timed デーモン

目的

タイム・サーバー・デーモンを起動します。

構文

/usr/sbin/timed-c ] [  -M ] [  -t ] [ [  -n Network ] ... | [  -i Network ] ... ]

注: rc.tcpip ファイルを使用して、初期プログラム・ロードごとにデーモンを始動します。コマンド・ラインで timed デーモンを指定することができます。 また、コマンド・ラインから timed デーモンを制御するのに、SRC コマンドを使用することもできます。

説明

timed デーモンは、あるコンピューターのクロックを、ローカル・エリア・ネットワーク上で同様に timed デーモンを実行中の別のコンピューターのクロックと同期化させます。 timed デーモンは、一部のコンピューターのクロックを遅くし、別のコンピューターのクロックをスピードアップして、平均ネットワーク時間を作成します。

-M フラグを使用せずに timed デーモンを始動した場合、コンピューターは最も近くにあるマスター・タイム・サーバーを探し出し、ネットワーク時間を要求します。 次に、コンピューターは、date コマンドを使用して、コンピューターのクロックをネットワーク時間に設定します。コンピューターは、マスター・タイム・サーバーによって定期的に送信される同期メッセージを受信し、adjtime サブルーチンを呼び出して、コンピューターのクロックを必要に応じて訂正します。

timed デーモンを -M フラグを使用して始動した場合、コンピューターはそのローカル・エリア・ネットワークのそれぞれをポーリングして、マスター・タイム・サーバーのあるネットワークを決定します。このコンピューターは、マスター・タイム・サーバーのないネットワーク上でマスター・タイム・サーバーになります。 マスター・タイム・サーバーのあるネットワーク上では、このコンピューターはサブマスター・タイム・サーバーになります。timed デーモンは、-M フラグを使用して始動された場合に /var/adm/timed.masterlog ファイルを作成します。/var/adm/timed.masterlog ファイルには、ローカル・コンピューターのクロックと、ローカル・コンピューターがマスター・タイム・サーバーとなっているネットワーク上の他のコンピューターのクロックとの差分のログが入っています。 /var/adm/timed.masterlog ファイルはおよそ 4 分ごとに更新され、決してクリアされません。 ディスク・スペースを確保するために、このファイルのクリアが必要となる場合もあります。コンピューターがネットワーク上でサブマスター・タイム・サーバーである場合にのみ、/var/adm/timed.masterlog ファイルは空の状態のままです。/var/adm/timed.masterlog ファイルをクリアするには、以下のように入力します。

cat /dev/null > /var/adm/timed.masterlog 

マスター・タイム・サーバーがネットワーク上で機能しなくなった場合、そのネットワークのサブマスター・タイム・サーバーから新しいマスター・タイム・サーバーが選ばれます。 timedc コマンドを使って、マスター・タイム・サーバーとなるサブマスター・タイム・サーバーを選択することができます。

timed デーモンの制御は、システム・リソース・コントローラー (SRC) または System Management Interface Tool (SMIT) を使用するか、あるいはコマンド・ラインにて行うことができます。 timed デーモンはデフォルトでは始動しません。rc.tcpip ファイルを使用して、初期プログラム・ロードごとに timed デーモンを始動します。

システム・リソース・コントローラーによる timed デーモンの操作

timed デーモンは、SRC によって制御されるサブシステムです。 また、timed デーモンは SRC tcpip システム・グループのメンバーです。timed デーモンを操作するには、以下の SRC コマンドを使用します。

項目 説明
startsrc サブシステム、サブシステムのグループ、サブサーバーのいずれかを始動します。
stopsrc サブシステム、サブシステムのグループ、またはサブサーバーを終了します。
lssrc サブシステム、サブシステムのグループ、サブサーバーのいずれかの簡略形式の状況を取得します。timed デーモンは、lssrc で通常検出される詳細形式の状況のオプションをサポートしません。

