restore コマンド
目的
backup コマンドで作成されたアーカイブからファイルを取り出します。
構文
restore
-x
[ d
M
n
O
Q
v
q
e
]
[ -b
Number ] [-L
Label ] [-I
Label ] [ -f
Device ] [ -s
SeekBackup ] [ -E
{ force
|
ignore
| warn
} ] [ File ...
]
restore
-T
| -t
[a
l
n
q
v
Q
] [ -b
Number ]
[ -f
Device ] [
-s
SeekBackup ]
restore
-r
[
B
O
n
q
v
y
] [ -b
Number ] [ -f
Device ]
[ -s
SeekBackup ]
restore
-R
[ B
O
n
v
y
] [ -b
Number ] [
-f
Device ] [ -s
SeekBackup ]
restore
-i
[ O
h
m
n
q
v
y
]
[ -b
Number ] [ -f
Device ] [ -s
SeekBackup ]
restore
-x
[ B
O
h
n
m
q
v
y
] [ -b
Number ] [
-f
Device ] [ -s
SeekBackup ] [
File ... ]
restore
-X
Number [ -
M
d
n
q
v
e
O
Q
] [ -b
Number ] [ -f
Device ] [ -s
Number ] [ -E
{ force
|
ignore
| warn
} ] [ File ...
]
restore
-t
| -T
[ B
a
l
n
h
q
v
y
] [ -b
Number ] [
-f
Device ] [ -s
SeekBackup ] [
File ... ]
説明
restore コマンドは、backup コマンドで作成されたアーカイブを読み取って、そこに格納されているファイルを取り出します。このアーカイブは、ファイル名フォーマットまたはファイルシステム・フォーマットになっています。 アーカイブは、ディスク、ディスケット、テープに格納することができます。 ファイルのアーカイブに使用されたのと同じ方法を使用してファイルを復元する必要があります。この操作を実行するには、アーカイブのフォーマットを知っている必要があります。アーカイブのフォーマットは、-T
フラグを使用したときに表示されるアーカイブ・ボリューム・ヘッダー情報を検査することにより判別することができます。 -x
、-r
、-T
、または -t
フラグを使用すると、restore コマンドは自動的にアーカイブ・フォーマットを判別します。
個々のファイルは、-x
フラグを使用し、ファイル名を指定することにより、
ファイル名アーカイブまたはファイルシステム・アーカイブから復元することができます。ファイル名は、アーカイブ上に存在しているとおりに指定しなければなりません。-i
フラグを使うと、ファイルをファイルシステム・アーカイブから対話フォーマットで復元することができます。-T
フラグを使用すると、アーカイブ上のファイルの名前を標準出力に出力できます。
ユーザーは、アーカイブの内容を抽出するために、ファイルシステム・デバイスへの書き込みアクセス、または、復元許可を得ておく必要があります。
-f
フラグに -
(ハイフン) を指定します。また、/dev/rfd0 のように、デバイスの範囲を指定することもできます。- 複数のボリュームからなるアーカイブから復元する場合、restore コマンドは マウントされているボリュームを読み取り、次のボリュームの挿入を求めるプロンプトを表示し、 ユーザーからの応答を待ちます。新しいボリュームを挿入したら、Enter キーを押してファイルの復元を続けます。
- backup コマンドを使用して、 アーカイブをデバイス・ブロック・サイズが 0 に設定されたテープ・デバイスに作成した場合、 そのテープから復元するには、テープの作成時に使ったブロック・サイズを正確に覚えていなければなりません。
- 単一のテープに複数のアーカイブが存在する場合があります。複数のアーカイブをテープから復元する場合、restore コマンドは入力デバイスがオープン時に保持せず、かつクローズ時に巻き戻さないテープ・デバイスであるものと期待します。
-B
、-s
、-X
フラグのいずれかを指定しない限り、 復元時に巻き戻さないテープ・デバイスを使わないでください。テープ・デバイスの使用については、rmt スペシャル・ファイルを参照してください。
