ネットワーク属性

ネットワーク属性の管理について説明します。

Virtual I/O Server (VIOS) コマンドのいくつか ( chdevmkvdev、および cfglnaggを含む) を使用して、デバイス属性またはネットワーク属性を変更できます。 ここでは、変更できる属性を定義します。

イーサネット属性

以下のイーサネット属性を変更することができます。
属性 説明
最大伝送単位 (mtu) 最大伝送単位 (MTU) を指定します。 この値は、60 から 65535 の任意の数値ですが、メディアによって決まります。
インターフェース状態 (state)
detach
ネットワーク・インターフェース・リストからインターフェースを除去します。 最後のインターフェースが切り離されると、ネットワーク・インターフェース・ドライバー・コードがアンロードされます。 接続インターフェースのインターフェース経路を変更するには、そのインターフェースを 切り離し、chdev -dev Interface -attr state=detach コマンド を用いて再度追加する必要があります。
ダウン
インターフェースに非アクティブのマークを付け、その結果、システムはそのインターフェースを経由したメッセージを伝送しません。 ただし、このインターフェースを使用した経路は自動的には使用不可になりません。 (chdev -dev インターフェース -attr state=down)
上へ
インターフェースにアクティブのマークを付けます。 このパラメーターは、インターフェースに最初のアドレスを設定する際に自動的に使用されます。 これは、chdev -dev Interface -attr state=up コマンド の後に、インターフェースを使用可能にする場合にも使用できます。
ネットワーク・マスク (netmask) ネットワークをサブネットワークに細分化するために予約するアドレスの量を指定します。

mask には、アドレスのホスト・フィールドから 取られた、ローカル・アドレスのネットワーク部分とサブネット部分の両方が含まれます。 マスクは、標準のインターネット小数点表記法の、0x で始まる単一の 16 進数で指定できます。

32 ビット・アドレスのマスクには、ネットワークとサブネット部用に予約されたビット位置に 1 の値、ホストを指定するビット位置に 0 の値が入ります。 マスクには、標準のネットワーク部分が含まれ、 サブネット・セグメントはネットワーク・セグメントに隣接しています。

共用イーサネット・アダプター の属性

以下の 共用イーサネット・アダプター 属性を変更できます。
属性 説明
PVID (pvid) ポート VLAN ID (PVID)。 共用イーサネット・アダプターに使用する PVID を指定します。 PVID は、VLAN タグ付け以外のパケットに使用する VLAN ID を指定します。 PVID は、pvid_adapter 属性で指定されたアダプターの PVID と一致している必要があります。

デフォルトの仮想アダプター (pvid_adapter) 以外のトランク・アダプターの PVID は、いずれのクライアント LPAR からも使用することができません。 これは、デフォルトの仮想アダプターの PVID 以外のトランク・アダプターの PVID を持つパケットは、IEEE VLAN 仕様に準拠するために、VLAN タグが除去され、タグが付いていないパケットとして送信されるためです。

PVID アダプター (pvid_adapter) VLAN タグ付け以外のパケットに使用するデフォルトの仮想アダプターを指定します。 pvid_adapter 属性の PVID は、pvid 属性の値として指定する必要があります。
物理アダプター (real_adapter) 共用イーサネット・アダプターに関連付けられている物理アダプターを指定します。
スレッド (thread) 共用イーサネット・アダプターのスレッド化を活動化または非活動化します。 このオプションを活動化することにより、MTU 1500 ストリーミングの場合はトランザクション当たりのマシン・サイクル数が約 16 から 20% 増加し、MTU 9000 の場合はトランザクション当たりのマシン・サイクル数が約 31% から 38% 増加します。 スレッドはパケットごとに開始されるため、ワークロードが低いほど、スレッド化オプションによるトランザクション当たりのマシン・サイクル数の増加が大きくなります。 全二重または要求/応答のワークロードのように、より高いワークロード速度では、スレッドは待機したり、再ディスパッチされることなく、より長く稼働できます。

共用イーサネット・アダプターと同じ Virtual I/O Server 論理区画で仮想 Small Computer Serial Interface (SCSI) を実行する場合は、スレッド・モードを使用する必要があります。 スレッド・モードは、仮想 SCSI と 共用イーサネット・アダプター がプロセッサー・リソースを適切に共用できるようにするのに役立ちます。 ただし、スレッド化により、命令パス長さは長くなるので、追加のプロセッサー・サイクルを使用します。 Virtual I/O Server 論理区画が共用イーサネット・デバイス (および関連する仮想イーサネット・デバイス) の実行専用になる場合は、スレッド化を使用不可にしてアダプターを構成する必要があります。

