ORB の初期化
スタンドアロン Java™ アプリケーションでは、クライアントは ORB のインスタンスを作成する必要があります。
ORBインスタンスは、静的メソッド
init(...)
を呼び出すことによって作成されます。 例:ORB orb = ORB.init(args,props);
メソッドに渡されるパラメーターには、以下のようなものがあります。
- プロパティーと値のペアを含むストリング配列。
- Java プロパティー・オブジェクト。
アプレットに対しても同様の方法が使用されます。 ただし、ストリング配列ではなく、Java アプレットが渡される点が異なります。
ORB の初期化における最初の手順は、ORB プロパティーの処理です。
プロパティーは、次の順序で検索することによって検出されます。
- 最初に、アプレットのパラメーターまたはアプリケーションのストリング配列がチェックインされます。
- プロパティーが存在する場合、プロパティーのパラメーターがチェックインされます。
- システムのプロパティーがチェックインされます。
- <user-home>ディレクトリーにあるすべてのorb.propertiesファイルをチェックインします。
- <java-home>/libディレクトリーにあるすべてのorb.propertiesファイルをチェックインします。
- 最後に、ハードコーディングされたデフォルトの動作が使用されます。
サービス・リフレッシュ 3 フィックスパック 10 以降では、優先順位が変更されています。

- 最初に、アプレットのパラメーターまたはアプリケーションのストリング配列がチェックインされます。
- プロパティーが存在する場合、プロパティーのパラメーターがチェックインされます。
- システムのプロパティーがチェックインされます。
- JVMプロパティーcom.ibm.CORBA.ORBPropertyFilePathに指定されるディレクトリーのorb.propertiesファイルをチェックインします。
- <user-home>ディレクトリーにあるすべてのorb.propertiesファイルをチェックインします。
- <java-home>/libディレクトリーにあるすべてのorb.propertiesファイルをチェックインします。
- クラスパス にあるorb.propertiesファイル (JAR ファイルを含む)をチェックインします。
- 最後に、ハードコーディングされたデフォルトの動作が使用されます。

二つの重要なプロパティーは、ORBClassとORBSingletonClassです。 これらのプロパティーは、作成されて初期化される、すなわちインスタンス化 される ORB クラスを決定します。
ORB は、インスタンス化された後、TCP トランスポート層を開始して初期化します。 ListenerPortプロパティが設定された場合、ORBはサーバーソケットを開いて着信要求をリッスンします。 ListenerPortプロパティーは、サーバー・サイドORBに使われます。 init() メソッドによって実行された初期化プロセスが終了すると、ORB は完全に機能し、クライアント・アプリケーションをサポートする準備が整います。