snmpinfo コマンド
目的
Simple Network Management Protocol (SNMP) のエージェントが管理する Management Information Base (MIB) の変数の値を要求または変更します。
構文
get または next オプション
snmpinfo [ -m get | next ] [ -v ] [ -c Community ] [ -d Level ] [ -h HostName ] [ -o ObjectsFile ] ... [ -t Tries ] [ -w Waittime ] Variable. Instance ...
set オプション
snmpinfo -m set [ -v ] [ -c Community ] [ -d Level ] [ -h HostName ] [ -o ObjectsFile ] ... [ -t Tries ] [ -w Waittime ] Variable . Instance= Value ...
dump オプション
snmpinfo -m dump [ -v ] [ -c Community ] [ -d Level ] [ -h HostName ] [ -o ObjectsFile ] ... [ -t Tries ] [ -w Waittime ] [ Variable. Instance ] ...
説明
snmpinfo コマンドは、SNMP エージェントに対して 1 つ以上の MIB 変数の値を要求または修正します。 このコマンドは root 権限を持つユーザーまたはシステム・グループのメンバーだけが発行できます。
get オプションを指定すると、snmpinfo コマンドは SNMP エージェントから 1 つ以上の MIB 変数に関する情報を要求します。
next オプションを指定すると、snmpinfo は SNMP エージェントから指定されたインスタンスの後に続くインスタンスに関する情報を要求します。 next オプションを指定すると、インスタンス修飾子について知らなくても MIB 値を取得できます。
set オプションを指定すると、snmpinfo コマンドは SNMP エージェントに対して 1 つ以上の MIB 変数の値を修正します。 少数の MIB 変数だけが読み取り/書き込みを指定されています。 MIB データベースを管理するエージェントは、MIB 変数を修正する副次作用として、さまざまなアクションが実行されることがあります。 例えば、ifAdminStatus MIB 変数を 2 に設定すると、通常はネットワーク・インターフェースがシャットダウンされます。 実行されるアクションは、データベースを管理する SNMP エージェントのインストールによって判別されます。
dump オプションを指定すると、snmpinfo コマンドは、指定されたエージェントの MIB ツリー全体を全探索するために使用できます。 グループが Variable パラメーターとして渡されると、snmpinfo コマンドは MIB ツリーの指定されたパスを全探索します。
snmpinfo コマンドには、送信されたパケットおよび受信されたパケットのデバッグ情報をダンプするデバッグ機能があります。 この機能は、-d フラグによって使用可能となります。
パラメーター
項目 | 説明 |
---|---|
Value | MIB Variable パラメーターに設定される値を指定します。 値は各変数に対して指定しなければなりません。 値が指定されなければ、要求パケットは無効となります。 |
Variable | /etc/mib.defs ファイルで定義されている特定の MIB 変数の名前を、テキスト・フォーマットまたは数値フォーマットで指定します。 -m フラグに対するオプションが next または dump である場合、Variable パラメーターが MIB グループとして指定されます。 |
Instance | MIB Variable パラメーターのインスタンス修飾子を指定します。 -m フラグに対するオプションが get または set であれば、Instance パラメーターは必須です。-m フラグに対するオプションが next または dump であれば、Instance パラメーターはオプショナルです。 |
- Variable.Instance パラメーター・シーケンスには、ブランク・スペースを入れないでください。
- Instance パラメーターを指定しない場合は、Variable パラメーターの後に . (ドット) を付けないでください。
詳しくは、ネットワーク管理に関しては管理情報ベース (MIB) を定義している RFC 1213 を、MIB 情報のための要求の作成方法および応答のフォーマットに関しては SNMP プロトコルを定義している RFC 1157 を参照してください。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-cCommunity | SNMP エージェントを照会するために使用されるコミュニティー名を指定します。 -c フラグが指定されない場合、デフォルトのコミュニティー名は public です。 |
-dLevel | 入出力デバッグ情報のレベルを指定します。
Level の値は以下のいずれかです。
-d フラグを指定しないと、デフォルトのデバッグ・レベルは 0 となります。 |
-h HostName | 照会される SNMP エージェントのホスト名を指定します。 このホスト名には IPv4 アドレス、IPv6 アドレス、またはホスト名を使用できます。-h フラグが指定されない場合、デフォルトのホスト名は、現在ログインしているマシンのホスト名となります。 |
