mwm コマンド

目的

AIXwindows ウィンドウ・マネージャーを稼働させるコマンドです。

構文

mwm -display Host:Display:ScreenID -xrm ResourceString -multiscreen -name Name -screens Name [ Name ... ]

説明

mwm コマンドは、AIXwindows ウィンドウ・マネージャー (MWM) を稼働させ、多くの場合はディスプレイまたはセッション・マネージャーから始動されます。 AIXwindows ウィンドウ・マネージャー (MWM) は、X Window System のクライアントで、ウィンドウ管理機能といくつかのセッション管理機能を提供します。 配置、サイズ、アイコンまたは通常表示、および入力フォーカス所有権などのウィンドウ状態のエレメントの制御を (ユーザーおよびプログラマーが) 容易に行える機能を提供します。 また、クライアントの停止などのセッション管理機能も提供します。

ウィンドウ・マネージャーの外観と動作は、特定のリソースの構成を変更することによって変更することができます。 リソースは X デフォルトのセクションに定義されています。

デフォルトでは、mwm コマンドは -display オプションまたは DISPLAY 環境変数によって指定された画面だけを管理します (デフォルトは画面 0)。 -multiscreen オプションを指定するか、multiScreen リソースが真の場合、mwm コマンドはディスプレイ上のフルスクリーンを管理します。

mwm コマンドが複数の画面を管理する場合、-screens オプションは各画面に固有なリソース名を指定するために使用することができます。 名前はブランクで区切ります (例えば、-screens mwm0 mwm1)。 名前よりも画面が多い場合、残りの画面のリソースは最初の名前を使用して検索されます。 デフォルトでは、画面番号が画面名として使用されます。

ウィンドウ、アイコン、リソース、イベント、ボタンおよびキーの割り当て、メニュー、および変数については、次のセクションを参照してください。

• Windows
• アイコン
• アイコン・ボックス
• コンポーネント外観リソース
• 一般的な外観および動作リソース
• クライアント固有のリソース
• ウィンドウ・マネージャー・イベント指定
• ボタンの割り当て
• キーの割り当て
• メニュー画面
• 環境

フラグ

Windows

デフォルトのウィンドウ・マネージャーのウィンドウ・フレームは関連する機能を持つ次のエレメントから構成されます。

Default Window Menu

Selection  Accelerator  説明
Restore    Alt+F5       Restores the window to its size before 
                           minimizing or maximizing.
Move       Alt+F7       Allows the window to be moved with keys 
                           or mouse.
Size       Alt+F8       Allows the window to be resized.
Minimize   Alt+F9       Turns the window into an icon.
Maximize   Alt+F10      Makes the window fill the screen.
Lower      Alt+F3       Moves window to bottom of window stack.
Close      Alt+F4       Causes client to stop.

アイコン

アイコンはウィンドウを小さな図形として表現したものです。 ウィンドウはウィンドウ・フレームの Minimize ボタンを使用してアイコン化 (最小化) することができます。 アイコンは画面を整理する 1 つの方法です。

ポインターをアイコンに合わせて左マウス・ボタンを押すと、アイコンのウィンドウ・メニューが表示されます。 ボタンを離すと (マウスを動かさずに押して離す = クリック)、メニューが表示されたままになります。 メニューには次の選択項目があります。

アイコンでボタン 3 を押すと、アイコンのウィンドウ・メニューが表示されます。 メニューを選択する場合は、ポインターをメニューにドラッグし、希望の項目が強調表示されたらボタン 3 を離します。

アイコンでボタン 1 をダブルクリックすると、f.restore_and_raise 機能が呼び出され、そのアイコンに関連付けられているウィンドウが前の状態に復元されます。 例えば、最大化されたウィンドウをアイコン化する場合、ボタン 1 をダブルクリックすると最大化状態に復元されます。 アイコン・ボックスのアイコン上でボタン 1 をダブルクリックすると、アイコン・ボックスのアイコンがオープンし、含まれているアイコンにアクセスすることができます。(マウス・ボタンをダブルクリックすると、機能を迅速に実行できます。) Shift+Esc キー・シーケンスまたはポップアップ・メニュー・キーを押すと、現在選択されているアイコンのアイコン・ウィンドウ・メニューが表示されます。