mkvdev コマンドの -attr thread オプションを使用してスレッド化を使用可能または使用不可にすることができます。 スレッド化を使用可能にするには、-attr thread=1 オプションを使用します。 スレッド化を使用不可にするには、-attr thread=0 オプションを使用します。 例えば、次のコマンドは、 共用イーサネット・アダプター ent1のスレッド化を使用不可にします。
mkvdev -sea ent1 -vadapter ent5 -default ent5 -defaultid 1 -attr thread=0
仮想アダプター (virt_adapter) 共用イーサネット・アダプターに関連付けられている仮想イーサネット・アダプターをリストします。
TCP セグメンテーション・オフロード (largesend) 論理区画から物理アダプターへの TCP 大量送信機能 (セグメンテーション・オフロードとも呼ばれます) を使用可能にします。 論理区画から 共用イーサネット・アダプター へのセグメンテーション・オフロードを機能させるには、物理アダプターを TCP 大量送信用に使用可能にする必要があります。 また、論理区画は大量送信操作の実行が可能である必要があります。 AIX®では、 ifconfig コマンドを使用して、論理区画で大量送信を有効にすることができます。 AIXでは、 ifconfig コマンドを使用して論理区画で大量送信を有効にすることができます。

chdev コマンドの -a largesend オプションを使用して、TCP 大量送信を使用可能または使用不可にすることができます。 TCP 大量送信を使用可能にするには、「-a largesend=1」オプションを使用します。 使用不可にするには、「-a largesend=0」オプションを使用します。

例えば、次のコマンドは、 共用イーサネット・アダプター ent1: の largesend を使用可能にします。
chdev -l ent1 -a largesend=1 

デフォルトではこの設定は使用不可 (largesend=0) です。

注: VIOS 2.2.3.0 以上では、Largesend はデフォルトで有効になっています (largesend=1)。 VIOS 2.2.3.0 以上の場合、 共用イーサネット・アダプター ・デバイスを介して構成されるネットワーク・インターフェースは、大量送信操作をサポートします。
TCP 大容量受信オフロード (large_receive)

実アダプター上で TCP 大容量受信オフロード機能を有効にします。 この属性が設定され、実アダプターがこの属性をサポートしている場合、実アダプターによって受信されたパケットは上位レイヤーに渡される前に集約されるため、パフォーマンスが向上します。

このパラメーターは、共用イーサネット・アダプターに接続したすべての区画が、それらの区画の MTU より大きいパケットを処理できる場合にのみ、使用可能に設定してください。 これは、Linux 区画の場合は異なります。 共用イーサネット・アダプターに接続したすべての論理区画が AIX システムの場合、このパラメーターを使用可能に設定できます。

ジャンボ・フレーム (jumbo_frames) 共用イーサネット・アダプター 上に構成されているインターフェースが MTU を 9000 バイト (デフォルトは 1500) に増やすことができるようにします。 対応する物理アダプターがジャンボ・フレームをサポートしておらず、jumbo_frames 属性が「yes」に設定されている場合、構成は失敗します。 対応する物理アダプターが、ジャンボ・フレームをサポートする必要があります。 jumbo_framesyesに設定されている場合、 共用イーサネット・アダプター は、基礎となる物理アダプター上のジャンボ・フレームを自動的に使用可能にします。 jumbo_frames の値をランタイム時に変更することはできません。
GARP VLAN 登録プロトコル (GVRP) (gvrp) 共用イーサネット・アダプター上の GVRP を使用可能および使用不可にします。
サービス品質 (qos_mode)

共用イーサネット・アダプターが IEEE 802.1Q (VLAN) 優先順位コード・ポイントに基づいてトラフィックの優先順位付けができるようにします。

この属性が使用不可に設定されている場合、VLAN トラフィックの優先順位は検査されず、すべてのフレームが同等に扱われます。

strict モードでは、優先順位が高いトラフィックは優先順位が低いトラフィックより優先的に送信されます。 このモードでは、パフォーマンスが向上し、より重要度の高いトラフィックに、より多くの帯域幅が提供されます。 その結果、優先順位の低いトラフィックにかなりの遅延が生じることがあります。

loose モードでは、各優先順位レベルに上限が設定されるため、各優先順位レベルについて一定の数のバイトが送信された後で、次のレベルがサービスされます。 この方法では、結局は、すべてのパケットが送信されます。 このモードでは、優先順位が高いトラフィックに与えられる帯域幅は、strict モードの場合より少なくなります。 loose モードの上限は、優先順位が高いトラフィックでより多くのバイトが送信されるようになっているため、優先順位が高いトラフィックには、優先順位が低いトラフィックより多くの帯域幅が与えられます。

