pvi コマンド

目的

特権ファイルにアクセスできるように、特権エディターを提供します。

構文

pvi [ -l ] [ -R ] [ -w Number ] [ -c | + [ Subcommand ] ] [ File ]

説明

pvi コマンドは、File パラメーターで指定されたファイルを編集するために、vi エディターの特権バージョンである pvi エディターを呼び出します。 一度に 1 つのファイルのみを開くことができます。そのファイルは、特権ファイル・データベースで定義されたセキュリティー属性を持っていなければなりません。 このエディターでは、権限の 1 つ以上がファイルの readauths 属性または writeauths 属性内の権限の 1 つ以上に一致する場合にのみ、そのファイルを表示することができます。 その場合にバッファーの内容の変更が可能になります。 このエディターでは、権限の 1 つ以上がファイルの writeauths 属性内の権限の 1 つ以上に一致する場合にのみ、そのファイルに書き込むことができます。 pvi コマンドで開いたファイルは、開いたときと同じパスにのみ書き込むことができます。

pvi エディターの開始と終了はコマンド・モードで行いますが、テキストを追加または変更するには、テキスト入力モードに切り替える必要があります。 テキスト入力モードを開始するサブコマンドについては、テキスト入力モードの項を参照してください。テキストをファイルに保存するには、:w コマンドの 1 つを使用します。pvi エディターを終了するには、:q コマンドを使用します。

この pvi コマンドで開始されるフルスクリーン表示エディターは、ex エディターを基にしています。 pvi エディターの中で ex サブコマンドを実行できます。 それらのサブコマンドは表示画面のカーソル位置で機能します。

pvi エディターは、編集中のファイルのコピーを編集バッファーに作成します。 変更を保存するまでは、ファイルの内容は変更されません。

注: vi エディターの機能の一部は、pvi エディターでは使用できません。 vi エディター上の情報を参照する場合、-r フラグ、-t フラグ、シェル・エスケープ、ユーザー定義マクロ、キー・マッピング、および vi オプションの永続設定は pvi エディターではサポートされないことを知っている必要があります。 一度に開くことができるバッファーは 1 つのみです。また、ファイルは開いたときと同じパスにのみ書き込むことができます。

エディターの制限

pvi エディターで扱える文字数には次の上限があります (1 バイト文字の数)。

  • グローバル・コマンド・リスト当たり 256 文字
  • シェル・エスケープ・コマンドごとに 2048 文字
  • 単一値オプション当たり 128 文字
  • タグ名当たり 30 文字
  • 非表示強制 524,230 行
  • マップ・マクロ 128、合計 2048 文字

編集モード

pvi エディターの操作モードは次のとおりです。

項目 説明
コマンド・モード pvi エディターはコマンド・モードで開始されます。 テキスト入力モードでテキストを訂正するサブコマンドを除くすべてのサブコマンドを呼び出すことができます。 サブコマンドの説明については、「pvi エディターのサブコマンド」の各トピックを参照してください。コマンド・モードから呼び出せないサブコマンドを識別するには、入力モードでのテキストの変更を参照してください。 サブコマンドおよびその他のモードが終了すると、pvi エディターはコマンド・モードに戻ります。 1 つのサブコマンドを取り消すには、Esc キーを押します。
テキスト入力モード テキストの追加または変更のために許可されているコマンドを使用すると、pvi エディターはテキスト入力モードに入ります。 テキスト入力モードを開始するサブコマンドのリストを見るには、ファイルへのテキストの追加を参照してください。また、コマンド・モードでテキストを変更するサブコマンド、C サブコマンド、および cx サブコマンドも参照してください。 これらのサブコマンドの 1 つを入力した後、テキスト入力モードで機能するサブコマンドのいずれかを使用してテキストを編集することができます。 サブコマンドのリストを見るには、pvi エディターのサブコマンドの各トピックを参照してください。 テキスト入力モードからコマンド・モードに戻るには、Esc キーを押すか (通常の終了の場合)、または Ctrl + C キーを押します (INTERRUPT シグナルを作成する場合)。
最終行モード サブコマンドには、画面の最下行に表示された入力を読み取るものもあります。 それらは、接頭部としてコロン (:)、スラッシュ (/)、または疑問符 (?) を持つサブコマンドです。 接頭部文字を入力すると、pvi エディターによりカーソルが画面の最下部に移動し、コマンドの残りの文字を入力できるようになります。 サブコマンドを実行するには、Enter を押します。 サブコマンドを取り消すには、Ctrl + C を押して、INTERRUPT シグナルを作成します。 コロン (:) を使用して最終行モードに入った場合、以下の文字は、カウントを指定するコマンドで使用すると特殊な意味を持ちます。
%
カーソル位置に関わりなくすべての行
$
最終行
.
現在行

pvi エディターのカスタマイズ

pvi エディターは、vi エディター・オプションの設定の指示に従って、一時的にカスタマイズできます。

pvi エディターのサブコマンド

フラグ

項目 説明
-c [ Subcommand ] 編集が開始される前に ex エディター・サブコマンドを実行します。 これにより行指向のテキスト・エディターが提供されます。 Subcommand パラメーターにヌル・オペランドを指定する (例えば-c '' と指定する) と、エディターはファイルの最終行にカーソルを置きます。
-l エディターをリスト処理 (LISP) モードにします。 このモードでは、エディターは LISP モードに適するようにインデントを行い、また (, ){, }[[, および ]] サブコマンドは LISP で動作するように変更されます。 これらのサブコマンドは指定された LISP 関数にカーソルを位置付けます。 LISP サブコマンドについて詳しくは、文、段落、およびセクションへの移動を参照してください。
-R ファイルの上書き防止のために readonly オプションを設定します。
-w Number デフォルト・ウィンドウ・サイズを Number パラメーターで指定された値に設定します。 これは低速回線を介してエディターを使用するときに役立ちます。
+[Subcommand] -c サブコマンドと同じです。

セキュリティー

アクセス制御: このコマンドは、すべてのユーザーに実行 (x) アクセス権限を与えます。

役割ベースのアクセス制御: ユーザーが特権ファイル・データベースの readauths または writeauths 権限リストにある権限に一致する権限を持っている場合、このコマンドはファイルへの読み取りアクセスを認可します。 ユーザーが特権ファイル・データベースの writeauths 権限リストにある権限に一致する権限を持っている場合にのみ、このコマンドはファイルへの書き込みアクセスを認可します。

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX® ユーザーへの注意: このコマンドは特権操作を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権について詳しくは、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. 特権エディターを呼び出して plans ファイルを編集するには、次のように入力します。
    pvi plans
    このコマンドは pvi エディターをコマンド・モードに置きます。 テキストを追加または変更するには、テキスト入力モードに入るか、あるいはコマンド・モードで受け入れられるコマンドを使用する必要があります。
  2. pvi エディターで作成したテキストを保存するには、Esc を押してテキスト入力モードを終了してから、次のように入力します。
    :w
  3. テキスト入力モードの pvi エディターを終了するには、Esc を押してコマンド・モードに入ってから、次のように入力します。
    :q!
    エディターが既にコマンド・モードになっている場合は、終了 (q!) コマンドを出す前に Esc を押す必要はありません。

ファイル

項目 説明
/usr/bin/pvi pvi コマンドが入っています。
/etc/security/privfiles 特権ファイルのセキュリティー属性が入っています。