アイコン・ボックス

アイコンが画面上に多くなった場合、アイコン・ボックスに入れることができます。 (アイコン・ボックスを使用するには、アイコン・ボックス構成を設定してから、ウィンドウ・マネージャーを始動します。) アイコン・ボックスはクライアント・アイコンを保持するウィンドウ・マネージャー・ウィンドウです。 アイコン・ボックスに同時に表示できないほど多くのウィンドウ・アイコンがある場合、このウィンドウには 1 つ以上のスクロール・バーが表示されます。

アイコン・ボックスのアイコンはマウスで操作することができます。 次のボタンの動作の説明は、このインターフェースの動作を要約したものです。 ポインターがアイコンの一部にある場合に、ボタンの動作は適用されます。 アイコン・ボックス内のアイコンをダブルクリックすると、f.restore_and_raise 機能が呼び出されます。

ポインターをアイコンに合わせてマウス・ボタン 3 を押すと、 そのアイコンのメニューが表示されます。

アイコン・ボックス自体のウィンドウ・メニューをプルダウンするには、ポインターをアイコン・ボックスのメニュー・ボタンに合わせてボタン 1 を押します。 アイコン・ボックスのウィンドウ・メニューは、クライアント・ウィンドウのウィンドウ・メニューとは異なります。Close 選択項目は PackIcons (Shift+Alt+F7) 選択項目と置き換えられています。 選択すると、PackIcons オプションは列に空きスロットがないように整理された形でアイコンをボックスに入れます。

Shift+Esc または Alt+Space のキー・シーケンスを押してウィンドウ・メニューを表示することもできます。 ポップアップ・メニュー・キーを押すと、現在選択されているアイコンのアイコン・ウィンドウ・メニューが表示されます。

入力フォーカス

mwm コマンドは、明示的な選択 のキーボード入力フォーカス・ポリシーをサポートします (デフォルトで)。 すなわち、キーボード入力を受け入れるウィンドウを選択すると、ウィンドウをウィンドウ管理から解除するか、キーボード入力を受け入れる別のウィンドウを明示的に選択するか、またはウィンドウをアイコン化するまでキーボード入力を受け入れます。 複数のリソースが入力フォーカスを制御します。 キーボード入力フォーカスを持つクライアント・ウィンドウは、ウィンドウ・フレームが視覚的にはっきりしたアクティブ・ウィンドウの外観となります。

次の表とキー操作の説明に、キーボード入力フォーカス選択動作について要約します。

ウィンドウのスタック

ウィンドウのスタックには、グローバル・ウィンドウ・スタックとアプリケーションのローカル・ファミリー・ウィンドウ・スタックの 2 種類があります。

ウィンドウのグローバル・スタック順序は、キーボード入力フォーカスの設定、ウィンドウのアイコン化、またはウィンドウ・マネージャーのウィンドウ・スタック機能の実行によって変更できます。 キーボード・フォーカス・ポリシーが明示的な場合、focusAutoRaise リソースのデフォルト値は真となります。 これにより、入力フォーカスを受け取ると (例えば、タイトル・バー上でボタン 1 を押すと)、ウィンドウはスタックの一番上まで上がります。 前ページのリストに定義したキー操作によって、フォーカスを受け取るウィンドウはスタックの一番上まで上がります。

ポインター・モードでは、focusAutoRaise リソースのデフォルト値は偽です。これは、ウィンドウがキーボード入力フォーカスを受け取る場合、ウィンドウのスタック順序は変更されないということです。 次のキー操作は、グローバル・ウィンドウ・スタックの循環に使用できます。

デフォルトでは、ウィンドウがアイコン化されると、ウィンドウのアイコンはスタックの一番下に置かれます。ただし、lowerOnIconify リソースによってデフォルトを変更することができます。

