RANDOM サブコマンド (GENLINMIXED コマンド)
RANDOM サブコマンドは、混合モデルで変量効果を指定します。
- 指定された共分散タイプによっては、1 つの
RANDOMサブコマンドで指定された複数の変量効果の間に相関が存在することがあります。 RANDOMサブコマンドが実行されるごとに、共分散 G 行列の 1 つのブロックが作成されます。 変量効果共分散 G 行列の次元は、すべてのRANDOMサブコマンドにわたるすべての変量効果のレベルの合計と等しくなります。- 分散成分 (
VC) 構造が指定されると、計測された単位 (ID) の構造が、指定された効果のそれぞれに割り当てられます。 これは、RANDOMサブコマンドのデフォルトの共分散タイプです。 - 変量効果のリストに対して異なる共分散構造が想定されている場合は、別個の
RANDOMサブコマンドを使用してください。 同じ効果が複数のRANDOMサブコマンドでリストされる場合、別のSUBJECTの組み合わせと関連付ける必要があります。 RANDOMサブコマンドが正しく指定されなければ、変量効果は混合モデルに組み込まれません。
EFFECTS。 効果リストには、 USE_INTERCEPT キーワードを使用して指定された切片を除く、変量効果モデル・ブロックに含めるすべての効果が含まれます。
- 因子 (カテゴリ型予測変数) または共変量 (連続型予測値) の主効果の項を含めるには、そのフィールド名を入力します。 フィールドが因子として扱われるか、共変量として扱われるかは、その測定の尺度によって決まります。
- 因子間の交互作用の項を含めるには、キーワード
BYまたはアスタリスク (*) を使用して、交互作用に関わる因子を結合します。 例えば A*B は、A と B の 2 要因の交互作用です (A と B は因子です)。 交互作用効果内の因子はそれぞれ異なっていなければならないため、A*A と指定することはできません。 - ある効果を別の効果内にネストさせるための項を含めるには、括弧を対にして使用します。 例えば A(B) は、A が B の内部にネストされることを意味します。
- 多重ネストも可能です。 例えば A(B(C)) は、B が C の内部にネストされ、A が B(C) の内部にネストされることを意味します。 複数の括弧の対が存在する場合、それぞれの対が、別の括弧の対の内部に囲まれている (ネストされている) 必要があります。 そのため、A(B)(C) は無効です。
- ネストされた効果の間の交互作用は無効です。 例えば、A(C)*B(C) も A(C)*B(D) も無効です。
- * 演算子を使用して共変量を接続して (ただしネストはしない)、別の共変量効果を形成することができます。 X1*X1 や X1*X2 などの共変量の間の交互作用は有効ですが、X1(X2) は無効です。
- 因子および共変量効果は、* 演算子によってのみ接続できます。 A および B が因子、X1 および X2 が共変量であるものとします。 有効な因子と共変量の交互作用効果の例は、A*X1、A*B*X1、X1*A(B)、A*X1*X1、および B*X1*X2 です。
USE_INTERCEPT。 このキーワードは、切片項がモデルに含まれるかどうかを制御します。 EFFECTS キーワードに効果が指定されていない場合、 USE_INTERCEPT=FALSE を指定することは無効です。 デフォルトは FALSE です。
例
GENLINMIXED
/FIXED EFFECTS=a b
/RANDOM SUBJECTS=id.
GENLINMIXED
/FIXED EFFECTS=a b
/RANDOM USE_INTERCEPT=TRUE SUBJECTS=id.
GENLINMIXED
/FIXED EFFECTS=a b
/RANDOM EFFECTS=c d SUBJECTS=id.
- 最初のコマンドは失敗します。
RANDOMサブコマンドに効果も切片も指定されていないためです。 その後の 2 つのコマンドは正常に実行されます。
SUBJECTS キーワード
SUBJECTS キーワードは、アクティブなデータセット内の被験者を識別します。 被験者間 では完全な独立性が想定されていますが、被験者内 の応答は相関することが想定されています。
- 単一のフィールドを指定するか、アスタリスク
(*) またはキーワード
BYによって接続されたフィールドのリストを指定します。 - 被験者数は、フィールド値の別個の組み合わせの数 (同じ組み合わせはカウントしない) と同じです。
RANDOMSUBJECTSリスト内のフィールドは、DATA_STRUCTURESUBJECTSリスト上のフィールドのサブセットでなければなりません。SUBJECTSキーワードはオプションです。
GROUPING キーワード
GROUPING キーワードによって、独立した共分散パラメータ セットを定義できます。 すべての被験者は同じ共分散のタイプを持ちます。つまり、同じ共分散グループ内の被験者は、パラメーターに同じ値を持ちます。
- 単一のカテゴリ フィールドを指定するか、アスタリスク
(*) またはキーワード
BYによって接続されたカテゴリ フィールドのリストを指定します。 - フィールド値による異なる組み合わせは、それぞれ別個の共分散グループ化を定義します。
GROUPINGキーワードで指定されたフィールドは、SUBJECTSまたはREPEATED_MEASURESフィールド、FIELDSサブコマンドのTARGET、EFFECTSキーワード、またはFIXEDまたはRANDOMサブコマンドとして使用することもできます。GROUPINGキーワードはオプションです。
COVARIANCE_TYPE キーワード
COVARIANCE_TYPE キーワードは、変量効果共分散行列の共分散構造を提供します。
- 変量効果は互いに独立していると見なされ、効果ごとに別個の共分散行列が計算されます。
AR1. 1 次自己回帰。
ARH1. 不均質の 1 次自己回帰。
ARMA11. 自己回帰移動平均 (1,1)。
COMPOUND_SYMMETRY。 この構造には定数分散および定数共分散があります。
CSH。 不均質の複合対称。 この構造には非定数分散および定数相関があります。
DIAGONAL。 これは、不均質の分散を含む対角線構造です。
IDENTITY。 これは計測された単位の行列です。
UNSTRUCTURED。 これは完全に一般的な共分散行列です。
VARIANCE_COMPONENTS。 分散成分。 これは、変量効果のデフォルトの共分散構造です。 変量効果の分散成分構造は、サブコマンドで指定された効果のそれぞれに割り当てられた、計測された単位 (ID) の構造です。
SOLUTION キーワード
SOLUTION キーワードは、現在の RANDOM サブコマンドで指定された変量効果のセット用に、「経験的最良線形不偏予測」テーブルが表示されるかどうかを指定します。 「経験的最良線形不偏予測」テーブルには、特定の変量効果のパラメータの予測が表示されます。 デフォルトは FALSE です。これは変量効果パラメータの推定値が表示されないことを指定します。 SOLUTION キーワードは、RANDOM のコンテキストでは以下の構文になります。
[/RANDOM]
[SOLUTION = TRUE | FALSE**]