スレッドの数 (nthreads) スレッド・モード (thread パラメーターの値が 1) のスレッド数を指定します。 この値は、スレッド・モードが使用可能な場合にのみ適用されます。 nthreads 属性は、1 から 128 までの任意の値に設定できます。デフォルト値は 7 です。
キュー・サイズ (queue_size) スレッド化モードの 共用イーサネット・アダプター ・スレッドのキュー・サイズを指定します。ここで、 thread パラメーターの値は 1 です。 この属性は、各スレッド・キューに収容できるパケットの数を示します。 この値は、スレッド・モードが使用可能な場合にのみ適用されます。 この値を変更した場合、その変更はシステムを再始動するまで有効になりません。
ハッシュ・アルゴリズム (hash_algo) スレッド化モードの 共用イーサネット・アダプター ・スレッドに接続を割り当てるために使用されるハッシュ・アルゴリズムを指定します。ここで、 thread パラメーターの値は 1 です。 hash_algo パラメーターを 0 に設定すると、送信元と宛先のメディア・アクセス制御 (MAC) アドレス、IP アドレス、およびポート番号の加算演算が実行されます。 hash_algo パラメーターを 1 に設定すると、加算演算の代わりに murmur3 hash 関数が実行されます。 murmur3 hash 関数は、より低速ですが、より適切に分配されます。 この値は、スレッド・モードが使用可能な場合にのみ適用されます。
仮想サーバー・ネットワーク (VSN) (lldpsvc) 属性を yesに設定すると、 共用イーサネット・アダプター で VSN 機能が活動化されます。 VSN 機能は、 Hardware Management Console (HMC) バージョン 7 リリース 7.7.0以降で使用可能にすることができます。 lldpsvc 属性のデフォルト値は no です。 共用イーサネット・アダプターを取り外す前に、この属性を no に設定する必要があります。 例えば、次のコマンドは、 共用イーサネット・アダプター ent1の VSN 機能を使用可能にします。
chdev -dev ent1 -a lldpsvc=yes
アカウンティング (accounting) 使用可能に設定された場合、共用イーサネット・アダプター (SEA) は各クライアント LPAR との間でブリッジされたバイト数とパケット数のカウントを保持します。 それらの統計情報を表示するには、seastat コマンドを使用します。
フリップ・フロップの検出 (ff_detect) 使用可能に設定された場合、システムはフリップ・フロップを検出できます。 デフォルトでは、この設定は使用不可になっています。 フリップ・フロップ は、2 つの SEA がフェイルオーバー・イベントとフェイルバック・イベントとの間で絶えず切り替わっている状況を示します。
フリップ・フロップ・アクション (ff_action) 使用可能に設定された場合、フリップ・フロップ状態が検出されたときにシステムで必要なアクションを指定できます。 この属性は、ff_detect 属性が使用不可に設定された場合はサポートされません。 ff_action 属性には、以下の値を指定できます。

standby - SEA をスタンバイ・モードにする必要があることを指定します。 このモードを使用すると、SEA に関連するシステム問題を手動で修正できます。

recover - SEA が単独で回復する必要があることを指定します。

優先順位が高位の SEA のみがフリップ・フロップ状態を検出し、後続のアクションを行います。

SEA は、以下の条件が満たされると、フリップ・フロップ状態に変わります。

  • ff_detect 属性が使用可能に設定されているかどうか。
  • 20 + fb_delay 秒の時間中に、優先順位が高位の SEA が 3 回以上 1 次 SEA になるかどうか。
    注: SEA がフリップ・フロップ状態の場合、トラフィックはブリッジされません。

フリップ・フロップ状態が検出され、ff_action 属性の値が standby に設定されている場合、SEA はスタンバイ・モードになり、SEA に関連するシステム問題を手動で修正できます。

ff_action 属性が recover に設定された場合、システムは単独で回復を試みます。 health_time 属性に設定されている時間中、SEA は、リンク状況およびキープアライブ・パケットをモニターする間、フリップ・フロップ状態のままです。 リンクが稼働しており、キープアライブ・パケットが定期的に受信される場合、health_time 属性に設定された時間が経過後に recover アクションが開始します。

SEA が、優先順位が低位の SEA からキープアライブ・パケットを受け取ると、それは 1 次 SEA になります。

SEA が、優先順位が高位の SEA からキープアライブ・パケットを受け取ると、それはバックアップ SEA になります。

注: health_time 属性の値が 0 の場合、 recover アクションは、リンク状況およびキープアライブ・パケットをモニターせずに即時に試行されます。
プラットフォーム大容量送信 (Platform Large Send) (plso_bridge) Linux クライアントの要件の 1 つは、大容量送信パケットを受信するためには最大セグメント・サイズ (MSS) 値が分かっている必要があることです。 plso_bridge 属性が有効になっていて、大容量送信パケットが SEA によって受信されると、 共用イーサネット・アダプター は、ハイパーバイザー内の受信記述子を介して MSS 値を Linux クライアントに伝達できます。 デフォルトでは、plso_bridge 属性は使用可能になっています。

