ディスク・アレイ

ディスク・アレイと呼ばれる 1 グループのディスク全体にデータを保管するために、RAID テクノロジーが使用されます。

1 グループのディスク全体にデータを保管する技法は、選択した RAID レベルに応じて、データを保護しシステムの操作可能性を保つために必要なデータの冗長性を提供します。 ディスクの 1 つに障害が発生した場合、通常そのディスクは正常なシステム操作を中断せずに置き換えることができます。 ディスク・アレイは、単一の大容量ディスクに比べて、より高いデータ転送速度および入出力 (I/O) 速度を提供する可能性も持っています。

各ディスク・アレイは、単一の SCSI ディスクと同じように Linux® オペレーティング・システムで使用できます。例えば、ディスク・アレイを作成した後、Linux コマンドを使用してディスク・アレイ上に区画とファイル・システムを作成し、ディスク・アレイをシステムで使用できるようにすることができます。

層とは、Easy Tier® ディスク・アレイ内の、同じパフォーマンス特性を持つ物理ディスクのグループのことです。 例えば、Easy Tier ディスク・アレイには、SSD の層と HDD の層が含まれる可能性があります。 データ・バンドは Easy Tier ディスク・アレイにおけるデータ・ブロックのことで、これを対象に入出力アクティビティーの分析が行われます。 このデータ・バンドは、バンド内の入出力アクティビティーが層のパフォーマンス特性により的確に一致するように各層の間で移動する場合があるデータのブロックです。 データ・バンドのサイズは、Easy Tier ディスク・アレイの構成に応じて 1 MB から 8 MB になります。

SAS コントローラーと入出力装置は、iprconfig ユーティリティーで管理されます。 iprconfig ユーティリティーは、コントローラーおよび入出力装置の RAID 構成、モニター、および復旧のためのフィーチャーへのインターフェースです。

ディスク・アレイをブート・デバイスとして使用する予定の場合、Linux オペレーティング・システムをインストールする前に、「レスキュー (Rescue)」モードにブートしてディスク・アレイを作成することによりディスクを準備することが必要な場合があります。 元のブート・ドライブをディスク・アレイの一部として使用するときに、この手順の実行が必要になります。

次の図は、可能なディスク・アレイ構成を示しています。

図 1. ディスク・アレイ構成
ディスク・アレイ・コントローラーが複数の RAID レベルで SCSI のグリッドに接続されます。

Easy Tier 機能

Easy Tier 機能は、パフォーマンス特性は異なるが同様の RAID ブロック・フォーマットを持つディスクの、1 つのアレイ内での層へのグループ分けをサポートする特定の RAID レベル (5T2、6T2、および 10T2) で機能します。 Easy Tier 機能は、ディスク・アレイの論理ブロックの位置を示す外部ディスク・ビューは変えないまま、物理データの配置を層間で移動することで層全体のストレージ・パフォーマンスを自動的に最適化します。 Easy Tier 機能はディスク・アレイを論理的にデータ・バンドに分割し、各バンドの入出力アクティビティーを継続的に分析します。 Easy Tier 機能は、各バンドの現行入出力アクティビティーに基づいてパフォーマンスとリソース使用率を最適化します。この最適化処理では、最適なパフォーマンス特性を持つ物理ディスク層間で、データ・バンドが自動的かつシステムの稼働中にスワップ (例えば、アクセス頻度が最も高いデータが最速の層に移動) されます。 新規アレイの作成時、いずれかのデータ・バンドがスワップ対象になる前に、層の編成が自動的に行われて、最高のパフォーマンスを持つ層がディスク・アレイ LBA 0 (アレイの先頭) の位置に合わせられます。 層内では、ホット・スペア・ディスクはそのホット・スペア・ディスクと同様のパフォーマンス特性を持つディスクとのみ取り替えられるという点を認識しておくことが重要です。 そのため、層構造の RAID レベルのすべての層に完全に対応できる、各種のホット・スペア・ディスクを用意しておく必要があります。 例えば、SSD ホット・スペア・ディスクおよび HDD ホット・スペア・ディスクなどです。
Easy Tier 機能は、以下のディスク・ドライブ・テクノロジーを使用して異なるパフォーマンス特性を持つ層をサポートします。
  • 書き込み耐久性の高い SSD
  • 読み取り集中ワークロードに使用されることを目的としたメインストリーム SSD
  • HDD またはエンタープライズ・ニアライン (ENL) HDD
ディスク・ドライブ・テクノロジーを以下のように組み合わせると、層構造の RAID アレイを作成できます。
  • SSD と HDD
  • メインストリーム SSD と HDD
  • SSD と ENL HDD
  • メインストリーム SSD と ENL HDD
SSD を層構造の RAID アレイで HDD と一緒に使用した場合、ホット・データは、アクセス頻度が最も高い読み取りデータおよび書き込みデータであり、SSD に移動されます。しかし、メインストリーム SSD を層構造の RAID アレイで HDD と一緒に使用した場合、ホット・データは、頻繁にアクセスされる読み取りデータにすぎず、メインストリーム SSD に移動されますが、頻繁にアクセスされる書き込みデータは HDD に移動されます。このポリシーにより、書き込み集中ワークロードが存在する場合でも、メインストリーム SSD は長期間その信頼性を維持することが可能になります。書き込みキャッシュを備えた RAID アダプターを使用した場合、書き込みデータが SSD、メインストリーム SSD、または HDD のいずれに置かれるかに関係なく、書き込みパフォーマンスは極めて優れたものになる可能性があります。
注:
  • Easy Tier アレイ内のすべての層に、同じブロック・サイズのデバイスが含まれている必要があります。アレイ内の SSD および HDD は、セクター当たり 528 バイトであるか、またはセクター当たり 4224 バイトのいずれかでなければなりません。
  • Easy Tier アレイ内の各層に、合計ディスク容量の少なくとも 10% が含まれている必要があります。詳しくは、ディスク・アレイ容量の評価を参照してください。