一時ウィンドウ (ダイアログ・ボックスなどの 2 次的なウィンドウ) は、デフォルトでは親ウィンドウの上に表示されます。 ただし、アプリケーションのローカル・ファミリー・スタック順序を変更して、一時ウィンドウを親のトップレベル・ウィンドウの下に表示するようにすることもできます。 次のパラメーター値によって、f.lower 機能のスタック順序を変更します。

within パラメーターおよび freeFamily パラメーターの値は、f.raise 機能および f.raise_lower 機能とも併用できます。

X デフォルト

mwm コマンドはリソース・データベースから構成されます。 このデータベースは次の送信元から構成されます。 優先順位の高い順に示します。

1. mwm コマンド・ライン・オプション
2. XENVIRONMENT 変数または $HOME/.Xdefaults-host
3. RESOURCE_MANAGER ルート・ウィンドウ属性または $HOME/.Xdefaults
4. $HOME/Mwm
5. /usr/lib/X11/app-defaults/Mwm

/usr/lib/X11/app-defaults/Mwm や $HOME/Mwm などのファイル名は、これらのファイルの慣習的な位置を示します。 システム全体のクラス・リソース・ファイルの実際の位置は XFILESEARCHPATH 環境変数および現在の言語環境によって決まります。 ユーザー別クラス・リソース・ファイルの実際の位置は XUSERFILESEARCHPATH および XAPPLRESDIR 環境変数および現在の言語環境によって決まります。

リソース・データベースの項目は特定種類のリソースの他のリソース・ファイルを参照することができます。 これらにはメニューや動作指定 (例えば、ボタンおよびキーの割り当て) などのようなビットマップ、フォント、および mwm 特定のリソースを保持するファイルを含みます。

Mwm は mwm コマンドのリソース・クラス名で、 mwm は mwm コマンドがリソースの検索に使用するリソース名です。 (複数画面のリソースの検索の場合は、 -screens コマンド・ライン・オプションに、mwm_b+w および mwm_color などのリソース名を指定します。) 以降のリソース指定の説明では Mwm と mwm (および別名の mwm リソース名) は同じものとして使用しますが、mwm は Mwm に優先します。 mwm コマンドが使用するリソース・タイプは、次のとおりです。

リソース ID はリソース名 (例えば、foreground) またはリソース・クラス (例えば、Foreground) のいずれかにすることができます。 リソースの値がファイル名で、ファイル名の接頭部が ~/ (ティルドとスラッシュ) である場合は、HOME 環境変数に含まれるパス (一般にユーザーのホーム・ディレクトリー) に対して相対的なパスです。

コンポーネント外観リソース

ウィンドウ・マネージャー・アイコン、メニュー、クライアント・ウィンドウ・フレームに適用されるコンポーネント外観リソースを指定する構文は次のとおりです。

Mwm*ResourceID

例えば、Mwm*foreground は、mwm コマンド・メニュー、アイコン、クライアント・ウィンドウ・フレーム、およびフィードバック・ダイアログにフォアグラウンド・カラーを指定するために使用します。

特定の mwm コンポーネントに適用され、コンポーネント外観リソースを指定する構文は、次のとおりです。

Mwm*[Menu|Icon|Client|Feedback]*ResourceID

リソースは、Menu を指定した場合は Mwm メニューにのみ、Icon を指定した場合はアイコンに、Client を指定した場合はクライアント・ウィンドウ・フレームに適用されます。 例えば、Mwm*Icon*foreground は mwm コマンド・アイコンのフォアグラウンド・カラーを、Mwm*Menu*foreground は mwm コマンド・メニューのフォアグラウンド・カラーを、Mwm*Client*foreground は mwm コマンド・クライアント・ウィンドウ・フレームのフォアグラウンド・カラーを指定します。

クライアント・ウィンドウ・フレーム (ウィンドウ管理ボタンを含む) のタイトル領域の外観は別に構成することができます。 クライアント・ウィンドウ・フレームのタイトル領域の外観を構成する構文は次のとおりです。

Mwm*Client*Title*ResourceID

例えば、Mwm*Client*Title*foreground はタイトル領域のフォアグラウンド・カラーを指定します。 タイトル領域のリソースのデフォルトは対応するクライアント・ウィンドウ・フレームのリソースの値に基づきます。

