setkst コマンド

目的

カーネル・セキュリティー・テーブル (KST) のエントリーを設定します。

構文

setkst [ -q ] [ -b | -l | -t table1, table2,...]

説明

setkst コマンドは、セキュリティー・データベースを読み取り、データベースからの情報をカーネル・セキュリティー・テーブルにロードします。 デフォルトでは、セキュリティー・データベースのすべてが KST に送信されます。 あるいは、-t フラグを使用して、特定のデータベースを指定することもできます。 許可データベースのみが、指定する唯一のデータベースである場合、ロールおよび特権コマンド・データベースは、許可データベースに依存しているため、その更新は KST で行われます。

setkst コマンドは、KST を更新する前にテーブルを検査します。 データベース内に重大エラーが検出されると、setkst コマンドは、stderr にメッセージを送ってユーザーに警告し、KST をリセットせずに終了します。 データベース内で検出されたエラーが小さい場合は、警告メッセージが表示され、エントリーはスキップされます。

setkst コマンドは、システムが拡張 Role Based Access Control (RBAC) モードで作動している場合にのみ機能します。システムが拡張 RBAC モードにない場合、コマンドはエラー・メッセージを表示して、終了します。

フラグ

項目 説明
-b システムのバックアップ・バイナリー・ファイルに保管される情報を KST にロードします。 バイナリー・ファイル内の情報がロードできない場合、テーブルはセキュリティー・データベースから再生成されます。
-l /etc/secvars.cfg ファイルの syslog スタンザから loglevel 属性を読み取って、loglevel 属性値をカーネルに更新します。 loglevel 属性に有効な値は allcrit、および none です。 loglevel 属性に無効な値は、setkst コマンドでは無視されます。
-q 抑止モードを指定します。 警告メッセージが発生しても、セキュリティー・データベースの構文解析時に表示されません。
-t table1, table2 指定されたセキュリティー・データベースを KST に送信します。 -t フラグのパラメーターは、セキュリティー・データベースのコンマで区切られたリストです。 このフラグの値は、以下のとおりです。
auth
許可データベース
role
ロール・データベース
cmd
特権コマンド・データベース
dev
特権デバイス・データベース
dom
ドメイン
domobj
ドメイン・オブジェクト

セキュリティー

setkst コマンドは特権コマンドです。 以下の許可を持つユーザーのみが、コマンドを正常に実行できます。
項目 説明
aix.security.kst.set コマンドを実行する場合に必要です。

アクセスされるファイル

ファイル モード
/etc/security/authorizations r
/etc/security/privcmds r
/etc/security/privdevs r
/etc/security/roles r
/etc/security/domains r
/etc/security/domobjs r
/etc/secvars.cfg r

  1. セキュリティー・データベースのすべてを KST に送信するには、以下のコマンドを入力します。
    setkst
  2. ロールおよび特権コマンド・データベースを KST に送信するには、以下のコマンドを入力します。
    setkst -t role,cmd
  3. ドメイン・オブジェクトとドメイン・データベースを KST に送信するには、 以下のコマンドを入力します。
    setkst -t domobj,dom