ファイルシステム・アーカイブ
ファイルシステム・アーカイブは、ファイルのアーカイブに使用される方法なので、i ノード・アーカイブとも呼ばれます。ファイルシステム名を backup コマンドで指定すると、ファイルシステム内のファイルは、ファイルシステム内の構造とレイアウトに基づいてアーカイブされます。restore コマンドは、 ファイルシステムの基礎構造を特に認識せずに、ファイルシステム・アーカイブのファイルを復元します。
restoresymtable
を作成して使用します。 このファイルは、現行ディレクトリー内に作成されます。
restore コマンドでファイルシステムの増分復元を行うには、このファイルが必要です。
restoresymtable
ファイルを除去しないでください。-r
または -R
フラグを使うと、File パラメーターは無視されます。
アーカイブするファイルのリストを backup コマンドで指定すると、ファイル名アーカイブが作成されます。restore コマンドは、 ファイルシステムの基礎構造を特に認識せずに、ファイル名アーカイブからファイルを復元します。restore コマンドを使用すると、アーカイブから抽出するファイルを指定するときにメタキャラクターを使用できるようになります。 このプロセスでは、パターン・マッチングに基づいてアーカイブからファイルを抽出することができます。パターン・ファイル名は単一引用符で囲み、パターンは大括弧 [...] で囲む必要があります。
スパース・ファイルについて
オペレーティング・システムのファイルシステム内にある、長いヌル文字列を含むファイルは、他のファイルと比べて効率的に保管できます。ヌル文字列が割り当てブロック全体にまたがる場合、そのブロック全体はディスクに保管されません。 このようにして 1 つまたは複数のブロックが省略されたファイルは、スパース・ファイルと呼ばれます。 存在しないブロックはホール (穴) とも呼ばれます。
-e
フラグを使用可能にすると、このフラグはスパース・ファイルを非スパースとして復元するためです。このフラグを使用可能にする必要があるのは、復元されるファイルが 4 KB を超える大きさのヌルを含む非スパースである場合だけです。復元操作中に -e
フラグが指定される場合、すべての通常ファイルが通常ファイルとして、また非スパース・データベース・ファイルが非スパースとして正常に復元されます。フラグ
項目 | ディスクリプター |
---|---|
-a |
t および T のオプションと一緒に指定し、
-a オプションは、アーカイブ内のファイルのリストを
権限と共にリストします。
|
-B |
アーカイブを標準入力から読み取ることを指定します。
一般に、restore コマンドは実際のメディアを検査してバックアップ・フォーマットを判別します。| (パイプ接続) を使うと、この検査は実行できません。したがって、アーカイブはファイルシステム・フォーマット、デバイスは標準入力 (-f ) と見なされます。 |
-b Number |
名前で実行されるバックアップの 512 バイト・ブロックの数を指定します。i ノードで実行されるバックアップの場合、このフラグは、単一出力で読み取る 1024 バイト・ブロックの数を指定します。restore コマンドがテープ・デバイスから読み取る場合、
名前によるバックアップのデフォルトは 100、i ノードによるバックアップのデフォルトは 32 です。
読み取りサイズは、ブロック数にブロック・サイズを掛けたものです。restore コマンドがテープ・デバイスから読み取るデフォルトの読み取りサイズは、名前によるバックアップの場合は 51200 (100 * 512)、 i ノードによるバックアップの場合は 32768 (32 * 1024) です。読み取りサイズはテープの物理ブロック・サイズの偶数倍でなければなりません。 読み取りサイズがテープの物理ブロック・サイズの偶数倍でなく、 固定ブロック・モード (ゼロ以外) になっていると、restore コマンドは Number の有効値を判別しようとします。 判別できれば、restore コマンドは Number を新しい値に変更して、 変更結果に関するメッセージが標準出力に書き出され、処理は続行します。Number の有効値が見つからなければ、restore コマンドは標準エラーにエラー・メッセージを書き込み、ゼロ以外のリターン・コードを戻して終了します。Number パラメーターの値が大きくなるほど、 テープ・デバイスからの物理転送量が大きくなります。
|
-d |