メニューの外観はメニュー名に従って構成することができます。 メニューの外観を指定するための構文は次のとおりです。

Mwm*Menu*MenuName*ResourceID

例えば、Mwm*Menu*MyMenu*foreground はメニュー MyMenu のフォアグラウンド・カラーを指定します。

ユーザーは、ウィンドウ・マネージャー・メニューのコンポーネントのリソース (メニューを構成するガジェット) を指定することもできます。 これらには、例えばメニュー・タイトル、タイトル・セパレーター、1 つ以上のボタン、およびセパレーターなどがあります。 メニューの中に、複数の PushButtonGadget ガジェットのような 1 つのクラスの複数のインスタンスがある場合、最初のインスタンスの名前は PushButtonGadget1、2 番目の名前は PushButtonGadget2 というようになります。 次のリストに、ウィンドウ・マネージャーのメニュー・コンポーネントに使用される命名規則を示します。

ウィンドウ・マネージャーのすべての部分に適用できるコンポーネント外観リソースには、次のものが指定できます。

コンポーネント外観リソース・セット

フレームおよびアイコン・コンポーネント・リソース・セット

一般的な外観および動作リソース

一般的な外観および動作リソースを指定する構文は次のとおりです。

Mwm*ResourceID

例えば、Mwm*keyboardFocusPolicy はキーボード・フォーカスを特定のクライアント・ウィンドウに設定するためのウィンドウ管理ポリシーを指定します。

一般的な外観および動作リソース・セット  

クライアント固有のリソース

クライアント固有のリソースを指定する構文は次のとおりです。

Mwm*ClientNameOrClass*ResourceID

例えば、Mwm*mterm*windowMenu は、mterm クライアントが使用するウィンドウ・メニューを指定するために使用します。

全クラスのクライアントのクライアント固有のリソースを指定する構文は、次のとおりです。

Mwm*ResourceID

クライアント特定のリソースは全クライアントの指定より優先されます。 例えば、Mwm*windowMenu はウィンドウ・メニューが指定されていないすべてのクラスのクライアントに使用するウィンドウ・メニューを指定するために使用します。

未知の名前とクラスを持つウィンドウ (すなわち、関連する WM_CLASS 属性を持たないウィンドウ) のリソース値を指定する構文は次のとおりです。

Mwm*defaults*ResourceID

例えば、Mwm*defaults*iconImage は未知の名前とクラスを持つウィンドウに使用するアイコン・イメージを指定するために使用します。

クライアント固有のリソース・セット

Mwm*XClock.clientDecoration: -resizeh -maximize

Mwm*XClock.clientDecoration: menu minimize border

リソース記述ファイル

mwm リソース記述ファイルは、 デフォルト・ファイル (.Xdefaults、app-defaults/Mwm) の項目によって参照されるリソース記述を保持する補足的なファイルです。 このファイルは、mwm コマンドによって使用され、デフォルト・ファイルでは簡単にエンコードできないリソースの記述を保持します (ビットマップ・ファイルはリソース記述ファイルに類似したタイプのファイルです)。 特定の mwm リソース記述ファイルは configFile リソースを使用して選択することができます。

次の種類のリソースは mwm リソース記述ファイルに記述することができます。

mwm リソース記述ファイル構文

mwm リソース記述ファイルはブランク、タブ、改行文字で区切られた情報項目が含まれる標準テキスト・ファイルです。 ブランク行は無視されます。 特別な解釈を避けるために項目を引用符で囲んで引用することができます (例えば、# (コメント文字) は引用符で囲むことにより、コメント文字として解釈されないようにすることができます)。 引用項目は、" " (二重引用符) で囲みます。 単一文字の前に円記号 (¥) を付けることによってエスケープすることができます。 引用符で囲まないコメント文字 (#) から行末までのテキストはコメントと見なされ、リソース記述の一部とは解釈されません。 感嘆符 (!) が行の最初にある場合、その行はコメントと見なされます。 行が ¥ (円記号) で終わる場合、次の行はその行の継続行と見なされます。

ウィンドウ・マネージャー機能はボタンの割り当てとキーの割り当ておよびウィンドウ・マネージャー・メニューでアクセス可能です。 機能はボタンの割り当てとキーの割り当てのセットおよびメニュー画面の指定の一部として示されます。 機能指定の構文は次のとおりです。

Function = FunctionName [FunctionArguments]
FunctionName = Window Manager Function
FunctionArguments = {QuotedItem | UnquotedItem}