-m Option | MIB 変数にアクセスするモードを指定します。
Option 値は以下のいずれかです。
注:
|
-o ObjectsFile | snmpinfo コマンドが要求できる MIB オブジェクトを定義するオブジェクト定義ファイルの名前を指定します。 -o フラグが指定されないと、デフォルトのオブジェクト定義ファイル名は /etc/mib.defs です。 このファイルの作成方法に関する情報については、mosy コマンドを参照してください。 複数の ObjectsFile は、親定義を含むファイルが子定義を含むファイルの前に定義されるという制限付きで参照できます。 |
-t Tries | メッセージ no SNMP response で終了する前に、snmpinfo コマンドが SNMP エージェントに SNMP 要求を送信する回数を指定します。-t フラグが指定されないと、デフォルトの試行回数は 3 です。 |
-v | snmpinfo コマンドからの出力を詳細モードで表示するよう指定します。 -v フラグが指定されないと、情報が詳細モードで表示されません。 |
-w | snmpd エージェントからの応答を待つ時間 (秒単位) を指定します。 -w フラグを指定しない場合のデフォルトの待ち時間は 15 秒です。 |
セキュリティー
制限
snmpdv3 デーモンは、snmpinfo マネージャーからの SNMPv1 プロトコル要求の 処理中に SMI-v2 データ・タイプ MIB を 検出すると、SMI-v1 データ・タイプ MIB を検出するまでその MIB を スキップします。
回避策
snmpdv3 デーモンですべての MIB 変数を ダンプするには、SNMPv2 タイプの要求または SNMPv3 タイプの 要求を指定して clsnmp マネージャーを構成する必要があります。
例
- ifIndex.1 および SysDescr に関するインターフェース用に、MIB 変数 ifDescr.1 の値を取得するには、以下のように入力します。
上記の例では、snmpinfo コマンドは -m get フラグにより、 MIB 変数 ifDescr.1 (ifIndex.1 に関連したインターフェースのインターフェース記述) および sysDescr.0 (ローカル・ホストのシステム記述) の値を取り出すように指定されています。snmpinfo -m get -v sysDescr.0 ifDescr.1
- IP アドレス 192.100.154.1 で指定されるホスト用に、
ipAdEntIfIndex MIB 変数の後に続く MIB 変数の値を取得するには、以下のように入力します。
上記の例では、snmpinfo コマンドは -m next フラグにより、MIB 変数 ifAdEntIfIndex.192.100.154.1. の情報を取り出すように指定されています。snmpinfo -m next -v 1.3.6.1.2.1.4.20.1.2.192.100.154.1
- システム・グループの最初の MIB 変数を取得するには、以下のように入力します。
上記の例では、snmpinfo コマンドは -m next フラグにより、 システム・グループの後に続く MIB 変数 sysDescr.0 の情報を取り出すように指定されています。 -v フラグは詳細モードを示します。 -h フラグは照会されるエージェントが giants; であることを示します。 情報を取り出す対象となるグループは system です。snmpinfo -m next -v -h giants system
- MIB 変数の値を設定するには、以下のようなコマンドを入力します。
上記の例では、MIB ifAdminStatus 変数は、 giants というホスト上の ifIndex.1 に関連するインターフェースに対して 2 (down) を設定しています。 -c フラグはホストのコミュニティーを指定します。 -t 2 フラグは、SNMP エージェントからの応答を受け取らなかった場合に、snmpinfo コマンドが SNMP エージェントに SNMP 要求を 2 回送ってから終了することを指定しています。snmpinfo -m set -v -h giants -c monitor -t 2 ifAdminStatus.1=2
- MIB ツリーのグループを詳細モードでダンプするには、以下のようなコマンドを入力します。
上記の例では、interfaces グループが詳細モードでダンプされます。snmpinfo -m dump -v interfaces
- MIB ツリー全体をダンプするには、以下のように入力します。
snmpinfo -m dump
sysName.0
MIB 変数の値を得るには、以下のように入力します。
この例では、-m get フラグは、snmpinfo コマンドがsnmpinfo -m get -v -h 2000:1:1:1:209:6bff:feae:6d67 sysName.0
sysName.0
MIB 変数の値を検索するよう指定します。-v フラグは、冗長モードを示します。-h フラグは、照会するエージェントが IPv6 アドレスであることを示します。
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/etc/mib.defs | SNMP エージェントが認識し、処理する管理情報ベース (MIB) 変数を定義します。 |