startrpdomain コマンド

目的

定義済みのピア・ドメインをオンラインにします。

構文

startrpdomain [ -A-L ] [-t timeout] [ -Q quorum_type | quorum_type_name ] [-m fanout] [-h] [-w [-s Seconds]] [-TV] peer_domain

説明

startrpdomain コマンドは、ピア・ドメインに属するすべてのノード上 のリソースを開始して、定義済みピア・ドメインをオンラインにします。

startrpdomain コマンドは、ピア・ドメインに定義されているノード上で 実行する必要があります。このコマンドは、ピア・ドメインに対してコマンドを 実行するたびに、ピア・ドメインに定義されているすべてのオフライン・ノードを そのピア・ドメイン内でオンラインに導きます。このコマンドは、 ピア・ドメイン内で複数回実行できます。ピア・ドメイン内に定義されているすべてのノードが 既にオンラインの場合は、アクションはなにも実行されません。

startrpdomain コマンドは、ピア・ドメインに定義されているノード上 のピア・ドメイン構成を検査して、ピア・ドメインをオンラインにするのに使用するピア ・ドメイン構成を決定します。見付かったピア・ドメイン構成情報の最新バージョンのものを使用して、 ピア・ドメインをオンラインにします。デフォルトでは、 少なくとも半数のノードで見付かったピア・ドメイン構成の最新バージョンのものが使用されます。-A フラグを指定すると、ピア・ドメイン内で定義されているすべてのノード上で見付かったピア・ドメイン構成の、最新バージョンのものが使用されます。 -L フラグを指定すると、ローカル・ノード上の構成が使用されます。

最新バージョンの ピア・ドメイン構成情報を判別する場合には、バージョン検査を停止してピ ア・ドメインをオンラインにするタイミングは構成タイムアウトにより決まり ます。デフォルトのタイムアウト値は 120 秒です。タイムアウト値は、-t フラグを使用して変更できます。タイムアウト値は、 少なくとも半数のノードからピア・ドメイン構成情報の最新バージョンを見つけることができる時間を設定する必要があります。

1 つのノードがオンラインになるのは、1 回につき 1 つのピア・ドメインに限ら れます。startrpdomain コマンドは、ノード上で他のピア・ドメインが 既にオンラインになっている場合は、ピア・ドメインについてそのノード上で 実行することはできません。

フラグ

-A
ピア・ドメイン内のすべてのノードを対象に最新バージョンのピア・ドメイン構成情報 を見つけて使用します。このフラグは、-L フラグが指定されている場合は指定できません。いずれのフラグ (-A または -L) も指定しない場合、ピア・ドメイン内のノードの少なくとも半数のノードからの、最新バージョンのピア・ドメイン構成情報が使用されます。
-L
ローカル・ノード上にあるピア・ドメイン構成情報の中から最新バージョンのものを使用します。このフラグは、-A フラグが指定されている場合は指定できません。いずれのフラグ (-A または -L) も指定しない場合、ピア・ドメイン内のノードの少なくとも半数のノードからの、最新バージョンのピア・ドメイン構成情報が使用されます。
-t timeout
タイムアウト値を秒で指定します。このフラグは、最新バージョンのピア・ドメイン構成を見付けるときに使用する時間を制限します。タイムアウト値 を超過すると、その時点で見付かったピア・ドメイン構成情報の中から最新 バージョンのものが使用されます。 タイムアウト値には、 少なくとも半数のノードからピア・ドメイン構成情報の最新バージョンを見つけることができる時間を設定する必要があります。 デフォルトのタイムアウト値は 120 秒です。
-Q quorum_type | quorum_type_name
開始クォーラム・モードのオーバーライドを可能にします。 これは整数クォーラム・タイプまたはクォーラム・タイプ名として指定できます。 このフラグを指定しない場合は、開始クォーラム・モードは、ピア・ドメインを作成したときに mkrpdomain コマンドの -Q フラグを使用して指定されます (またはご使用の環境のデフォルトのクォーラム・モードになります)。 クォーラム・モードが normal または quick として定義されている場合にのみ、クォーラム開始モードをオーバーライドすることができます。有効な値は、次のとおりです。
0 | normal
正常開始クォーラム規則を指定します。 ノードの半数が構成情報をとるために接触されます。
1 | quick
即時開始クォーラム規則を指定します。 1 つのノードが構成情報をとるために接触されます。
-m fanout
この開始操作に使用するスレッドの最大数を指定します。 -m フラグは、指定したピア・ドメインのデフォルトの fanout 値をオーバーライドします。 この値は、ピア・ドメインの IBM.PeerNode クラス内に永続属性として保管されます。fanout16 から 2048 までのいずれかの整数です。
-h
コマンドの使用状況の陳述が標準出力に書き出されます。
-s
-s フラグを -w フラグと一緒に使用する場合に、コマンドが完了する前にピア・ドメインがオンラインになるのを待つ時間 (秒単位) を指定します。待ち時間がその秒数を超えると、コマンドは戻りますが、オンライン操作は継続します。デフォルト値は 300 秒 (5 分) です。ピア・ドメインがオンラインになるまでコマンドが戻ってはならないことを指定するには 0 を使用します (待ち状態でタイムアウトなし)。
-T
コマンドのトレース・メッセージが標準エラーに書き出されます。このフラグは、ソフトウェア・サービスの組織でのみ使用します。
-V
コマンドの詳細メッセージが標準出力に書き出されます。
-w
コマンドが完了する前にピア・ドメインがオンラインになるのを待ちます。 待ち時間を秒単位で指定するには、-s フラグを使用します。

