jVerbs トレース・オプション (Linux のみ)

ファイルへのトレース出力の送信を含め、標準のトレース・オプションを使用して、jVerbs ランタイム呼び出しをネイティブ・レベルまでトレースできます。

注：

以前非推奨であった RDMA 実装は、 IBM® SDK, Java™ Technology Edition, Version 8 から削除されました。サービスリフレッシュ8 フィックスパック30の変更終了について

ネイティブの jVerbs インターフェース実装環境が提供されます。アプリケーションからの各 Java 呼び出しは、Java Native Interface (JNI) を使用してリモート直接メモリー・アクセス (RDMA) 操作を行うために、 rdmacm または ibverbs ライブラリーへのネイティブ呼び出しを行います。 Java 呼び出しは、内部のネイティブ・ディスパッチャー・クラスによってネイティブ層にルーティングされます。

Java メソッド呼び出しおよびネイティブ・メソッド呼び出しをトレースできます。

Java メソッド呼び出しのトレース

jVerbs インターフェースには、以下の Java パッケージが含まれています。

com.ibm.net.rdma.jverbs.cm: rdmacmライブラリーにアクセス接続管理クラス。
com.ibm.net.rdma.jverbs.verbs: ibverbsライブラリーにアクセスする動詞クラス。
com.ibm.net.rdma.jverbs.endpoints: cm パッケージと verbs パッケージからクラスを使用するエンドポイント抽象化クラス。

Java コマンド行で標準の -Xtrace オプションを使用して、これらのパッケージ内のクラスをトレースできます。例えば、すべての jVerbs Java メソッドをトレースするには、以下のコマンド行オプションを使用します。

-Xtrace:methods={com.ibm.net.rdma.jverbs.*},print=mt

必要とするレベルでクラスをトレースするには、より具体的なパターンを使用します。例えば、すべての接続管理ネイティブ・クラスからのメソッドをトレースするには、以下のコマンド行オプションを使用します。

-Xtrace:methods={com.ibm.net.rdma.jverbs.cm.Native*},print=mt

ネイティブ・メソッド呼び出しのトレース

JVERBS トレース・ポイント・コンポーネントを使用して、ランタイム環境内のネイティブ・メソッド呼び出しをトレースします。ネイティブ・メソッドの入り口、パラメーター、および通常の出口と、エラー番号付きの異常出口をトレースできます。例:

-Xtrace:print=JVERBS

このコマンド行オプションは、次のテキストのような出力を生成します。

06:22:48.672 0x21b21100          JVERBS.4        > NativeRdmaCM_createEventChannel()
06:22:48.674 0x21b21100          JVERBS.5        < NativeRdmaCM_createEventChannel(channel->fd=41,
 channel=00007F9A643427A0) event channel created
06:22:48.675 0x21b21100          JVERBS.7        > NativeRdmaCM_createId(channel->fd=41, rdma_ps=262)
06:22:48.675 0x21b21100          JVERBS.8        - NativeRdmaCM_createId(channel=00007F9A643427A0, rdma_ps=262) Calling 
rdma_create_id
06:22:48.675 0x21b21100          JVERBS.9        < NativeRdmaCM_createId(listen_id=00007F9A6433CB20) listen id created
06:22:48.685 0x21b21100          JVERBS.18       > NativeRdmaCM_bindAddr(id=00007F9A6433CB20, address=00007F9A643415E0)
06:22:48.685 0x21b21100          JVERBS.19       - NativeRdmaCM_bindAddr(cm_listen_id=00007F9A6433CB20) Calling 
rdma_bind_addr
06:22:48.685 0x21b21100          JVERBS.20       < NativeRdmaCM_bindAddr() Passed
06:22:48.685 0x21b21100          JVERBS.23       > NativeRdmaCM_listen(id=1681115936, backlog=10)
06:22:48.685 0x21b21100          JVERBS.24       - NativeRdmaCM_listen(cm_listen_id=00007F9A6433CB20) Calling rdma_listen
06:22:48.685 0x21b21100          JVERBS.25       < NativeRdmaCM_listen() Passed
06:22:48.685 0x21b21100          JVERBS.38       > NativeRdmaCM_getCmEvent(channel=41, event=00007F9A643414D0, 
listen_id=00007F9A643414D4, client_id=00007F9A643414DC)
06:22:48.685 0x21b21100          JVERBS.39       - NativeRdmaCM_getCmEvent(cm_channel=00007F9A643427A0) Calling 
rdma_get_cm_event
06:23:32.329 0x21b21100          JVERBS.40       < NativeRdmaCM_getCmEvent(_event=4, _client_id=00007F9A64342930, 
_listen_id=00007F9A6433CB20, cm_event->id->verbs->cmd_fd=39, cm_event->id->verbs=00007F9A6433D090, 
cm_event=00007F9A643427C0) Passed
06:23:32.330 0x21b21100          JVERBS.92       > NativeRdmaCM_getContext(id=00007F9A6433CB20)
06:23:32.330 0x21b21100          JVERBS.93       - NativeRdmaCM_getContext(cm_listen_id=00007F9A6433CB20)
06:23:32.330 0x21b21100          JVERBS.94       < NativeRdmaCM_getContext(context=00007F9A6433D090, context->cmd_fd=39) 
Passed

以下の例に示すように、Java メソッド・トレースとネイティブ・メソッド・トレースを組み合わせることができます。

-Xtrace:methods={com.ibm.net.rdma.jverbs.*},print=mt,print=JVERBS

トレース、トレース・コンポーネント、およびトレース・ポイントについて詳しくは、次のトピックを参照してください。

OpenJ9 ユーザー資料の -Xtrace
「 J9 VM リファレンス」の「トレース・ポイントのトレース・ポイント ID の判別」