共用イーサネット・アダプター のフェイルオーバー属性

以下の 共用イーサネット・アダプター ・フェイルオーバー属性を変更できます。

属性 説明
ハイ・アベイラビリティー・モード (ha_mode) デバイスをフェイルオーバー・セットアップに加えるかどうかを決定します。 デフォルトは disabledです。 通常、フェイルオーバー・セットアップの 共用イーサネット・アダプターauto モードで動作し、1 次アダプターは最も高い優先順位 (最も低い数値) を持つアダプターに基づいて決定されます。 共用イーサネット・デバイスは、強制的にスタンバイ・モードにすることができます。このモードにあるデバイスは、機能している基本アダプターを検出できる期間は、バックアップ・デバイスとして機能します。 「ハイ・アベイラビリティー・モード」属性に指定できる値は、以下のとおりです。
無効
この値はデフォルト値です。 これは、 共用イーサネット・アダプター共用イーサネット・アダプター のフェイルオーバー構成に参加していないことを示します。 この値は、システムで 共用イーサネット・アダプター ・フェイルオーバー構成を使用しない場合にのみ使用する必要があります。
制約事項: 共用イーサネット・アダプター が以前に 共用イーサネット・アダプター のフェイルオーバー構成で構成されている場合は、この値を使用しないでください。
自動
この値は、 共用イーサネット・アダプター が従来のフェイルオーバー構成であることを示します。 この構成では、1 つの 共用イーサネット・アダプター が基本アダプターであり、もう 1 つの 共用イーサネット・アダプター がバックアップ・アダプターです。 幹線アダプターの優先順位の値に応じて、 共用イーサネット・アダプター が基本アダプターまたはバックアップ・アダプターとして構成されます。
スタンバイ
共用イーサネット・デバイスは、強制的にスタンバイ・モードにすることができます。 このモードにあるデバイスは、機能している基本アダプターを検出できる期間は、バックアップ・デバイスとして機能します。
共有
この値は、 共用イーサネット・アダプター が負荷共用に参加していることを示します。 共用イーサネット・アダプター が負荷共用に参加するには、負荷共用基準を満たす必要があります。 また、 「高可用性モード」 属性は、両方の 共用イーサネット・アダプター「共用」 モードに設定する必要があります。
制御チャネル (ctl_chan) フェイルオーバー・セットアップで 共用イーサネット・アダプター が他のアダプターと通信できるようにするために必要な仮想イーサネット・デバイスを設定します。 この属性にデフォルト値はなく、ha_mode が「disabled」(使用不可) に設定されていない場合には必須です。
注: 「制御チャネル」 属性は、Power Hypervisor バージョン 780 以降および VIOS バージョン 2.2.3.0以降ではオプションの属性です。
ping するインターネット・アドレス (netaddr) フェイルオーバー・セットアップで構成されている 共用イーサネット・アダプター に指定できるオプションの属性。 この属性が指定されていると、共用イーサネット・デバイスは定期的にこの IP アドレスを ping して、接続を検査します (物理デバイスのリンク状況を検査するのに加えて)。 指定された ping ホストへの接続が失われたことを検出すると、バックアップ 共用イーサネット・アダプターへのフェイルオーバーを開始します。 ホスト・イーサネット・アダプター (または統合仮想イーサネット) で 共用イーサネット・アダプター を使用する場合、この属性はサポートされません。
アダプター・リセット (adapter_reset) 使用可能に設定された場合、共用イーサネット・アダプターは非アクティブになったとき、その物理アダプターを使用不可に設定し、再び使用可能に設定します。 これは、外部スイッチがトラフィックを新しいサーバーに送信するのに役立つ場合があります。 デフォルトでは、この設定は使用不可です。
リバース ARP 伝送の使用可能化 (send_RARP) 使用可能にすると、共用イーサネット・アダプターは、 共用イーサネット・アダプター のフェイルオーバー後にリバース ARP を送信します。 リバース ARP は、ルーティングの変更をスイッチに通知するために、新しい 1 次 共用イーサネット・アダプター によって送信されます。 デフォルトでの設定値は、使用可能です。
正常性時間 (health_time) システムのフェイルオーバー後にシステムが「正常である」と見なされるまでに経過する必要がある時間を設定します。 共用イーサネット・アダプター が「異常」状態に移行した後、 「正常性時間」 属性は、システムが 共用イーサネット・アダプター ・プロトコルに戻ることを許可されるまでに「正常」状態を維持する必要がある秒数を示す整数を指定します。 以下のコマンドを使用すると、この属性のデフォルト値を表示できます。 lsattr -D -c adapter -s pseudo -t sea -a health_time
リンク時間 (link_time)
注: 現在、APAR IV97991により、このフィックスが含まれているレベルでは、リンク状況検査は事実上無効になっています。
フェイルバック遅延 (fb_delay) 優先順位が高い 共用イーサネット・アダプター がフェイルオーバー・イベント後に 1 次 SEA として引き継ぐフェイルバック・プロセスを開始する前に経過する必要がある時間を設定します。 フェイルバック遅延 属性は、ランタイム時に変更できる動的属性です。 この新しい値が、後続のフェイルオーバー/フェイルバック・イベントでの時間遅延を管理します。 lsattr -D -c adapter -s pseudo -t sea -a fb_delay コマンドを使用して、この属性のデフォルト値を表示することができます。
自動フェイルバックなし (noauto_failback) 有効にすると、優先順位の高い 共用イーサネット・アダプター は、フェイルオーバー・イベント後にシステムの自動引き継ぎを試行しません。 代わりに、バックアップ 共用イーサネット・アダプターとして残ります。 自動フェイルバックなし 属性が無効の場合、優先順位が高い方の SEA は、1 次 SEA として引き継ぐためにフェイルバック処理を始めます。 この属性は、ランタイム中に変更できます。 この変更は、後続のフェイルオーバー/フェイルバック・イベントの 共用イーサネット・アダプター の動作に影響します。 デフォルトでは、この属性は無効に設定されています。

