lockd デーモン

目的

ロック要求を処理します。

構文

/usr/sbin/rpc.lockd [ -t TimeOut ] [ -g GracePeriod ] [ -d debug ] [ -x xnfs ] [ -T RetransmissionsTimeout ] [ number of server ]

説明

lockd デーモンはカーネルによってローカルに送られたロック要求か、または別のロック・デーモンによってリモートに送られたロック要求を処理します。 lockd デーモンはリモート・データに対するロック要求を RPC パッケージを経由してサーバー・サイトのロック・デーモンに送ります。 lockd デーモンは次に、statd (状況モニター) デーモンにモニター・サービスを要求します。 ロック要求への応答は、statd デーモンとサーバー・サイトの lockd デーモンの両方が応答するまでカーネルには送られません。 statd デーモンは常に lockd デーモンより前に開始される必要があります。

状況モニターまたはサーバー・サイトのロック・デーモンが使用不可であるとき、リモート・データへのロック要求に対する応答は、すべてのデーモンが使用できるようになるまで戻りません。

サーバーが回復すると、サーバーはすべてのクライアント・サイトの lockd デーモンが再使用要求の実行を依頼するための猶予期間だけ待ちます。 一方、クライアント・サイトの lockd デーモンは、statd デーモンからサーバーのリカバリーを再び知らされます。 これらのデーモンは直ちに、以前に認可されたロック要求の実行を依頼します。 lockd デーモンがサーバー・サイトで以前に認可されたロックを保護できないときは、lockd デーモンは SIGLOST 信号をプロセスに送ります。

lockd デーモンは次のシステム・リソース・コントローラー (SRC) コマンドによって始動され、停止されます。
startsrc -s rpc.lockd
stopsrc -s rpc.lockd
lockd デーモンが始動されるときに、これに渡す引数を変更するには、次のコマンドを使います。
chssys -s rpc.lockd Parameters...

状況モニターは、接続の位置に関する情報と、/var/statmon/sm ディレクトリー、/var/statmon/sm.bak ファイル、および /var/statmon/state ファイル内の状況に関する情報を保守します。 再始動されると、statd デーモンはこれらのファイルを照会し、終了する前に接続を再び確立しようとします。 既存のロックまたは状況についての知識を持たずに、statd デーモン、続いて lockd デーモンを再開するには、statd デーモンを再始動する前にこれらのファイルを削除してください。

デフォルトでは、rpc.lockd は受信要求用の動的ソケット・ポート番号を設定します。エントリーが /etc/services ファイルに追加され、rpc.lock が要求を listen するポートを指定します。サービス名は lockd であり、固有のポート番号を指定する必要があります。/etc/services ファイル内の以下のエントリーは、ポート 16001 が tcp および udp の両方に使用されることを指定します。
lockd 16001/tcp
lockd 16001/udp

フラグ

項目 説明
-d debug rpc.statd デーモンのデバッグ・レベルが指定されます。 デフォルトでは、デバッグ・レベルが使用不可にされます。
-g GracePeriod 以前に認可されたロックに対する再使用要求を lockd デーモンが待つ時間を秒単位で指定するには、GracePeriod 変数を使います。 GracePeriod 変数のデフォルト値は 45 秒です。
-T RetransmissionsTimeout 1Way RPC 接続のタイムアウトを指定します。 1Way RPC 接続は、RetransmissionsTimeout の秒数の間有効な状態を保ちます。この変数が 0 に設定される場合、1Way RPC 呼び出しのクライアント・キャッシュはありません。RetransmissionsTimeout 変数のデフォルト値は 300 秒です。
-t TimeOut リモート・サーバーへロック要求を再送信する間隔を指定するには、TimeOut 変数を使います。 TimeOut 変数のデフォルト値は 15 秒です。
-x xnfs rpc.lockd デーモンが xnfs 仕様に準拠する必要があるかどうかを指定します。デフォルトでは、このフラグはオフにされます。

パラメーター

項目 説明
number of server 始動するデーモン数を指定します。

  1. 猶予期間を指定するには、次のように入力します。
    /usr/sbin/rpc.lockd  -g 60
    この例では、猶予期間は 60 秒に設定されます。
  2. lockd デーモンがロック要求を再送信する前に待つ時間を指定するには、次のように入力します。
    /usr/sbin/rpc.lockd  -t 30
    この例では、再送信は 30 秒後に起こります。

ファイル

項目 説明
/etc/services lockd パラメーター情報エントリーが入っています。