File パラメーターがディレクトリーの場合、そのディレクトリー内のファイルをすべて復元することを示します。このフラグは、アーカイブがファイル名フォーマットのときに使用できます。 |
-e |
スパース・ファイルをアクティブに復元しないことを指定します。ファイルに、NULL が入っている調整済みでサイズ指定された区域のブロックがある場合、復元操作によって、それらのファイルシステム・ブロックが割り当てられて NULL で埋められるための物理スペースが作成されます。バイト単位で指定されるファイルのサイズは、ファイルシステム内で使用されるスペースに対応します。 このフラグは、4KB を超える大きさのヌルを含む非スパースとしてファイルを復元する場合にのみ使用可能にする必要があります。
|
-E |
-E オプションを指定すると、指定されたボリューム番号から抽出が開始されます。このオプションには以下の引数のいずれかが必要です。
-E オプションを省略すると、warn がデフォルトです。
|
-f Device |
入力デバイスを指定します。 指定したデバイスから入力を受け取るには、Device 変数をパス名 (/dev/rmt0 など) として指定します。入力を標準出力デバイスから受け取るには、- (マイナス符号) を指定します。 - (マイナス) 機能により、restore コマンドへの入力を dd コマンドからパイプ接続できます。
また、アーカイブ・デバイスの範囲を指定することもできます。範囲指定には以下のフォーマットを使わなければなりません。
ここで、XXX および YYY は整数であり、 XXX は、常に、YYY より小さくなければなりません。 例えば、/dev/rfd0-3 です。 指定する範囲内のすべてのデバイスは、同じタイプでなければなりません。例えば、 8 mm で 2.3 ギガバイトのテープのセット、または 1.44 メガバイトのディスケットのセットを使用できます。 すべてのテープ・デバイスは、同じ物理テープ・ブロック・サイズに設定しなければなりません。 Device 変数に範囲を指定すると、restore コマンドは範囲内の 1 つのデバイスから次のデバイスに自動的に進みます。指定されたデバイスをすべて使い果たすと、restore コマンドは一時停止し、デバイスの範囲に新規ボリュームをマウントするように要求します。 |
-h |
実際のディレクトリーだけを復元し、このディレクトリーに入っているファイルは復元しません。このフラグは、アーカイブがファイルシステム・フォーマットのときに使用できます。-r または -R フラグと一緒に使うと、このフラグは無視されます。
|
-I Label |
restore コマンドは、アーカイブにセキュリティー・ラベルのないファイルにこの保全性ラベルを適用します。 適用されるラベルはシステム上に存在していなければなりません。このオプションは、Trusted AIX® 上にある名前でファイルを復元する場合にのみ有効です。 |
-i |
選択したファイルをファイルシステム・アーカイブから対話式に復元します。-i フラグ用のサブコマンドは、下記のとおりです。
|
-l |
-t および -T オプションとともに指定します。
これが指定されると、タイム・スタンプ、ファイルの権限、ファイル・サイズ、所有者、およびグループを
含む、詳細なファイルのリストを表示します。
-l オプションは、-a オプションをオーバーライドします。
|
-L Label
|
restore コマンドは、アーカイブにセキュリティー・ラベルのないファイルにこの機密ラベルを適用します。 適用されるラベルはシステム上に存在していなければなりません。このオプションは、Trusted AIX 上にある名前でファイルを復元する場合にのみ有効です。 |
-M |
復元したファイルのアクセスおよび修正時間を復元時間に設定します。復元されたファイルが ar コマンドによって作成したアーカイブである場合、
すべてのメンバー・ヘッダー内の修正時間も復元時間に設定します。名前の付いたファイルを個々に復元し、-x または -X フラグも指定されている場合にしか、-M フラグを指定することはできません。-M フラグが指定されていない場合、
restore コマンドはアクセス時間と修正時間をバックアップ・メディアに表示されているとおりに保守します。
|
-m |
復元されたファイル名を、アーカイブ上に存在するファイルの i ノード番号に変更します。この機能は、復元するファイル数が少なく、それらのファイルに別のファイル名を付けて復元したい場合に便利です。 復元されたアーカイブ・メンバーの名前は i ノード番号に変更されるので、ディレクトリー階層とリンクはともに保存されません。 ディレクトリーとハード・リンクは、正規ファイルとして復元されます。-m フラグは、