INET 属性

以下の INET 属性を変更することができます。
属性 説明
ホスト名 (hostname) 現行のマシンに割り当てるホスト名を指定します。

ホスト名を指定するときは、できれば、ASCII 文字の英数字のみを使用します。 ホスト名にピリオドは使用しないでください。 先頭文字への 16 進数または 10 進値の使用は避けてください (例えば、「3Comm」。 この場合「3C」は 16 進文字と解釈されることがあります)。 それまでのホストとの互換性のために、32 文字未満の非修飾ホスト名を使用してください。

ホストがネーム・レゾリューションにドメイン・ネーム・サーバーを使用する場合は、ホスト名に、フル・ドメイン・ネームが含まれている必要があります。

階層ドメイン・ネーム・システムでは、名前は、ブランクなしのピリオドによって区切られ、大文字小文字を区別しない、一連のサブネームから構成されます。 DOMAIN プロトコルは、ローカル・ドメイン・ネームは長さが 64 文字未満であり、 ホスト名は 32 文字未満でなければならないことを指定しています。 ホスト名は最初に指定されます。 オプションで、フル・ドメイン・ネームを指定できます。 ホスト名の後には、ピリオド、ピリオドで区切られた 一連のローカル・ドメイン・ネーム、そして最後にルート・ドメインが続きます。 ホスト用の完全指定のドメイン・ネームは、 長さが 255 文字未満であり、かつ次の形式でなければなりません。
host.subdomain.subdomain.rootdomain

階層ネットワークでは、特定のホストが、名前を他のホストのインターネット・アドレスに解決するネーム・サーバーとして指定されます。 この取り決めは、フラット・ネーム・スペースに対して 2 つの利点があります。 すなわち、ネットワーク上の各ホストのリソースがネーム解決で使用されないこと、 ならびにシステムの管理者がネットワークの各マシン上の ネーム・レゾリューション・ファイルを保守する必要がないことです。 単一のネーム・サーバーによって管理される名前のセットは、「権限のゾーン」と呼ばれています。

ゲートウェイ (gateway) パケットのアドレス先のゲートウェイを指定します。 Gateway パラメーターは、シンボル名または数値アドレスで指定できます。
経路 (route) 経路を指定します。 経路 属性のフォーマットは、次のとおりです。route=destination, gateway, [metric]
宛先
経路の宛先となるホストまたはネットワークを指定します。 Destination パラメーターは、 シンボル名または数値アドレスで指定できます。
ゲートウェイ
パケットのアドレス先のゲートウェイを指定します。 Gateway パラメーターは、シンボル名または数値アドレスで指定できます。
metric
経路距離を設定します。 デフォルトは 0 (ゼロ) です。 経路距離は、経路指定プロトコル (routed デーモン) が使用します。 高位のメトリックを指定すると、経路の優先順位が下がります。 メトリックは、 宛先ネットワークまたはホストへの追加ホップとしてカウントされます。

アダプター属性

次のようなアダプター属性を変更することができます。 属性の動きは、 使用するアダプターおよびドライバーにより異なることがあります。
属性 アダプター/ドライバー 説明
メディア速度 (media_speed)
  • 2 ポート 10/100/1000 ベース TX PCI-X アダプター
  • 10/100/1000 ベース T イーサネット PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
メディア速度属性は、アダプターが動作をおこなおうとする速度を示します。 使用可能な速度は、10 Mbps 半二重、10 Mbps 全二重、100 Mbps 半二重、100 Mbps 全二重、および オートネゴシエーションであり、デフォルトはオートネゴシエーションです。 アダプターが速度を判別するのにネットワーク全体で オートネゴシエーションを使用する必要があるときは、オートネゴシエーションを選択します。 ネットワークがオートネゴシエーションをサポートしていないときは、 特定の速度を選択します。

1000 MBps 半二重および全二重は無効値です。 IEEE 802.3z 仕様に従って、ギガビット速度の二重化は、 銅 (TX) ベースのアダプターに合わせてオートネゴシエーションする必要があります。 これらの速度が必要である場合は、オートネゴシエーションを選択します。

メディア速度 (media_speed)
  • 2 ポート・ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター
  • ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
メディア速度属性は、アダプターが動作をおこなおうとする速度を示します。 使用可能な速度は、1000 Mbps 全二重およびオートネゴシエーションです。 デフォルトはオートネゴシエーションです。 アダプターが二重化を判別するのにネットワーク全体で オートネゴシエーションを使用する必要があるときは、オートネゴシエーションを選択します。 ネットワークがオートネゴシエーションを サポートしていないときは、1000 Mbps 全二重を選択します。
メディア速度 (media_speed)
  • 10/100 Mbps イーサネット PCI アダプター・デバイス・ドライバー
メディア速度属性は、アダプターが動作をおこなおうとする速度を示します。 使用可能な速度は、10 Mbps 半二重、10 Mbps 全二重、100 Mbps 半二重、100 Mbps 全二重、および オートネゴシエーションであり、デフォルトはオートネゴシエーションです。 アダプターが速度を判別するのにネットワーク全体でオートネゴシエーションを使用する必要があるときは、オートネゴシエーションを選択します。 ネットワークがオートネゴシエーションをサポートしていないときは、 特定の速度を選択します。

