smit コマンド

目的

システム管理を実行します。

構文

smit [ -C | -M ] [ -D ] [ -f ] [ -h ] [ -l File ] [ -o PathName ] [ -p Entity/ValueString ] [ -r RunMode ] [ -s File ] [ -t ] [ -v ] [ [ -m | -n | -d ] FastPath ] [ -X ] [ -x ]

説明

smit コマンドは、System Management Interface Tool (SMIT) を起動します。 SMIT は、システム管理のタスクを簡単にするために設計された対話型インターフェース・アプリケーションです。 smit コマンドは、対話型ダイアログに至る階層構造のメニューを表示します。 SMIT は、ユーザーの指示に従って、コマンドを作成して実行します。 SMIT はコマンドを実行するので、ユーザーは SMIT が実行するコマンドに対する実行権限が必要です。

SMIT は smit.script ファイルおよび smit.log ファイルという 2 つのファイルを作成します。 -s PathName フラグを指定して smit コマンドを始動すると、PathName パラメーターで指定されたファイル内に smit.script ファイルを保管します。-s フラグを指定しない場合、スクリプト情報は、$HOME/smit.script ファイル内に保管されます。 -l PathName フラグを指定して smit コマンドを始動すると、PathName パラメーターで指定されたファイル内に smit.log ファイルを保管します。-l フラグを指定しない場合、ログ情報は、$HOME/smit.log ファイルに記録されます。 ユーザーは smit ファイルの書き込みを要求したディレクトリーに対する書き込み許可が必要です。この許可がないと、smit.script ファイルと smit.log ファイルは作成されません。 SMIT は smit.log ファイルや smit.script ファイルを上書きしません。 ファイルは可能であれば追加されます。

smit.script ファイルは、使用されたコマンド・フラグおよびパラメーターと一緒にコマンドを自動的に記録します。 smit.script ファイルは、システム構成を複写するために実行可能シェル・スクリプトとして使用できます。 SMIT は、SMIT システムを拡張するときにプログラマーが使用できる補足の詳細情報を含む smit.log ファイルを作成します。 この smit.log ファイルは、-D-l-t-v フラグの影響を受けます。

smit コマンドは、FastPath パラメーターを指定しないで使用すると、メニュー階層の最上位レベルから開始します。 下位レベルにあるメニューから開始するには、FastPath パラメーターを使用してください。 SMIT によって実行されるすべてのコマンドが、 FastPaths として使用できます。 FastPath パラメーターは、コマンドに慣れるに従って役立つようになります。 例えば、smit chuser と入力すると、ユーザー特性を変更できるダイアログに直接進むことができます。
注: SMIT パネルへのユーザー・アクセスは、smitacl.user コマンドまたは smitacl.group コマンドにより制御されることがあります。

SMIT は、以下のファイルへのアクセスを必要とします。

項目 説明
sm_menu_opt SMIT データベース
sm_name_hdr SMIT データベース
sm_cmd_hdr SMIT データベース
sm_cmd_opt SMIT データベース
smit.log SMIT ログ・ファイル
smit.script SMIT スクリプト・ファイル
/usr/lpp/msg/.../smit.cat メッセージ・カタログ
注: これらのファイルのいずれかが破壊された場合、または NFS サーバー上に存在していてそのサーバーがダウンした場合は、SMIT は応答しないことがあります。

フラグ

項目 説明
-C ASCII (Curses とも呼ばれます) インターフェースを使用して SMIT を始動します。
-D デバッグ・モードを設定し、-t および -v フラグを設定します。
-d FastPath FastPath がダイアログの名前であることを識別します。
-f SMIT からの標準入出力をリダイレクトできるようにします。
-h コマンドの使用法のメッセージを表示します。
-l File smit.log ファイルを指定された File にリダイレクトします。
-M ウィンドウ (Motif とも呼ばれます) インターフェースを使用して SMIT を始動します。
-m FastPath FastPath をメニュー名として識別します。
-n FastPath FastPath をセレクター名として識別します。
-o PathName SMIT オブジェクト用の代替リポジトリーのディレクトリー PathName を指定します。 デフォルトのディレクトリーは /etc/objrepos です。
-p Entity/ValueString このフラグは smit Windows バージョンにのみ適用されます。このフラグによってネーム・セレクトおよびダイアログをコマンド・ラインから入力できるようになります。 また、複数のエンティティーを同時に操作することもできます。 デフォルト・コンマおよびセミコロン・セパレーターをオーバーライドするために、環境変数 ENTITY_SEP および VALUE_SEP を設定できます。

以下のフォーマットのいずれかで、Entity/ValueString を入力できます。

"Entity1: Val1,Val2... ; Entity2: Val1,Val2... ; ..."

または

"Val1,Val2... ; Val1 ,Val2... ; ..."

-r RunMode このフラグは smit Windows バージョンにのみ適用されます。msmit を実行するモードを指定します。

RunMode に対して以下の値を入力できます。

1
done を出力ウィンドウでクリックすると msmit が終了します。
2
ok をダイアログでクリックすると msmit が終了します。 終了の際にダイアログ・オプションを入力します。 コマンドを実行しないでください。
3
msmit をサイレントで実行し、ダイアログ・オプションを入力します。 コマンドを実行しないでください。
4
ok をダイアログでクリックすると msmit が終了します。 終了の際にコマンドを入力します。 コマンドを実行しないでください。
-s File smit.script ファイルを指定された File にリダイレクトします。
-t smit.log ファイルに詳細なトレース情報を記録します。
-v SMIT によって実行される中間タスク・コマンドおよびターゲット・タスク・コマンドのコマンド・ストリングを記録し、その出力も smit.log ファイルに記録します。
-x command_to_execute を実行しませんが、後で実行するためにログに記録しておきます。
-X command_to_discovercommand_to_listcommand_to classify または command_to_execute をいずれも実行しません。

  1. システム管理階層全体のメインメニューを表示するには、以下のように入力します。
    
    smit 
  2. ユーザーの特性を変更するには、以下のように入力します。
    smit chuser
    chuser コマンドは、FastPath パラメーターの一例です。 smit コマンドおよび FastPath パラメーター chuser によって、「Change User Attributes (ユーザー特性の変更)」ダイアログに直接進み、そこで指示に従ってユーザーの特性の変更を行うことができます。
  3. smit.script ファイルを複製された構成に対して実行可能にするには、以下のように入力します。
    
    chmod +x smit.script
    次に、構成を複製するには、以下のように入力します。
    smit.script
    smit.script ファイルは、構成コマンドを少し変化させたバリエーションを作成したり、コマンドのサブセットだけを使用するように編集できます。 SMIT が修正しないように、smit.script ファイルの名前を変更するか、コピーしておきます。

    注: SMIT は、Korn シェル (/usr/bin/ksh) の下でコマンドを実行します。 smit.script ファイル内の一部のコマンド・ストリングの中には、正しく実行するために、Korn シェル環境を必要とする場合があります。

ファイル

項目 説明
/usr/bin/smit smit コマンドが入っています。
/etc/objrepos SMIT データベース用のデフォルト・ディレクトリーを指定します。
smit.log セッションの詳細情報を、タイム・スタンプと一緒に指定します。
smit.script SMIT によって実行されるターゲット・タスク・コマンドだけを、タイム・スタンプと一緒に指定します。