アーカイブがファイルシステム・フォーマットのときに使用します。 |
-n |
デフォルトでは、restore コマンドはアーカイブにある ACL、PCL、または名前付き拡張属性を復元します。
-n フラグを指定すると、restore コマンドは、アーカイブ内の ACL、PCL、または名前付き拡張属性を無視し、復元しません。アーカイブ・ファイルに暗号化ファイルシステム (EFS) 情報が入っている場合は、-n フラグを指定しても EFS 拡張属性は復元されます。 Trusted AIX システムでは、-n オプションを指定すると、restore コマンドは Trusted AIX セキュリティー属性を無視することになります。
EFS の復元について詳しくは、「セキュリティー」のバックアップおよび復元を参照してください。 |
-O |
restore コマンドは Trusted AIX セキュリティー属性を無視します。 |
-Pstring |
ファイル属性のみを復元します。ファイルの内容は復元しません。
指定されたファイルがターゲット・ディレクトリー・パスに存在しない場合、ファイルは作成されません。このフラグは、文字列パラメーターに指定されたフラグによって、ファイル属性を選択して復元します。文字列パラメーターには、次の文字を組み合わせることができます。
注: restore コマンドに存在するオプションの中で、
オプション
v 、h 、b 、s 、f 、B 、d 、
および q が、P オプションに有効です。P オプションは、ファイル名とファイルシステムの両方のアーカイブに使用することができます。File 引数がシンボリック・リンクの場合は、
シンボリック・リンクのメタデータではなく、
ターゲット・ファイルのメタデータが変更されます。警告: スーパーユーザーにより実行された場合、
-P フラグの指定により、他のユーザーが所有するファイルの属性を
上書きします。 |
-Q |
名前によって実行されるバックアップの場合、エラーの発生時にコマンドが終了する必要があることを指定します。このプロセスでは、エラーが発生した場合には、リカバリーとアーカイブの処理の続行を試行しません。 |
-q |
最初のボリュームの使用準備ができており、restore コマンドがプロンプト「mount the volume and hit Enter 」を表示しないことを指定します。アーカイブが複数のボリュームにまたがっている場合、
restore コマンドは後続のボリュームの挿入を求めるプロンプトを表示します。
|
-r |
ファイルシステム・アーカイブ内のすべてのファイルを復元します。 -r フラグは、全レベル 0 バックアップの復元、
またはレベル 0 バックアップが復元された後の増分バックアップの復元に対してのみ使用されます。restore は、restoresymtable ファイルを使って、増分復元間で相互に情報を渡します。このファイルは、最終増分バックアップの復元時に削除する必要があります。-r フラグを使用すると、File パラメーターは無視されます。 |
-R |
複数のボリュームからなるファイルシステム・アーカイブのうち、特定のボリュームを要求します。-R フラグを使用すると、以前に中断された復元を再開することができます。-R フラグを使用すると、File パラメーターは無視されます。restore コマンドは、再開されると、-r フラグと同じように機能します。 |
-s SeekBackup |
バックアップを、複数のバックアップ・テープ・アーカイブ上で検索して復元するように指定します。-s フラグは、アーカイブをテープ・デバイスに書き込む場合にしか適用できません。-s フラグを正しく使用するには、
/dev/rmt0.1 または /dev/rmt0.5 などのクローズ時に巻き戻さず、かつオープン時に保存しないテープ・デバイスを指定しなければなりません。
巻き戻しテープ・デバイスの使用時に -s フラグを指定すると、restore コマンドはエラー・メッセージを表示し、ゼロ以外のリターン・コードを戻して終了します。 巻き戻さないテープ・デバイスの使用時に -s フラグを指定しないと、-s1 のデフォルト値が使用されます。
SeekBackup パラメーターの値は、1 から 100 の範囲内の値でなければなりません。