オートネゴシエーションが選択される場合は、 リモート・リンク・デバイスもオートネゴシエーションに設定し、 リンクが正しく働くことを確認する必要があります。

メディア速度 (media_speed)
  • 10/100/1000 ベース T イーサネット PCI アダプター
  • ギガビット・イーサネット SX PCI アダプター・デバイス・ドライバー
メディア速度属性は、アダプターが動作をおこなおうとする速度を示します。 使用可能な速度は、10 Mbps 半二重、10 Mbps 全二重、100 Mbps 半二重、100 Mbps 全二重、および オートネゴシエーションであり、デフォルトはオートネゴシエーションです。 アダプターが速度を判別するのにネットワーク全体で オートネゴシエーションを使用する必要があるときは、オートネゴシエーションを選択します。 ネットワークがオートネゴシエーションをサポートしていないときは、 特定の速度を選択します。

アダプターが 1000 Mbit/秒で稼働するには、 オートネゴシエーション設定を選択する必要があります。

注: ギガビット・イーサネット SX PCI アダプターの場合、使用可能な選択項目はオートネゴシエーションのみです。
代替イーサネット・アドレスの使用可能化 (use_alt_addr)   この属性を「yes」に設定すると、アダプターのアドレスが、ネットワーク上で表示される際に「代替イーサネット・アドレス」属性によって指定されたアドレスになることを示します。 「no」値を指定すると、アダプター・カード上の ROM に書き込まれた固有のアダプター・アドレスが使用されます。 デフォルト値はnoです。
代替イーサネット・アドレス (alt_addr)   アダプター固有のアドレスが、LAN ネットワークで発生した場合は、 変更できます。 入力された値は、12 桁 16 進数字のイーサネット・アドレスでなければならず、 かつ他のイーサネット・アダプターのアドレスと同じにしないでください。 デフォルト値はありません。 このフィールドが有効になるのは、「代替イーサネット・アドレスの使用可能化」属性が「yes」の値に設定されている場合です。その場合は、このフィールドに値を入力する必要があります。 代表的なイーサネット・アドレスは 0x02608C000001 です。 先行ゼロを含む、12 桁 16 進数字のすべてのに入力が必要です。
リンク・ポーリングの使用可能化 (poll_link)
  • 10/100Mbps イーサネット PCI アダプター・デバイス・ドライバー
指定された時間間隔でリンクの状況を判別するために、デバイス・ドライバーによるアダプターのポーリングを可能にするには、「no」 を選択します。 時間間隔値は、 「リンク時間間隔のポーリング」フィールド で指定されます。 「no」を選択すると、デバイス・ドライバーは、リンク状況についてアダプターをポーリングしません。 デフォルト値はnoです。
リンク時間間隔のポーリング (poll_link_time)
  • 10/100Mbps イーサネット PCI アダプター・デバイス・ドライバー
デバイス・ドライバーに許容されたリンク状況を調べるための アダプターへのポーリングと次のポーリングの間のミリ秒単位の時間数。 「リンク・ポーリングの使用可能化」 オプションが「yes」に設定されている場合、この値は必須です。 100 から 1000 の値を指定できます。 増分値は 10 です。 デフォルト値は 500 です。
フロー制御 (flow_ctrl)
  • 10/100/1000 ベース T イーサネット PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
  • ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
  • 2 ポート 10/100/1000 ベース TX PCI-X アダプター
  • 2 ポート・ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター
  • ギガビット・イーサネット SX PCI アダプター・デバイス・ドライバー
この属性は、アダプターの送受信のフロー制御を可能にする必要の有無を指定します。 デフォルト値はnoです。
伝送ジャンボ・フレーム (jumbo_frames)
  • 10/100/1000 ベース T イーサネット PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
  • ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
  • 2 ポート 10/100/1000 ベース TX PCI-X アダプター
  • 2 ポート・ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター
  • ギガビット・イーサネット SX PCI アダプター・デバイス・ドライバー
この属性を「yes」に設定すると、このアダプターでは、最大 9018 バイトのフレームを伝送できることを示します。 「no」を指定した場合、伝送されるフレームの最大サイズは 1518 バイトです。 このアダプターでは、最大 9018 バイトのフレームは常に受信できます。
チェックサム・オフロード (chksum_offload)
  • 10/100/1000 ベース T イーサネット PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
  • ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
  • 2 ポート 10/100/1000 ベース TX PCI-X アダプター
  • 2 ポート・ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター
  • ギガビット・イーサネット SX PCI アダプター・デバイス・ドライバー
  • 仮想イーサネット・アダプター
この属性を「yes」に設定すると、送受信された TCP フレームのチェックサムをアダプターが計算することを示します。 「no」を指定した場合、チェックサムは適切なソフトウェアによって計算されます。

仮想イーサネット・アダプターでチェックサム・オフロードが使用可能になっている場合、アダプターはこれをハイパーバイザーに通知します。 ハイパーバイザーは、チェックサム・オフロードが使用可能になっている仮想イーサネット・アダプターを追跡し、それに応じて区画間通信を管理します。

