mkcimreg コマンド

目的

Common Information Model (CIM) クラスおよび Common Manageability Programming Interface (CMPI) プロバイダーを RMC に登録します。

構文

クラスを登録するには、次のように入力します。

mkcimreg [-I include_directory...] [-f] [-h] definition_file...

プロバイダーを登録するには、次のように入力します。

mkcimreg [-I include_directory...] [-p provider_directory] [-h] registration_file...

CIM スキーマをコンパイルするには、次のように入力します。

mkcimreg [-I include_directory...] -b schema_path [-h]

説明

mkcimreg コマンドは、Common Information Model (CIM) クラスおよび Common Manageability Programming Interface (CMPI) プロバイダーを RMC サブシステムに登録します。このコマンドを使用して、1 つ以上のクラス定義ファイルまたはプロバイダー登録ファイルを指定することができます。 -I フラグは、検索パスにディレクトリーを追加するときに使用します。mkcimreg の出力には、CIM リソース・マネージャーが CIM クラスの処理に必要とするファイルの名前が含まれています。

クラスの登録

-f フラグを使用してクラスをアップグレードした場合 (すなわち、クラス定義が何らかの形で変更された場合)、必ずアップグレードしたクラスのサブクラスであるクラスをすべて再登録して、新しいクラスに導入された変更内容がそのサブクラスにも伝搬されるようにします。 変更は親から子へと伝搬されるため、この作業は「降順」に実行してください。 階層は次のとおりです。
------------------
Hardware_Component
------------------
        ↑
        |
------------------
Hardware_Adapter
------------------
        ↑
        |
------------------
Hardware_Ethernet
------------------
例えば、mkcimreg -f を使用して Hardware_Component をアップグレード した場合、Hardware_Adapter を先に、そして次に Hardware_Ethernet という 順序でこの両方を登録する必要があります。

クラスを登録した後に:

RMC を再始動する必要があります。

RMC の再始動

CIM クラスの登録プロセスの最終ステップとして、RMC サブシステムを再始動する必要があります。 実行するコマンド・シーケンスは、次のとおりです。
  1. RMC サブシステムをシャットダウンするには、次のように入力します。
    /opt/rsct/bin/rmcctrl -k
    RMC をシャットダウンする場合の注意:

    シャットダウン時に残っている RMC 依存のリソース・モニターは、非活動化されます。 高可用性を確保するため、またはその他の重大なシステム機能を使用するために RMC またはそのいずれかのリソース・マネージャーに依存する環境は、一時的に使用不可になる場合があります。

  2. 次のコマンドに ctrmc の状況が「操作不可」と示されるまで待機します。
    			
    lssrc -s ctrmc
  3. CIM リソース・マネージャーをシャットダウンし、それが停止したことを確認します。
    stopsrc -s IBM.CIMRM
    lssrc -s IBM.CIMRM
  4. RMC サブシステムを再始動するには、次のように入力します。
    /opt/rsct/bin/rmcctrl -A

プロバイダーの登録

-p フラグは、コマンド・ラインの登録ファイルに、プロバイダー登録情報が含まれることを示します。 プロバイダー・ライブラリーのディレクトリーは、このフラグのパラメーターであると想定されます。 プロバイダー・ライブラリー名は、ProviderName 属性の先頭に lib を付加するという、CMPI/Pegasus 規則に従います。例えば、属性 ProviderName=Linux_Processor のプロバイダーは、ProviderDirectory 内で libLinux_Processor.so という名前を使用して検索します。登録ファイルで明示的に宣言されていないプロバイダーが必要とする補助ライブラリーは、コマンド・ラインに指定されたディレクトリー内か、/usr/lib/lib などの標準システム・ディレクトリー内になければなりません。

スキーマのコンパイル

CIM リソース・マネージャーには、CIM スキーマのバージョン 2.9 が付属しています。これ以降のバージョンにアップグレードするには、-b フラグを使用します。必ずこのフラグに、パラメーターとしてスキーマ・ファイル (CIM_Schemaversion.mof) を渡してください。このスキーマ・ファイルには CIM スキーマの全体が含まれ、通常は、他のスキーマ MOF ファイルを取り込む一連の #include ステートメントという形式をとっています。

CIM スキーマが -b フラグを使用してコンパイルされると、mkcimreg はそれ以上スキーマ管理オブジェクト・フォーマット (MOF) ファイルにアクセスする必要がなくなります。 mkcimreg によって前のバージョンの CIM スキーマに対して登録されたユーザー・クラスは、新しいスキーマ・バージョンの変更を派生クラスに反映させるために、再登録する必要があります。

フラグ

-I include_directory...
検索する 1 つ以上の追加のディレクトリーを指定します。
-f
既存のクラス登録データを、クラス定義ファイル内で提供されている定義で上書きします。
-p provider_directory
プロバイダー・ライブラリーへのパスを指定します。
-b schema_path
CIM スキーマ・ファイルをコンパイルします。
-h
コマンドの使用方法の文を標準出力に書き込みます。

パラメーター

definition_file
1 つ以上のクラス定義ファイルを指定します。
registration_file
1 つ以上のプロバイダー登録ファイルを指定します。

セキュリティー

このコマンドには、root 権限が必要です。

終了状況

0
コマンドは正常に実行されました
1
内部コマンド・エラーが発生しました。
2
コマンド・ライン・インターフェース (CLI) スクリプトでエラーが発生しました。
3
コマンド・ラインに間違ったフラグが指定されました。
4
コマンド・ラインに間違ったパラメーターが指定されました。
5
クラス登録エラーが発生しました。

制限

登録が済んでいないクラスから派生したクラスは登録できません。

実装上の固有な条件

このコマンドは、AIX® Expansion Pack 上の rsct.exp パッケージの中の rsct.exp.cimrm ファイルセットの一部です。

標準出力

-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用方法の説明文が標準出力に書き込まれます。

標準エラー

-T フラグが指定されると、このコマンドのトレース・メッセージが標準エラーに書き込まれます。

  1. クラス定義ファイルがディレクトリー $CIMDEFS にある場合に CIM クラス Linux_ComputerSystem を登録するには、次のように入力します。
    mkcimreg $CIMDEFS/Linux_ComputerSystem.mof
    このクラスの CMPI プロバイダーも登録する必要があります。
  2. 登録ファイルがディレクトリー $CIMDEFS にあり、プロバイダー・ライブラリーがディレクトリー $CMPIHOME にある場合に、CMPI プロバイダーを登録するには、次のように入力します。
    mkcimreg -p $CMPIHOME $CIMDEFS/Linux_ComputerSystemRegistration.mof
  3. CIM スキーマのバージョン 2.12 をコンパイルするには、次のように入力します。
    mkcimreg -I $SCHEMA_DIR -b CIM_Schema2.12.mof 
    スキーマ MOF ファイルの検索パスを示す $SCHEMA_DIR は必須ではありませんが、mkcimreg コマンドが実行される現在の作業ディレクトリーに必要な MOF ファイルがない場合に、このコマンドがそれらのファイルを見つける手助けをします。

Location

/opt/rsct/bin/mkcimreg