フラグ

項目 説明
-c 平均ネットワーク時間を計算する際に、他の従属の timed デーモンから取得した時間の値をマスターの timed デーモンが無視するように指定します。このフラグは、ネットワーク時間を変更して、マスターの timed デーモン上のシステム・クロックと一致させます。
-i Network クロック同期化から除外するネットワークを指定します。Network 変数は、ネットワークのアドレスかネットワークの名前かいずれかを使用することができます。Network 変数にネットワーク名を指定した場合は、/etc/networks ファイルにそのネットワーク名が定義されていなければなりません。ネットワーク・アドレスまたはネットワーク名を 1 つ、-i フラグごとに指定します。このフラグを -n フラグと一緒に用いてはなりません。
-M コンピューターがそのローカル・エリア・ネットワーク上でマスター・タイム・サーバーであるかサブマスター・タイム・サーバーであるかを指定します。マスター・タイム・サーバーが現在ネットワーク上で使用できない場合は、コンピューターはそのネットワークのマスター・タイム・サーバーとなります。マスター・タイム・サーバーがネットワーク上に既に存在する場合、コンピューターはそのネットワーク上でサブマスター・タイム・サーバーとなります。しかし、現在のマスター・タイム・サーバーが作動不能であった場合には、コンピューターはマスター・タイム・サーバーになることができます。timed デーモンは、-M フラグを使用して始動された場合に /var/adm/timed.masterlog ファイルを作成します。
-n Network クロック同期化の対象とするネットワークを指定します。Network 変数は、ネットワークのアドレスかネットワークの名前かいずれかを使用することができます。Network 変数にネットワーク名を指定した場合は、/etc/networks ファイルにそのネットワーク名が定義されていなければなりません。ネットワーク・アドレスまたはネットワーク名を 1 つ、-n フラグごとに指定します。このフラグを -i フラグと一緒に用いてはなりません。
-t timed デーモンが受信して /var/adm/timed.log ファイル内に保管するメッセージをトレースできるようにします。timedc コマンドを用いてトレースを開始することもできます。

  1. SRC 制御を使用して timed デーモンを始動するには、以下のように入力します。
    startsrc -s timed
    このコマンドは、デーモンを始動します。このコマンドは、rc.tcpip ファイル内またはコマンド・ライン上で使用できます。-s フラグは、後に続くサブシステムが始動することを指定します。
  2. SRC 制御を使用して timed デーモンを通常どおりに停止するには、以下のように入力します。
    stopsrc -s timed
    このコマンドはデーモンを停止します。-s フラグは、後に続くサブシステムを停止することを指定します。
  3. timed デーモンから簡略形式の状況報告を取得するには、以下のように入力します。
    
    lssrc -s timed
    このコマンドは、デーモン名、デーモンのプロセス ID、デーモンの状況 (アクティブまたは非アクティブ) を戻します。
  4. SRC 制御を使用して、マスターまたはサブマスター・タイム・サーバーとして timed デーモンを始動し、ネットワーク net1 および net2 をクロック同期化から除外するには、以下のように入力します。
    startsrc -s timed -a "-M -i net1 -i net2"
    このコマンドは、デーモンを始動します。コンピューターは、そのネットワークのマスターまたはサブマスター・タイム・サーバーとなります。ネットワーク net1 および net2 はクロック同期化から除外されます。-s フラグは、後に続くサブシステムが始動することを指定します。-a フラグは、timed デーモンが後続のフラグと一緒に始動される必要があることを指定します。フラグは引用符で囲まなければなりません。
  5. timed デーモンを始動し、トレースを開始し、net1 および net2 をクロック同期化に含めるには、以下のように入力します。
    timed -t -n net1 -n net2
    このコマンドは、デーモンを始動します。トレースは開始され、net1 および net2 はいずれもクロック同期化に含まれます。

ファイル

項目 説明
/var/adm/timed.log timed デーモンについてトレースされたメッセージが入っています。このファイルは、timed デーモンが -t フラグを指定して始動された場合、または timedc コマンドを用いたトレースが使用可能になった場合に作成されます。
/etc/rc.tcpip システム始動時に実行される SRC コマンドが入っています。
/var/adm/timed.masterlog マスター・タイム・サーバーのクロックとネットワーク上の他のコンピューターのクロックとの差分に関するログが入っています。このファイルは、timed デーモンが -M フラグを指定して始動された場合に作成されます。しかし、このファイルには、マスター・タイム・サーバーであるコンピューターのネットワークに関する情報のみが入っています。