プロビットの回帰

このプロシージャーでは、刺激の強さと、刺激に対して一定の応答を示すケースの割合との関係を測定します。 このプロシージャーは、ある独立変数のレベルが影響しているか、または原因となっていると思われる二分出力がある場合に役立ちます。また、特に実験データに適しています。 このプロシージャーでは、メディアン有効量のように、一定の割合の応答を導くために必要な刺激の強さを推定することができます。

例。 新しい殺虫剤がアリの駆除にどの程度有効か、またどの濃度で使用するのが適切かを調べます。 アリのサンプルにさまざまな濃度の殺虫剤を散布する実験を行い、駆除されたアリの数と殺虫剤を散布したアリの数を記録します。 このデータにプロビットの回帰を適用すると、濃度と殺虫力の関係の強さを判別できます。また、例えば、殺虫剤を散布したアリの 95% を確実に駆除したい場合の適切な殺虫剤の濃度を特定できます。

統計。 回帰係数と標準誤差、切片と標準誤差、Pearson のカイ 2 乗の適合度、観測度数と期待度数、独立変数の有効レベルの信頼区間。 プロット: 変換された応答プロット。

プロビットの回帰データの考慮事項

データ。 独立変数の各値 (独立変数が複数ある場合は値の各組み合わせ) について、対象の応答を示す値を含んだケースの数を応答変数とし、独立変数の値を含んだケースの総数を総観測変数とする必要があります。 因子変数には、整数でコード化したカテゴリー変数を使用します。

仮定: 観測値は独立している必要があります。 観測調査で見られるように、観測値の数に比べて独立変数の値が多い場合は、カイ 2 乗と適合度の統計が有効とならないことがあります。

関連プロシージャー。 プロビット分析は、ロジスティック回帰と密接に関連しています。実際に、ロジット変換を選択すると、このプロシージャーでは実質的にロジスティック回帰が計算されます。 一般に、プロビット分析は計画実験に適しているのに対し、ロジスティック回帰は観測調査に適しています。 その違いは出力に顕著に現れます。 プロビット分析プロシージャーは、さまざまな応答比率の有効値 (メディアン有効量を含む) の推定値をレポートします。一方、ロジスティック回帰プロシージャーは、独立変数のオッズ比の推定値をレポートします。

プロビットの回帰分析の実施

この機能を使用するには、 Custom Tables and Advanced Statisticsが必要です。

  1. メニューから次の項目を選択します。

    分析 > 回帰 > プロビット ...

  2. 応答度数変数を選択します。 この変数は、検定刺激への応答を示すケースの数を表します。 この変数の値を負にすることはできません。
  3. 総観測変数を選択します。 この変数は、刺激が適用されたケースの数を示します。 この変数の値は負にすることができず、各ケースの応答度数変数の値以上である必要があります。

    オプションで、因子変数を選択することができます。 その場合は、「範囲の定義」を使用してグループの範囲を定義します。

  4. 共変量を 1 つ以上選択します。 この変数には、各観測値に適用される刺激のレベルが格納されます。 共変量を変換する場合は、「変換」ドロップダウン・リストから適用する変換を選択します。 変換を適用せず、かつ制御グループがある場合は、その制御グループが分析に取り込まれます。
  5. 「Probit」 または 「Logit」 モデルを選択します。
    Probit Model (プロビット・モデル)
    プロビット変換 (累積標準正規分布関数の逆関数) を応答率に適用します。
    Logit Model (ロジット・モデル)
    ロジット (オッズの対数) 変換を応答率に適用します。

このプロシージャーでは、 PROBIT コマンド・シンタックスを貼り付けます。