次の機能がサポートされます。 サポートされていない機能を指定した場合は、mwm コマンドは f.nop 機能と同じと解釈します。

機能のコンテキスト

機能のコンテキストを icon|window として指定し、機能をアイコン・ボックスで始動した場合、機能はアイコン内ではなく、アイコン・ボックスに適用されます。

機能がサポートされていないリソース・タイプでその機能を指定した場合や、機能が適用されないコンテキストで始動された場合、その機能は f.nop として扱われます。 次の表にウィンドウ・マネージャー機能が適用されるリソースのタイプと機能のコンテキストを示します。

ウィンドウ・マネージャー・イベント指定

イベントはボタンおよびキーの割り当てセットおよびメニュー画面の指定の一部として示します。

ボタン・イベントの構文は次のとおりです。

Button = [ModifierList]<ButtonEventName>
ModifierList = Modifier Name {ModifierName}

指定されたすべての修飾子は排他的であると解釈されます (ボタン・イベントが発生したときに指定された修飾子だけが存在することができます)。 ModifierName パラメーターに使用できる値のリストを次に示します。 Alt キーは、Extend または Meta のラベルが付けられることもあります。 イベント指定において、Alt と Meta は同様に使用することができます。

ButtonEventName パラメーターに使用できる値のリストを次に示します。

メニュー・ニーモニックおよびウィンドウ・マネージャー機能に対する割り当てのためにウィンドウ・マネージャーによって使用されるキー・イベントは、1 つのキーを押すことです。キーを離すことは無視されます。 キー・イベントの構文は次のとおりです。

Key = [ModifierList] <Key> KeyName 
ModifierList = ModifierName {ModifierName}

指定されたすべての修飾子は排他的であると解釈されます (キー・イベントが発生したときに指定された修飾子だけが存在することができます)。 キー修飾子はボタン修飾子と同じです。 KeyName パラメーターは、X11 keysym 名です。 キー記号名は keysymdef.h ファイルにあります (XK_ prefix を除去します)。

キー記号名は、ウィンドウ・マネージャーの始動時に 1 つの固有なキー・コードに決められます。決められた名前は、ウィンドウ・マネージャーを再始動するまで変更されません。

ボタンの割り当て

buttonBindings リソース値は、ウィンドウ・マネージャーの動作を構成するために使用されるボタンの割り当てのセットの名前です。 ポインターをフレーム付きクライアント・ウィンドウ、アイコン、またはルート・ウィンドウに合わせてボタンを押したときに、ウィンドウ・マネージャー機能を使用することができます。 ボタンが押された位置を示すコンテキストは、ボタンが押されたときにウィンドウ・マネージャー機能を始動するためのコンテキストでもあります (コンテキストの影響を受ける機能にとって重要)。

ボタンの割り当ての構文は次のとおりです。

Buttons BindingsSetName
        { 
Button Context Function
Button Context Function
                . 
                . 
Button Context Function
        }

コンテキスト指定の構文は次のとおりです。

Context = Object[|Context] 
Object = root | icon | window | title | frame | border | app

Context 指定は、ボタンの割り当てを有効にするために、ポインターが置かれていなければならない位置を示します。 例えば、window のコンテキストは、ボタンの割り当てを有効にするために、ポインターがクライアント・ウィンドウまたはウィンドウ管理フレームになければならないことを示します。 frame コンテキストはクライアント・ウィンドウの周囲のウィンドウ管理フレーム (ボーダーとタイトル・バーを含む) に、border コンテキストはウィンドウ管理フレームのボーダー部分 (タイトル・バーは含まない) に、title コンテキストはウィンドウ管理フレームのタイトル領域に、app コンテキストはアプリケーション・ウィンドウ (ウィンドウ管理フレームを含まない) にポインターがなければならないことを示します。

ボタンの割り当てに f.nop 機能が指定された場合、 ボタンの割り当ては行われません。

キーの割り当て

keyBindings リソース値は、ウィンドウ・マネージャーの動作を構成するために使用されるキーの割り当てのセットの名前です。 特定のキーを押したときにウィンドウ・マネージャー機能を使用することができます。 キーの割り当てを適用するコンテキストはキーの割り当て指定で示されます。 有効なコンテキストはボタンの割り当てに適用するコンテキストと同じです。

