snmpevent コマンド

目的

ERRM イベントを SNMP エージェントに送信します。

構文

snmpevent [-a host-name] [-c community] [ -h ]

説明

snmpevent スクリプトは、イベント応答リソース・マネージャー (ERRM) イベント の Simple Network Management Protocol (SNMP) トラップを、SNMP エージェントを実行 中のホストに送信します。エージェントはトラップ情報を SNMP トラップ内に フォーマットして、その構成ファイルに定義されている SNMP マネージャーに送信し ます。このスクリプトは、事前定義の ERRM 応答 Generate SNMP trap が 呼び出すことになっています。イベントまたはリアーム・イベント情報は、ERRM イ ベントまたはリアーム・イベントが発生したときに生成される環境変数の ERRM に より取り込まれて通知されます。

snmpevent スクリプトをテンプレートとしても使用でき、ほかのユーザー定 義のアクションを作成できます。イベント応答リソースがアクション・コマンドを実行する方法については、RSCT Administration Guideを参照してください。

イベントまたはリアーム・イベントが発生し、snmpevent が定義済みの応答の 場合は、次のメッセージ・テンプレートがトラップとして送信されます。
 [ERRM_COND_SEVERITY] [ERRM_TYPE] occurred:
           Condition: [ ERRM_COND_NAME]
           Node:  [ERRM_NODE_NAME]
           Resource: [ERRM_RSRC_NAME]
           Resource Class:  [ERRM_RSRC_CLASS_NAME]
           Resource Attribute: [ERRM_ATTR_NAME]
           Attribute Type: [ERRM_DATA_TYPE]
           Attribute Value: [ERRM_VALUE]
環境変数には次の定義があります。
ERRM_COND_SEVERITY
イベントまたはリアーム・イベントの原因となった条件リソースの重要度を 指定します。有効な値は Critical、Warning、または Informational です。
ERRM_TYPE
発生したイベントのタイプを指定します。有効な値は event または rearm event です。
ERRM_COND_NAME
条件リソースの名前と、属性値を指定します。その属性値が変化してこのイベントまたはリアーム・イベントの原因となっています。
ERRM_NODE_NAME
このイベントまたはリアーム・イベントが発生したホスト名を指定します。
ERRM_RSRC_NAME
リソースの名前と属性を指定します。その属性が変化してこのイベントまたはリアーム・イベントの原因となっています。
ERRM_RSRC_CLASS_NAME
このイベントまたはリアーム・イベントの原因となったリソースが属する リソース・クラスの名前を指定します。
ERRM_ATTR_NAME
リソース属性の名前を指定します。そのリソース属性が変化してこのイベントまたはリアーム・イベントの原因となっています。
ERRM_DATA_TYPE
リソース属性のデータ・タイプを指定します。
ERRM_VALUE
リソース属性の名前を指定します。これが変化してこのイベントまたはリアーム・イベントの原因となっています。

snmpevent コマンドは、これらの環境変数の値をキャプチャー、呼び出しを使用 して snmptrap コマンドにトラップとして送信する総称メッセージをフォーマットします。

フラグ

-a host-name
AIX® サブエージェントの接続先となる SNMP エージェントのホスト名を指定します。デフォルトでは、 このサブエージェントは、ローカル・ノード上で稼働中の SNMP エージェントに接続します。
-c
使用する SNMP コミュニティーを指定します。これは、SNMP エージェントが受け入れることができる任意のストリングです。デフォルトは public です。
-h
スクリプトの使用ステートメントを標準出力に書き込みます。

パラメーター

log_file
イベント情報を記録するファイルの名前を指定します。log_file パラメーター の絶対パスを指定する必要があります。

log_file は、 循環ログとして処理され、サイズは 64KB の固定です。log_file がいっぱいに なると、最も古い既存エントリーの上に新しいエントリーが上書きされます。

log_file が既に存在する場合は、イベント情報はそのファイルに追加されます。log_file が存在しない場合は、ファイルが作成 されて、イベント情報はそこに書き込まれます。

終了状況

0
スクリプトは正常に実行されました。
1
スクリプト実行時にエラーが発生しました。

制限

このスクリプトは、ERRM を実行中のノード上で実行してください。

標準出力

-h フラグを指定すると、このスクリプトの使用ステートメントが標準出力に書き込まれます。

  1. 例えば、/opt/rsct/bin/snmpevent コマンドが重要通知応答のアクションで、CSM 事前定義条件の NodeChanged に関連付けられているとします。 これには、mkcondresp コマンドに続けて startcondresp コマンド を使用して実行できます。トラップ送信先として、/etc/snmpdv3.conf ファイルを構成する必要があります。この例で、トラップの送信先を 9.117.16.246 とするには、 /etc/snmpdv3.conf ファイルを次のように書きます。
    VACM_GROUP group1 SNMPv1 public -
    
    VACM_VIEW defaultView        internet                   - included 
    -VACM_ACCESS  group1 - - noAuthNoPriv SNMPv1  defaultView - defaultView -
    
    NOTIFY notify1 traptag trap -
    
    #TARGET_ADDRESS Target1 UDP 127.0.0.1       traptag trapparms1 - - -
    TARGET_ADDRESS Target1 UDP 9.117.16.246       traptag trapparms1 - - -
    
    TARGET_PARAMETERS trapparms1 SNMPv1  SNMPv1  public  noAuthNoPriv -
    
    COMMUNITY public    public     noAuthNoPriv 0.0.0.0     0.0.0.0         -
    
    DEFAULT_SECURITY no-access - -
    
    logging         file=/usr/tmp/snmpdv3.log       enabled
    logging         size=0                          level=0
    
    smux            1.3.6.1.4.1.2.3.1.2.1.2         gated_password  # gated
    
    snmpd smuxtimeout=200 #muxatmd
    smux 1.3.6.1.4.1.2.3.1.2.3.1.1 muxatmd_password #muxatmd 
    次に、実行中の snmpd デーモンをいったん終了してから再始動 して、snmpd デーモンを再始動します。
    # ps -ef | grep snmpd
        root  4570 12956   1 08:24:32  pts/0  0:00 grep snmpd
        root 13810     1   0 08:11:04      -  0:00 snmpd
    # kill -9 13810
    # snmpd
    次に、ノード c175n08 の LparID 属性を 12 に変更します。
    # chnode c175n08 LParID=12
    ここで、9.117.16.158 のノード (/etc/snmpdv3.conf ファイルに指定した SNMP マネージャーのあるノード) 上で、 SNMP マネージャーが次のような内容を記録します。
    2002-07-15 09:09:25 c174tr1.ppd.pok.ibm.com [9.114.78.17] TRAP, SNMP v1, 
    community public
            enterprises.ibm Enterprise Specific Trap (1) Uptime: 0:01:45.00
            enterprises.ibm.ibmProd.191.1.6.1.0 = "Informational Event 
    occurred. Condition=NodeChanged Node=c174tr1.ppd.pok.ibm.com 
    Resource=c175n08.ppd.pok.ibm.com Resource Class=Node Resource 
    Attribute=Changed Attributes Attribute Type=CT_CHAR_PTR_ARRAY Attribute 
    Val={LParID} "

    出力内容は、SNMP マネージャーにより異なります。

位置

/opt/rsct/bin/snmpevent