sectoldif コマンド

目的

ローカルで定義したユーザーとグループを ldif 形式 で stdout に出力します。

構文

sectoldif -d baseDN [ -S schematype ] [ -u username ]

説明

sectoldif コマンドは、ローカルに定義されたユーザーと グループを読み取り、その結果を ldif 形式で stdout に 出力します。ファイルにリダイレクトすると、ldapadd コマンドまたは ldif2db コマンドを使用して、LDAP サーバーに結果を追加できます。

-S オプションは、ldif 出力に使用するスキーマ・タイプを指定し ます。sectoldif コマンドには、3 つのスキーマ・タイプを 使用できます。
  • AIX® - AIX スキーマ (aixaccount および aixaccessgroup オブジェクト・クラス)
  • RFC2307: RFC 2307 スキーマ (posixaccountshadowaccount、および posixgroup オブジェクト・クラス)
  • RFC2307AIX: AIX 完全サポート付き RFC 2307 スキーマ (posixaccountshadowaccountposixgroup オブジェクト・クラスと、さらに aixauxaccount および aixauxgroup オブジェクト・クラス)

sectoldif コマンドは、LDAP サーバーのセットアップ時 に mksecldap コマンドで呼び出されて、ユーザーおよびグループをエクスポートします。 sectoldif の出力を使用して、追加のユーザーおよびグループを他のシステムから LDAP サーバーにエクスポートする場合は、特別な注意が必要です。 ldapadd コマンドと ldif2db コマンドは、エントリーを追加するとき、エントリー名 (ユーザー名またはグループ名) のみを検査し、数値 ID は検査しません。 sectoldif 出力を使用して複数のシステムからのユーザーおよびグループをエクスポートすると、1 つの数値 ID を複数のアカウントが共用することになり、セキュリティー違反となります。

sectoldif コマンドは、/etc/security/ldap/sectoldif.cfg ファイルを読み取って、ユーザー、グループ、およびデータのエクスポート先となるシステム・サブツリーの名前を決めます。 sectoldif コマンドは、データを USER タイプ、GROUP タイプ、および SYSTEM タイプのみにエクスポートします。ファイルで指定された名前は、-d フラグで指定された基本 DN の下のサブツリーの作成に使用されます。 詳しくは、 /etc/security/ldap/sectoldif.cfg ファイルの文書を参照してください。

フラグ

項目 説明
-d baseDN ユーザーとグループのデータを置くための基本 DN を指定します。
-S schematype LDAP サーバーのユーザー/グループ・エントリーを表すのに使用される LDAP スキーマを指定します。 有効な値は、AIX、RFC2307、および RFC2307AIX です。デフォルトは AIX です。
-u username 特定ユーザーを出力するように指定します。

  1. ローカルで定義されているすべてのユーザーとグループを出力するには、 次のように入力します。
    sectoldif -d cn=aixsecdb,cn=aixdata -S rfc2307aix

    これでローカルに定義されているすべてのユーザーとグループが ldif 形式 で stdout に出力されます。ユーザー・エントリーと グループ・エントリーの表記には rfc2307aix スキーマ・タイプが使用され ます。基本 DN は cn=aixsecdb, cn=aixdata に設定されます。

  2. ローカルに定義されたユーザー foo だけを出力するには、次のように入力します。
    sectoldif -d cn=aixsecdb,cn=aixdata -u foo 

    これでローカルに定義されたユーザー foo が ldif 形式 で stdout に出力されます。-S オプション を使用しない場合は、foo の ldif 出力の表記にはデフォルトの AIX スキーマ・タイプが 使用されます。

ファイル

モード ファイル
r /etc/passwd
r /etc/group
r /etc/security/passwd
r /etc/security/limits
r /etc/security/user
r /etc/security/environ
r /etc/security/user.roles
r /etc/security/lastlog
r /etc/security/smitacl.user
r /etc/security/mac_user
r /etc/security/group
r /etc/security/smitacl.group
r /etc/security/login.cfg