ネットワーク・パケットが 共用イーサネット・アダプターを介して経路指定されると、リンク・エラーが発生する可能性があります。 この環境では、パケットはチェックサムを備えた物理リンクを全探索する必要があります。 通信は以下のように動作します。
  • 物理リンクからパケットが受信されると、物理アダプターがチェックサムを検査します。 パケットの宛先が、チェックサム・オフロードが使用可能になっている仮想イーサネット・アダプターである場合、受信プログラムはチェックサム検査を実行する必要はありません。 チェックサム・オフロードを使用可能にしていない受信プログラムは、チェックサム検査後にパケットを受け入れます。
  • チェックサム・オフロードが使用可能になっている仮想イーサネット・アダプターからパケットが発信される場合は、パケットはチェックサムのない物理アダプターに向かいます。 物理アダプターは、チェックサムを生成してからパケットを送出することになります。 チェックサム・オフロードが使用不可になっている仮想イーサネット・アダプターから発信されるパケットは、送信元でチェックサムを生成します。

共用イーサネット・アダプターのチェックサム・オフロードを使用可能にするには、すべての構成要素デバイスでもチェックサム・オフロードを使用可能にする必要があります。 共用イーサネット・デバイスは、下層にあるデバイスに同一のチェックサム・オフロード設定がされていない場合は、障害を起こします。

ハードウェア伝送 TCP 再セグメントの使用可能化 (large_send)
  • 10/100/1000 ベース T イーサネット PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
  • ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター・デバイス・ドライバー
  • 2 ポート 10/100/1000 ベース TX PCI-X アダプター
  • 2 ポート・ギガビット・イーサネット SX PCI-X アダプター
  • ギガビット・イーサネット SX PCI アダプター・デバイス・ドライバー
この属性は、アダプターが TCP セグメントの伝送 TCP 再セグメントを 行うかどうかを指定します。 デフォルト値はnoです。

リンク集約 (イーサチャネル) デバイス属性

以下のリンク集約 (またはイーサチャネル) 属性を変更できます。
属性 説明
リンク集約アダプター (adapter_names) 現在、リンク集約デバイスを構成しているアダプター。 これらのアダプターを変更する場合は、この属性を変更して、リンク集約デバイスに属している必要があるすべてのアダプターを選択することもできます。 この属性を使用して、リンク集約デバイスに属している必要があるすべてのアダプターを選択する場合は、そのインターフェースに IP アドレスを構成できません。
モード (mode) 構成されるチャネルのタイプ。 標準モードでは、チャネルは、アルゴリズム (この計算に使用される値がハッシュ・モード属性によって決められる) に基づいてアダプターにパケットを送信します。 round_robin モードでは、チャネルは、各アダプターに 1 つのパケットを与えてから、ループを繰り返します。 デフォルト・モードは標準です。

802.3ad モードを使用することで、リンク集約制御プロトコル (LACP) は、リンク集約デバイスのアダプターを LACP 対応スイッチとネゴシエーションします。

ハッシュ・モード属性をデフォルト以外の値に設定する場合は、この属性を標準または 802.3ad に設定する必要があります。 そうでない場合は、リンク集約デバイスの構成は障害を起こします。

ハッシュ・モード (hash_mode) 標準または IEEE 802.3ad モードでの操作の場合は、 ハッシュ・モード属性により、各パケットの発信アダプターの選び方が決まります。 以下は、異なるモードです。
  • default: 宛先 IP アドレスを使用して発信アダプターを決めます。
  • src_port: その接続のソース TCP または UDP ポートを使用します。
  • dst_port: その接続の宛先 TCP または UDP ポートを使用します。
  • src_dst_port: その接続のソースおよび宛先の両方の TCP または UDP ポートを使用して発信アダプターを決めます。

ラウンドロビン・モードは、「default」以外のハッシュ・モード値と一緒には使用できません。 この組み合わせを試みると、リンク集約デバイス構成は障害を起こします。

パケットは、TCP でも UDP でもない場合は、 デフォルトのハッシュ・モード (宛先 IP アドレス) を使用します。

TCP または UDP ポートをハッシュに使用すると、同じ宛先 IP アドレスへの接続を異なるアダプター上で送信し (パケットの順序は依然維持しながら)、したがって、リンク集約デバイスの帯域幅が増えるので、リンク集約デバイスのアダプターを有効に使用できます。