キーの割り当ての構文は次のとおりです。

Keys BindingsSetName
{ 
Key Context Function
Key Context Function
                . 
                . 
Key Context Function
} 
 

キーの割り当てに f.nop 機能が指定された場合、キーの割り当ては行われません。 f.post_wmenu 機能または f.menu 機能をキーに 関連付けると、mwm コマンドは、画面表示後に画面からメニューを除去する ためのキーと同じキーを自動的に使用します。

Context 指定構文はボタンの割り当てと同じです。 キーの割り当ての場合、frame、title、border、および app コンテキストは window コンテキストと同じです。 キー・イベントのコンテキストはキーボード入力フォーカスを持つウィンドウまたはアイコンです (キーボード入力フォーカスを持つウィンドウまたはアイコンがない場合は、root)。

メニュー画面

メニューは、f.post_wmenu および f.menu ウィンドウ・マネージャー機能 を使用して表示することができます。メニューから実行されるウィンドウ・マネージャー機能の コンテキストは、メニューがオープンされる方法に応じて root、 icon、または window となります。キーの割り当て を使用してオープンされたウィンドウ・メニューまたはメニューの場合、キーボード入力フォーカスの 位置がコンテキストを示します。ボタンの割り当てを使用してオープンされたメニューの場合、 ボタンの割り当てのコンテキストはメニューのコンテキストです。

メニュー画面指定構文は次のとおりです。

Menu MenuName
{
Label [Mnemonic] [Accelerator] Function
Label [Mnemonic] [Accelerator] Function
                 .
                 . 
Label [Mnemonic] [Accelerator] Function
} 

Menu 指定の各行は、メニュー項目のラベルおよびメニュー項目を選択した場合に完了される機能を示します。 オプションで、メニュー・ボタン・ニーモニックおよびメニュー・ボタン・キーボード・アクセラレーターを指定することができます。 メニューが通知され、キーボード移動が適用されるときのみ、ニーモニックは機能します。

ラベルは文字列またはビットマップ・ファイルとすることができます。 Label 指定の構文は次のとおりです。

Label = Text | BitmapFile
BitmapFile = @FileName
Text = QuotedItem | UnquotedItem

ラベルの文字列エンコードは、使用するメニュー・フォントと互換性がなければなりません。 f.nop 機能、無効な機能、または現行コンテキスト内で適用されない機能を使用するメニュー項目 のラベルは、選択不可になります。

Mnemonic 指定の構文は次のとおりです。

Mnemonic = _Character

ラベルの中で最初に一致する Character にはアンダースコアーが付きます。 ラベルに一致する Character がない場合、そのラベルのニーモニックはウィンドウ・マネージャーに登録されません。 Character はラベル内の 1 文字と完全に一致しますが、文字キーと共に修飾子 (Shift キーなど) が押された場合、ニーモニックは実行されません。

Accelerator 指定は、ウィンドウ・マネージャー機能とのキーの割り当てに使用するのと同じ構文を持つキー・イベント指定です。

環境

mwm コマンドは次のことを実行します。

• HOME 環境変数を使用してユーザーのホーム・ディレクトリーを指定します。
• LANG 環境変数を使用して、mwm メッセージ・カタログと mwm リソース記述ファイルのためのユーザーの希望する言語を指定します。
• XFILESEARCHPATH、XUSERFILESEARCHPATH、XAPPLRESDIR、XENVIRONMENT、 LANG、および HOME の各環境変数を使用して、リソース・デフォルト・ファイルの検索パスを判別します。 mwm コマンドは、XBMLANGPATH 環境変数を使用してビットマップ・ファイルを検索することもできます。
• $HOME/.motifbind ファイルがあれば読み取り、仮想キーの割り当て属性をルート・ウィンドウにインストールします。
• MWMSHELL 環境変数 (MWMSHELL を設定しない場合は SHELL) を使用し f.exec 機能を介してコマンドを実行する場合に使用するシェルを指定します。

終了状況

ファイル

/usr/lib/X11/$LANG/system.mwmrc

/usr/lib/X11/system.mwmrc

/usr/lib/X11/app-defaults/Mwm

$HOME/Mwm

$HOME/.Xdefaults

$HOME/$LANG/.mwmrc

$HOME/.mwmrc

$HOME/.motifbind