SAS の概要

「シリアル接続 SCSI (SAS)」という用語は、シリアル・デバイスの相互接続とトランスポートに関するプロトコルのセットを指します。

このプロトコル・セットは、デバイス間の情報交換の規則を定義します。 SAS は、パラレル SCSI 装置接続機構をシリアル Point-to-Point 接続機構に進化させたものです。

SAS 物理リンク (phy) は、2 対の差分信号に使用される 4 本のワイヤーのセットです。 差分信号の 1 つは 1 方向に送信され、もう 1 つの差分信号は反対の方向に送信されます。 データは同時に両方向に送信できます。

phy はポート に組み込まれています。1 つのポートに 1 つ以上の phy を組み込むことができます。 ポートに複数の phy がある場合、そのポートはワイド・ポートです。 ポートに phy が 1 つしかない場合、そのポートはナロー・ポートです。 ポートは固有の SAS worldwide name (SAS アドレスとも呼ばれる) によって識別されます。 1 つの SAS コントローラーには 1 つ以上の SAS ポートがあります。

パス は、コントローラー内の SAS イニシエーター・ポートと入出力装置 (例えば、ディスク) の SAS ターゲット・ポートとの間の論理 Point-to-Point リンクです。

接続 とは、パスを介してコントローラーと入出力装置とを一時的に関連付けることです。 接続により、デバイスとの通信が可能になります。 コントローラーは、デバイス・タイプに応じて SCSI コマンド・セットまたは ATA/ATAPI コマンド・セットのいずれかを使用して、この接続を通して入出力装置と通信できます。

エクスパンダー は、1 つのコントローラー・ポートと複数の入出力装置ポートの間の接続を容易にします。 エクスパンダーは、エクスパンダー・ポート間で接続の経路を指定します。 どの時点でも 1 つのエクスパンダーを通る接続は 1 つだけ存在します。 複数のエクスパンダーを使用すると、コントローラーから入出力装置へのパスにより多くのノードが作成されます。

入出力装置が複数のポートをサポートしている場合、パス上にエクスパンダー・デバイスがあればその入出力装置へのパスを複数にすることができます。

SAS ファブリック は、SAS サブシステム内のすべてのコントローラーとすべての入出力装置の間のすべてのパスの総和です。