T フラグと共に使用することによってデバイス属性のいずれかが変更される前に、デバイス構成で使用された値です。-P フラグが -O フラグと共に使用されると、-P フラグは、属性名および値だけをコロンで区切られたフォーマットで表示します。このフラグは、-c-s、 および -t フラグを任意の組み合わせで使用して、 事前定義デバイスのオブジェクト・クラスにあるデバイスを一意的に識別でき、 または -l フラグと共に使用できます。 このフラグは、-D-E-O-R の各フラグと共に使用することはできません。
-R 属性名の正しい値を表示します。 -R フラグは -D-E-F および -O の各フラグと一緒に使用できませんが、 -c-s、および -t の各フラグの任意の組み合わせと一緒に使用して、 定義済みのデバイス・オブジェクト・クラスにあるデバイスを一意的に識別でき、 あるいは、-l フラグと一緒に使用できます。-R フラグは、 次のような属性値のリストを縦の欄で表示します。
Value1
Value2
.
.
ValueN

-R フラグは、 x...n(+i) のような属性値の範囲を表示します。 この場合、x は範囲の始まり、 n は範囲の終わり、 i は増分です。

-s Subclass デバイスのサブクラス名を指定します。 このフラグを使うと、 指定されたサブクラスのデバイスについての出力だけに限定できます。 このフラグを -E-l の各フラグと共に使用することはできません。
-t Type デバイスのタイプ名を指定します。 このフラグを使うと、 指定されたクラスのデバイスについての出力だけに限定できます。 このフラグを -E-l の各フラグと共に使用することはできません。
-Z Character -Z Character フラグは、 改行文字が組み込まれている場合がある ODM フィールドを処理するプログラムで使用されます。 -Z Character フラグは、 生成された出力のそれぞれのレコードまたは行のレコード分離文字を変更するために使用されます。 新規のレコード分離文字は、このフラグの Character 引数を使用して指定されます。-Z Character フラグは、-F Format フラグが指定された場合のみ有効となります。-Z Character フラグは、-D-E-O、または -R フラグと併用することはできません。

セキュリティー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. テープ装置 rmt0 の現行属性値をリストするには、次のコマンドを入力します。
    lsattr -l rmt0 -E
    システムは次の出力のようなメッセージを表示します。
    mode          yes   Use DEVICE BUFFERS during writes     True
    block_size    1024  BLOCK size (0=variable length)       True
    extfm         yes   Use EXTENDED file marks              True
    ret           no    RETENSION on tape change or reset    True
    density_set_1 37    DENSITY setting #1                   True
    density_set_2 36    DENSITY setting #2                   True
    compress      yes   Use data COMPRESSION                 True
    size_in_mb    12000 Size in Megabytes                    False
    ret_error     no    RETURN error on tape change or reset True
  2. rmt0 テープ・デバイスのデフォルト属性値をリストするには、次のコマンドを入力します。
    lsattr -l rmt0 -D
    システムは次の出力のようなメッセージを表示します。
    mode          yes   Use DEVICE BUFFERS during writes     True
    block_size    1024  BLOCK size (0=variable length)       True
    extfm         yes   Use EXTENDED file marks              True
    ret           no    RETENSION on tape change or reset    True
    density_set_1 37    DENSITY setting #1                   True
    density_set_2 36    DENSITY setting #2                   True
    compress      yes   Use data COMPRESSION                 True
    size_in_mb    12000 Size in Megabytes                    False
    ret_error     no    RETURN error on tape change or reset True
  3. SCSI アダプター scsi0bus_intr_lvl 属性の現行値をリストするには、次のコマンドを入力します。
    lsattr -l scsi0 -a bus_intr_lvl -E
    システムは次の出力のようなメッセージを表示します。
    bus_intr_lvl 1 Bus interrupt level False
  4. tty デバイス tty0 の login 属性の可能な値をリストするには、次のコマンドを入力します。
    lsattr -l tty0 -a login -R
    システムは次の出力のようなメッセージを表示します。
    enable
    disable
    share
    delay
  5. IBM® 4340 パラレル・プリンターのデフォルトの属性値をリストするには、次のコマンドを入力します。
    lsattr -c printer -s parallel -t ibm4340 -D
    システムは次の出力のようなメッセージを表示します。
    ptop       600       Printer TIME OUT period                    True
    line       60        Number of LINES per page                   True
    col        80        Number of COLUMNS per page                 True
    ind        0         Number of columns to INDENT                True
    plot       no        Send all characters to printer UNMODIFIED  True
    backspace  yes       Send BACKSPACES                            True
    cr         yes       Send CARRIAGE RETURNS                      True
    form       yes       Send FORM FEEDS                            True
    lf         yes       Send LINE FEEDS                            True
    addcr      yes       Add CARRIAGE RETURNS to LINE FEEDS         True
    case       no        Convert lowercase to UPPERCASE             True
    tabs       yes       EXPAND TABS on eight position boundaries   True
    wrap       no        WRAP CHARACTERS beyond the specified width True
    mode       no        Return on ERROR                            True
    interface  standard  Type of PARALLEL INTERFACE                 True
    autoconfig available STATE to be configured at boot time        True
    busy_delay 0         Microseconds to delay between characters   True
  6. IBM 4340 パラレル・プリンターの ptop 属性の可能な値をリストするには、次のコマンドを入力します。
    lsattr -c printer -s parallel -t ibm4340  -a ptop -R
    システムは次の出力のようなメッセージを表示します。
    1...1000 (+1)
  7. テープ装置 rmt0 の現行属性値をコロンで区切ったフォーマットでリストするには、次のコマンドを入力します。
    lsattr -l rmt0 -E -O
    システムは次の出力のようなメッセージを表示します。
    #mode:block_size:extfm:ret:density_set_1:density_set_2:compress:size_in_mb:ret_error
    yes:1024:yes:no:37:36:yes:12000:no
  8. システム属性を表示するには、次のコマンドを入力します。
    lsattr -E -l sys0
    システムは、以下の出力のような出力を表示します。
    keylock      normal        State of system keylock at boot time              False
    maxbuf       20            Maximum number of pages in block I/O BUFFER CACHE True
    maxmbuf      0             Maximum Kbytes of real memory allowed for MBUFS   True
    maxuproc     128           Maximum number of PROCESSES allowed per user      True
    autorestart  false         Automatically REBOOT system after a crash         True
    iostat       false         Continuously maintain DISK I/O history            True
    realmem      4194304       Amount of usable physical memory in Kbytes        False
    conslogin    enable        System Console Login                              False
    fwversion    IBM,SPH00221  Firmware version and revision levels              False
    maxpout      0             HIGH water mark for pending write I/Os per file   True
    minpout      0             LOW water mark for pending write I/Os per file    True
    fullcore     false         Enable full CORE dump                             True
    pre430core   false         Use pre-430 style CORE dump                       True
    ncargs       256           ARG/ENV list size in 4K byte blocks               True
    rtasversion  1             Open Firmware RTAS version                        False
    modelname    IBM,7044-270  Machine name                                      False
    systemid     IBM,011037D1F Hardware system identifier                        False
    boottype     disk          N/A                                               False
    SW_dist_intr false         Enable SW distribution of interrupts              True
    cpuguard     disable       CPU Guard                                         True
    frequency    93750000      System Bus Frequency                              False
    注: SMIT を使用すると、同じ情報を読みやすいフォーマットで表示できます。「System Environments (システム環境)」 -> 「Change / Show Characteristics of Operating Systems (オペレーティング・システムの特性の変更/表示)」 オプションを選択してこの情報を表示します。

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/lsattr lsattr コマンドが入っています。