-s フラグの動作の関係で、クローズ時に巻き戻さず、オープン時に保存しないテープ・デバイスを使う必要があります。-s に指定する値は、テープ上のアーカイブ位置ではなく、テープの読み取り/書き込みヘッドの位置に相対の位置です。 例えば、複数バックアップ・テープ・アーカイブから第 1、第 2、第 4 のバックアップを復元するには、-s フラグのそれぞれの値は -s1 、および -s2 になります。 |
-t |
バックアップ・アーカイブに関する情報を表示します。アーカイブがファイルシステム・フォーマットであれば、アーカイブ上で見つかったファイルのリストが標準出力に書き出されます。各ファイル名の前には、アーカイブ上に存在していたときのファイルの i ノード番号が付いています。 表示されるファイル名は、バックアップされたファイルシステムのルート (/) ・ディレクトリーに相対です。 File パラメーターを指定しなければ、アーカイブ上のすべてのファイルがリストされます。File パラメーターを使用すると、そのファイルのみがリストされます。File パラメーターにディレクトリーを指定すると、 そのディレクトリーに入っているすべてのファイルがリストされます。アーカイブがファイル名フォーマットの場合、ボリューム・ヘッダー内の情報は標準エラーに書き込まれます。 このフラグは、アーカイブがファイル名フォーマットであるか、またはファイルシステム・フォーマットであるかを判別するために使用できます。 |
-T |
バックアップ・アーカイブに関する情報を表示します。アーカイブがファイル名フォーマットの場合、
ボリューム・ヘッダー内の情報は標準エラーに書き込まれ、アーカイブ上で見つかったファイルのリストは標準出力に書き込まれます。 ファイル名アーカイブの場合、File パラメーターは無視されます。アーカイブがファイルシステム・フォーマットであれば、動作は -t フラグと同じになります。 |
-v |
ファイル名が復元されたときに情報を表示します。アーカイブがファイル名フォーマットである場合に、-x か -T フラグのいずれかが指定されると、
アーカイブ上に存在していたときのファイルのサイズがバイト単位で表示されます。ディレクトリー、ブロック、またはキャラクター・デバイス・ファイルは、サイズ 0 でアーカイブされています。
シンボリック・リンクは、そのサイズとともにリストされます。 ハード・リンクは、アーカイブ方法を示すファイルのサイズとともにリストされます。 アーカイブが読み取られると、これらのサイズの合計が表示されます。 アーカイブがファイルシステム・フォーマットであれば、ディレクトリーと非ディレクトリーのアーカイブ・メンバーが区別されます。 |
-x |
File パラメーターで指定したファイルを個別に復元します。File パラメーターを指定しなければ、すべてのアーカイブ・メンバーが復元されます。File パラメーターがディレクトリーであり、
アーカイブがファイル名フォーマットであれば、ディレクトリーのみが復元されます。File パラメーターがディレクトリーであり、アーカイブがファイルシステム・フォーマットであれば、このディレクトリーに入っているすべてのファイルが復元されます。File パラメーターで指定するファイル名は、
restore-T コマンドで表示される名前と同じでなければなりません。ファイルは、
アーカイブ時と同じ名前で復元されます。相対パス名 (./filename) を使用してファイル名がアーカイブされた場合には、ファイルは現行ディレクトリーに相対的な位置に復元されます。アーカイブがファイルシステム・フォーマットであれば、
ファイルは現行ディレクトリーに相対的な位置に復元されます。
restore コマンドは、必要なディレクトリーを自動的に作成します。このフラグを使用してファイルシステム・バックアップを復元すると、 先頭ボリューム番号の入力を求めるプロンプトが表示されます。 restore コマンドにより、アーカイブから抽出するファイルを指定するときに使用されるシェル・スタイル・パターン・マッチング・メタキャラクターを指定できるようになります。マッチング・メタキャラクターに関する規則は、シェル・パス名「globbing」で使用される規則と同じです。すなわち、以下のとおりです。
|
-X VolumeNumber |
複数のボリュームからなるファイル名バックアップのうち、指定したボリュームから復元を開始します。restore コマンドが開始されると、このコマンドは、-x フラグと同じように機能します。-X フラグはファイル名アーカイブにのみ適用されます。
|
-y |
テープ・エラーが発生した場合に復元を続行します。通常、restore コマンドは続行するための入力を要求します。