ping するインターネット・アドレス (netaddr) このフィールドの入力は任意です。 リンク集約デバイスが、ネットワークが活動していることを確認する際に ping する IP アドレス。 これが有効なのは、バックアップ・アダプターがあり、かつリンク集約デバイス内にアダプターが 1 つ以上あるときに限られます。 それまでに有効なアドレスが定義された場合、ゼロ (またはすべてゼロ) のアドレスは無視され、ping パケットの送信はできません。 デフォルトでは、このフィールドはブランクのままとなります。
再試行タイムアウト (retry_time) このフィールドの入力は任意です。 これは、リンク集約デバイスが、ping パケットを送信して、リンク状況を調べるために現行アダプターをポーリングする頻度を制御します。 これが有効なのは、リンク集約デバイスに 1 つ以上のアダプターがあり、バックアップ・アダプターが定義されており、かつ「ping するインターネット・アドレス」フィールドにゼロ以外のアドレスが含まれているときに限られます。 タイムアウト値は秒単位で指定します。 有効値の範囲は 1 から 100 秒です。 デフォルト値は 1 秒です。
再試行回数 (num_retries) このフィールドの入力は任意です。 これは、リンク集約デバイスがアダプターを切り替えるまでに、ping パケットが失われる回数を指定します。 これが有効なのは、リンク集約デバイスに 1 つ以上のアダプターがあり、バックアップ・アダプターが定義されており、かつ「ping するインターネット・アドレス」フィールドにゼロ以外のアドレスが含まれているときに限られます。 有効な再試行回数の範囲は 2 から 100 回です。 デフォルト値は 3 です。
ギガビット・イーサネット・ジャンボ・フレームの使用可能化 (use_jumbo_frame) このフィールドの入力は任意です。 この属性を使用するには、対応するすべてのアダプターおよびスイッチがジャンボ・フレームをサポートしている必要があります。 これが有効なのは、標準のイーサネット (en) インターフェースの場合に限られ、IEEE 802.3 (et) インターフェースの場合は有効ではありません。
代替アドレスの使用可能化 (use_alt_addr) このフィールドの入力は任意です。 これを「はい (yes)」に設定すると、リンク集約デバイスに使用させる MAC アドレスを指定できます。 このオプションを「いいえ (no)」に設定すると、リンク集約デバイスは最初のアダプターの MAC アドレスを使用します。
代替アドレス (alt_addr) 「代替アドレスの使用可能化」が「yes」に設定されている場合は、使用する MAC アドレスを指定します。 指定するアドレスは、「0x」で始まり、12 桁の 16 進アドレスでなければなりません。

VLAN 属性

以下の VLAN 属性を変更することができます。
属性
VLAN タグ ID (vlan_tag_id) VLAN ドライバーに関連する固有の ID。 1 から 4094 の範囲の値を指定できます。
基本アダプター (base_adapter) VLAN デバイス・ドライバーが接続されるネットワーク・アダプター。

共用イーサネット・アダプター QoS 属性

以下の qos_mode 属性を変更できます。
disabled モード
これはデフォルトのモードです。 優先順位フィールドについて VLAN トラフィックは検査されません。 例:
chdev -dev <sea device name> -attr qos_mode=disabled
strict モード
重要度の高いトラフィックが、重要度の低いトラフィックよりも優先されます。 このモードでは、パフォーマンスが向上し、重要度の高いトラフィックに多くの帯域幅が提供されます。ただし、その結果、重要度の低いトラフィックについて相当な遅延が生じます。 例:
chdev -dev <sea device name> -attr qos_mode=strict
loose モード
各優先順位レベルに上限が設定されるため、各優先順位レベルについて多数のバイトが送信された後で、次のレベルがサービスされます。 この方法では、必ず、最終的にすべてのパケットが送信されます。 重要度の高いトラフィックには、strict モードよりも小さい、このモードの帯域幅が与えられますが、この loose モードの上限は、重要度の高いトラフィックの方が多くのバイト数が送信されるものであるため、重要度の高いトラフィックには、重要度の低いトラフィックより大きな帯域幅が与えられます。 例:
chdev -dev <sea device name> -attr qos_mode=loose

クライアント固有の 共用イーサネット・アダプター 統計

クライアント・レベルでネットワーク統計を収集するには、 共用イーサネット・アダプター で拡張アカウンティングを有効にして、そのネットワーク・トラフィックに関する詳細情報を提供します。 クライアント統計を使用可能にするには、 「共用イーサネット・アダプター」 アカウンティング属性を使用可能に設定します (デフォルト値は使用不可です)。 拡張アカウンティングが有効になっている場合、 共用イーサネット・アダプター は、LPAR クライアントから受信するすべてのパケットのハードウェア (MAC) アドレスを追跡し、各クライアントのパケット・カウントとバイト・カウントを個別に増分します。 共用イーサネット・アダプターで拡張アカウンティングを使用可能にした後、 seastat コマンドを実行して、クライアントごとの統計を表示するレポートを生成できます。 このコマンドは、トラフィックをアクティブにブリッジングしている 共用イーサネット・アダプター上で実行する必要があります。
注: seastat コマンドを使用して統計情報を印刷するには、事前に 共用イーサネット・アダプター で拡張アカウンティングを使用可能にしておく必要があります。
共用イーサネット・アダプターで拡張アカウンティングを使用可能にするには、次のコマンドを入力します。
chdev -dev <sea device name> -attr accounting=enabled
次のコマンドは、クライアントごとの 共用イーサネット・アダプター 統計を表示します。 オプションの -n フラグを使用すると、IP アドレスについてのネーム・レゾリューションが使用不可になります。
seastat -d <sea device name> [-n] 
以下のコマンドは、収集されたすべてのクライアントごとの 共用イーサネット・アダプター 統計をクリアします。
seastat -d <sea device name> -c