AIX のフル・コア・ファイルの使用可能化

障害発生時にシステム・ダンプ (プロセス・コア・ファイル) が確実に生成されるようにするには、正しいオペレーティング・システム設定にしておく必要があります。

障害発生時に取得すべき最も重要な診断データは、システム・ダンプです。 JVM 設定の大部分はデフォルトで適切ですが、システム・ダンプが AIX®で生成されるようにするには、いくつかのオペレーティング・システム設定を確認する必要があります。

フル・コア・ダンプを有効にしていない場合、システム・ダンプに含められるネイティブ・スレッドの詳細は、JVM のクラッシュ時に実行されていたスレッドの詳細のみです。 フル・コア・ダンプを有効にすると、すべてのネイティブ・スレッドの詳細がシステム・ダンプに含められます。

オペレーティング・システムの設定
  1. フル・システム・ダンプを取得するには、JVM実行ユーザーに対して以下のulimitオプションを設定してください。
    ulimit -c unlimited		 turn on corefiles with unlimited size
    ulimit -n unlimited		 allows an unlimited number of open file descriptors
    ulimit -d unlimited		 sets the user data limit to unlimited
    ulimit -f unlimited		 sets the file limit to unlimited
    ulimit の設定について詳しくは、 OpenJ9 ユーザー資料の システムの構成 を参照してください。

    システム・ダンプを生成する際、JVM はソフト制限をオーバーライドし、ハード制限を使用します。 -Xdump:system:none コマンド・ラインオプションを使用して、システム・ダンプの生成を無効に設置できます。

  2. smitty で以下のオプションを設定します。
    1. smitty を root として開始します。
    2. 「システム環境」 > 「オペレーティング・システムの特性の変更/表示」 に進みます。
    3. 「フル・コア・ダンプを有効にする (Enable full CORE dump)」オプションを TRUE に設定します。
    4. 必ず、「430 より前のスタイルのコア・ダンプを使用 (Use pre-430 style CORE dump)」オプションを FALSE に設定します。
    あるいは、以下を実行します。
    chdev -l sys0 -a fullcore='true' -a pre430core='false'
Java™ 仮想マシンの設定
JVM の設定はデフォルトで適切な設定になっていますが、以下の説明に従ってこれらの設定を確認することができます。

障害発生時にシステム・ダンプを生成するように JVM が設定されていることを確認するには、以下のコマンドを実行します。

java -Xdump:what
これで、以下のように出力されます。
-Xdump:system:
    events=gpf+abort,
    label=/u/cbailey/core.%Y%m%d.%H%M%S.%pid.dmp,
    range=1..0,
    priority=999,
    request=serial
障害が発生した場合、システム・ダンプを生成するには、events=gpfを設定しなければなりません。

コマンド行オプション -Xdumpを使用して、オプションを変更および設定できます。これについては、 OpenJ9 ユーザー資料の「 ダンプ・エージェントの使用 」で説明されています。

使用可能なディスク・スペース
システム・ダンプを書き込むだけの十分な使用可能ディスク・スペースを確保する必要があります。 システム・ダンプは、label オプションで指定されたディレクトリーに書き込まれます。 32 ビットのシステム・ダンプの場合で最大 2 GB、64 ビットのシステム・ダンプの場合で 6 GB を超えるフリー・スペースが必要になる場合があります。 Java プロセスには、ラベル・オプションで指定された場所に書き込むための正しいアクセス権が必要です。
最大ファイル・サイズ
システム・ダンプ用のターゲット・ファイル・システムは、システム・ダンプと同等の大きさのファイルサイズをサポートしている必要があり、また適切な ulimit をサポートしている必要もあります。 サポートされているファイル・サイズが小さすぎる場合、ダンプは、サポートされている最大ファイル・サイズまでで切り捨てられる可能性があります。 現在のファイル・サイズを確認し、ファイル・サイズが 2GBを超えるファイル・システムを作成する方法については、「 https://www.ibm.com/support/docview.wss?uid=isg3T1023245」を参照してください。