どちらの場合も、
読み取りバッファー内のすべてのデータはゼロに置き換えられます。-y フラグは、アーカイブがファイルシステム・フォーマットの場合にのみ適用されます。
|
-? |
使用方法メッセージを表示します。 |
終了状況
このコマンドは、以下の終了値を戻します。
項目 | ディスクリプター |
---|---|
0 | 正常終了。 |
>0 | エラーが発生しました。 |
セキュリティー
項目 | ディスクリプター |
---|---|
aix.fs.manage.restore | このコマンドの実行に必要です。 |
例
- ディスケット・デバイス /dev/rfd0 上の、
ファイル名アーカイブまたはファイルシステム・アーカイブ内のファイルの名前をリストするには、
以下のように入力します。
アーカイブは、デフォルトの復元デバイス /dev/rfd0 から読み取られます。アーカイブに入っているすべてのファイルとディレクトリーの名前が表示されます。 ファイルシステム・アーカイブの場合、 ファイル名の前には、アーカイブ上に存在していたときのファイルの i ノード番号が付いています。restore -Tq
-q
フラグは restore コマンドに対して、第 1 のボリュームが使用可能であり、読み取る準備ができていることを指示します。 したがって、第 1 のボリュームのマウントを求めるプロンプトは表示されません。 - 特定のファイルを復元するには、以下のように入力します。
このコマンドは、ファイル system.data を、 アーカイブ myhome.bkup から現行ディレクトリーに取り出します。この例にあるアーカイブは現行ディレクトリーにあります。ファイル名とディレクトリー名は、restore -xvqf myhome.bkup system.data
-T
フラグの使用時に表示されるとおりに指定しなければなりません。-v
フラグを指定すると、抽出中に情報が表示されます。 この例は、ファイル名アーカイブとファイルシステム・アーカイブの両方に適用されます。 - 特定のディレクトリーとそのディレクトリーの内容を、ファイル名アーカイブから復元するには、以下のように入力します。
restore -xdvqf /dev/rmt0 /home/mike/tools
-x
フラグは restore コマンドに対して、ファイルをファイル名別に取り出すように指示します。-d
フラグは restore コマンドに対して、/home/mike/tools ディレクトリーに入っているファイルとサブディレクトリーをすべて取り出すように指示します。 ファイル名とディレクトリー名は、-T
フラグの使用時に表示されるとおりに指定しなければなりません。ディレクトリーが存在しなければ、作成されます。 - 特定のディレクトリーとそのディレクトリーの内容を、ファイルシステム・アーカイブから復元するには、以下のように入力します。
このコマンドは、ファイルをファイル名別に取り出します。ファイル名とディレクトリー名は、restore -xvqf /dev/rmt0 /home/mike/tools
-T
フラグの使用時に表示されるとおりに指定しなければなりません。ディレクトリーが存在しなければ、作成されます。 - ファイルシステム全体のアーカイブを復元するには、以下のように入力します。
このコマンドは、テープ・デバイス /dev/rmt0 にアーカイブされたファイルシステム全体を、現行ディレクトリーに復元します。この例では、復元するファイルシステムのルート・ディレクトリーに現在いるものと想定しています。 アーカイブが増分ファイルシステム・アーカイブのセットの一部である場合、アーカイブは、レベル 0 から始まって増加するバックアップ・レベル順 (restore -rvqf /dev/rmt0
0
、1
、および2
など) に復元する必要があります。 - 単一ボリュームの複数バックアップ・テープから第 5 および第 9 バックアップを復元するには、
以下のように入力します。
最初のコマンドは、/dev/rmt0.1 で指定した複数バックアップ・テープ上の第 5 アーカイブから、すべてのファイルを取り出します。restore -xvqs 5 -f/dev/rmt0.1 restore -xvqs 4 -f/dev/rmt0.1
.1
指定子は、オープン時には緩み取りが行われず、クローズ時には巻き戻されるテープ・デバイスを指定します。-s
