変更の始め

SAP プロファイル・パラメーターの構成

すべてのノードに SAP システムをインストールした後、高可用性に対応するために、新規に作成されたサーバー・プロファイル・ファイルのプロファイル・パラメーターを設定する必要があります。

スタンドアロン・エンキュー・サーバー (ENSA) またはスタンドアロン・エンキュー・サーバー 2 (ENSA2) 構成に従って、プロファイル・パラメーターをセットアップする必要があります。プロファイル・ファイルは、sapmnt/<SID>/profile ディレクトリーおよび /usr/sap/<SID>/ERS<ID>/profile/ ディレクトリーにあります。

SAP プロファイル・パラメーターを構成するには、以下のステップを実行します。

  1. すべての SAP インスタンスの各プロファイルで、Autostart = 1 の行をコメント化することで、Autostart パラメーターを無効にします。
  2. PowerHA® SystemMirror® がクラスター・ノードに既にインストールされていることを確認してください。 デフォルトのプロファイル・ファイル DEFAULT.PFL に、以下の項目を追加します。 
    
#-----------------------------------------------------------------------
# SAP high availability connector
#-----------------------------------------------------------------------
service/halib=/usr/sap/<SID>/SYS/exe/dbg/saphascriptco.so
service/halib_cluster_connector=/usr/sbin/rsct/sapolicies/sap/bin/sap_tsamp_cluster_connector

    ローカル・システムで /usr/sap/<SID>/SYS/exe/dbg/saphascriptco.so ファイルが見つからない場合は、/usr/sap/<SAPSID>/SYS/exe/uc/<your_platform>/saphascriptco.so ファイルを使用します。

  3. 対応するプロファイルで、エンキュー・サーバーおよびエンキュー複製サーバーの SAP 再始動機能を無効にします。 そうしないと、startsapsrv コマンドを使用して有効にされた SAP の自動再始動機能が、PowerHA SystemMirror の開始機能と不一致になり、高可用性で問題が発生する可能性があります。
    /sapmnt/<SID>/profile ディレクトリーにあるエンキュー・サーバー (ENSA) およびエンキュー複製サーバー (ERS) のプロファイルで、ENSA および ERS の SAP プロファイル・パラメーターを Start_Program_<NR> に設定します。 ENSA および ERS 以外のサーバーでは、SAP プロファイル・パラメーターを Restart_Program_<NR> に設定します。

    SAP プロファイル・パラメーターを Start_Program_<NR> に設定すると、以下のようになります。

    • 初めて SAP アプリケーション・インスタンスを開始する際には、startsapsrv フレームワークによって始動操作が実行されます。
    • リカバリー・プロセス中にノード障害が発生すると、PowerHA SystemMirror によって SAP アプリケーション・インスタンスが開始されます。PowerHA SystemMirror リソースは、自動的に開始することも、フェイルオーバーすることもできます。

    SAP プロファイル・パラメーターを Restart_Program_<NR> に設定すると、以下のようになります。

    • 初めて SAP アプリケーション・インスタンスを開始する際には、startsapsrv フレームワークによって始動操作が実行されます。
    • リカバリー・プロセス中にノード障害が発生すると、PowerHA SystemMirror によって SAP アプリケーション・インスタンスが開始されます。PowerHA SystemMirror リソースは、自動的に開始することができます。
  4. NFS マウントされた /sapmnt/<SID>/global ディレクトリーにエンキュー・バックアップ・ファイルを保存して、クラスター内のすべてのノードからアクセスできるようにします。 エンキュー・バックアップ・ファイルは、エンキュー・サーバーの始動時に作成されます。クラスター内のすべてノード間でエンキュー・バックアップ・ファイルを共有するには、次のパラメーターを ABAP SAP Central Services (ASCS) プロファイルに追加します。 
    enque/backup_file = $(DIR_GLOBAL)/ENQBCK(A)SCS
  5. すべてのノードで /usr/sap/sapservices ファイルを検査します。

    /usr/sap/sapservices ファイルには、サーバーにインストールされている SAP インスタンスごとに SAP 開始サービス sapstartsrv を開始するためのコマンドが入っている必要があります。/usr/sap/sapservices ファイルは sapinit サービスによって読み取られるため、/usr/sap/sapservices ファイルには 0755 (rwxr-xr-x) のアクセス権が必要です。

    インストール後に /usr/sap/sapservices ファイル内に SAP 開始サービスの項目がない場合は、/usr/sap/sapservices ファイルに SAP 開始サービスを開始するための項目を改行せずに 1 行で追加する必要があります。項目の例を以下に示します。
     
#!/bin/sh
LD_LIBRARY_PATH= /usr/sap/<sid>/<instance>/exe:$LD_LIBRARY_PATH;export LD_LIBRARY_PATH; /usr/sap/<sid>/<instance>/exe /sapstartsrv pf=<DIR_PROFILE>/<INSTANCE_START_profile> -D -u <sid>adm>
変更の終わり