パラメーター

peer_domain
オンラインにする定義済みのピア・ドメインに対して名前を指定します。

セキュリティー

startrpdomain コマンドを使用するには、ピア・ドメインに定義されている 各ノード上の IBM.PeerDomain リソース・クラスに対する書き込みア クセス権が必要です。デフォルトでは、ピア・ドメイン内の任意のノード の root には、構成リソース・マネージャーを使用して、このリソース・ クラスに対する読み取りおよび書き込みのアクセス権があります。

終了状況

0
コマンドは正常に実行されました。
1
RMC 内でエラーが発生しました。
2
コマンド・ライン・インターフェース・スクリプトでエラーが発生しました。
3
コマンド・ラインに指定されたフラグが正しくありません。
4
コマンド・ラインに指定されたパラメーターが正しくありません。
5
コマンド・ラインの入力に誤りがあったため、エラーが発生しました。
6
ピア・ドメイン定義は存在しません。

環境変数

CT_CONTACT
リソース・モニターと制御 (RMC) デーモンのセッションがあるシス テムを決定します。CT_CONTACT をホスト名または IP アドレスに設定すると、 コマンドは指定されたホスト上の RMC デーモンと連絡します。CT_CONTACT を 設定しない場合は、コマンドは、コマンドが実行されているローカル・ システム上の RMC デーモンと連絡します。RMC デーモン・セッションの ターゲットと管理有効範囲により、処理対象とするリソース・クラスま たはリソースが決定されます。
CT_IP_AUTHENT
CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在するときは、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定された ip アドレスによって指定されるシステム上の RMC デーモンに連絡します。 CT_CONTACT が ip アドレスに設定された場合に意味を持つのは CT_IP_AUTHENT のみです。これはドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスに依存しません。

制限

このコマンドは、ピア・ドメインに定義済みのノードから実行する必要があります。

実行の特性

このコマンドは、AIX® 用 Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT) ファイルセットの一部です。

標準入力

このコマンドは、-F "-" フラグを指定すると、標準入力から 1 つ以上のノード名を読み取ります。

標準出力

-h フラグを指定すると、このコマンドの使用ステートメントが標準出力に書き込まれます。詳細メッセージは、すべて標準出力に書き出されます。

標準エラー

トレース・メッセージは、すべて標準エラーに書き出されます。

次の例では、nodeA は、ApplDomain に定義された 1 つのノードを示します。
  1. ApplDomain をオンラインにするには、このコマンドを nodeA 上で実行します。
    startrpdomain ApplDomain
  2. ピア・ドメイン内のすべてのノードを使用して、 ピア・ドメイン構成情報の最新バージョンを取得して、 ApplDomain をオンラインにするには、このコマンドを nodeA 上で実行します。
    startrpdomain -A ApplDomain
  3. ピア・ドメイン内の少なくとも半数のノードを使用するために、 ピア・ドメイン構成タイムアウト値を 240 秒にして、ApplDomain をオンラインにするには、 このコマンドを nodeA 上で実行します。
    startrpdomain -t 240 ApplDomain

位置

/opt/rsct/bin/startrpdomain