フラグの動作の関係で、クローズ時に巻き戻さず、オープン時に保存しないテープ・デバイスを使う必要があります。第 2 のコマンドは、 第 4 アーカイブ (テープ上のテープ・ヘッドの現行位置に相対) からすべてのファイルを取り出します。第 5 のアーカイブを復元後、 テープの読み取り/書き込みヘッドはアーカイブを読み取る位置にあります。テープ上の第 9 のアーカイブを取り出すためには、-s
フラグで値 4 を指定する必要があります。 これは、-s
フラグがテープ上のアーカイブとの相対位置ではなく、 テープ上の現行位置との相対位置だからです。 第 9 のアーカイブは、テープ上の現行位置を基準にすると第 4 のアーカイブです。 - 10 本のテープからなる複数バックアップ・アーカイブのうち、第 6 のテープから始まる第 4 のバックアップを復元するには、
第 6 のテープをテープ・ドライブに挿入して以下のように入力します。
第 4 のバックアップが第 6 のテープ上の第 2 のバックアップであると仮定した場合、restore -xcs 2 -f /dev/rmt0.1 /home/mike/manual/chap3
-s 2
を指定するとテープ・ヘッドはこのテープ上の第 2 のバックアップの先頭は移動します。restore コマンドは、指定されたファイルをアーカイブから復元します。バックアップが後続のボリュームに続いており、ファイルが復元されていない場合、restore コマンドは、バックアップの終了点に達するまで次のボリュームを挿入するよう指示します。-f
フラグは、巻き戻さず、かつ保存しないテープ・デバイス名を指定します。注:-s
フラグは、 テープ・ドライブに挿入されたテープに対して相対であり、全 10 本のテープからなるアーカイブに対して相対でないバックアップ番号を指定します。 - ストリーミング・テープ・デバイスのパフォーマンスをよくするには、以下のように入力して
dd
コマンドを restore コマンドにパイプ接続します。dd if=/dev/rmt0 bs=64b | restore -xf- -b64
dd
コマンドは、64 (512 バイト・ブロック) からなるブロック・サイズを使用して、テープからアーカイブを読み取り、標準出力に書き出します。restore コマンドは、 64 (512 バイト・ブロック) からなるブロック・サイズを使用して、標準入力を読み取ります。dd
コマンドがテープからアーカイブを読み取るために使用するブロック・サイズの値は、 backup コマンドでテープを作成するときに使用したブロック・サイズの偶数倍でなければなりません。例えば、次の backup コマンドは、この例で取り出されるアーカイブを作成するためには使用できません。
この例は、ファイル名フォーマットのアーカイブにのみ適用されます。アーカイブがファイルシステム・フォーマットの場合は、restore コマンドにfind /home -print | backup -ivqf/dev/rmt0 -b64
-B
フラグを指定する必要があります。 - 9348 磁気テープ装置モデル 12 において restore コマンドのパフォーマンスをよくするには、
以下のように入力してブロック・サイズを変更できます。
chdev -l DeviceName -a BlockSize=32k
- 非スパース・データベース・ファイルを復元するには、次のように入力します。
restore -xef /dev/rmt0
- アーカイブの前にスパースであったファイルをスパースとして復元するには、
以下のように入力します。
restore -xf /dev/rmt0
- ファイルの権限のみをアーカイブから復元するには、次のように入力します。
restore -Pa -vf /dev/rmt0
- ファイルの ACL 属性のみをアーカイブから復元するには、次のように入力します。
restore -Pc -vf /dev/rmt0
- ファイルの権限と目次を表示するには、次のように入力します。
restore -Ta -vf /dev/rmt0
- タイム・スタンプとファイルの権限とともにファイル名アーカイブの目次を表示するには、次のように入力します。
restore -Tl -vf /dev/rmt0
- タイム・スタンプとファイルの権限とともにファイルシステム・アーカイブの目次を表示するには、
次のように入力します。
restore -tl -vf /dev/rmt0
ファイル
項目 | ディスクリプター |
---|---|
/dev/rfd0 | デフォルトの復元デバイスを指定します。 |
/usr/sbin/restore | restore コマンドが入っています。 |