ブートストラップ・プロトコル

IBM® i 7.1以降、オペレーション・コンソールには、システムと PC の間の接続の自動ディスカバリーが組み込まれています。 ただし、システムおよび PC 上で標準 BOOTP 操作は継続して実行可能です。

自動ディスカバリー機能は VSDISCOVER といい、オペレーション・コンソール独自の機能です。 システムおよび PC はどちらもネットワークから特別なブロードキャスト・フレームを検出しており、受信すると、ポート 67 と 68 を用いてネゴシエーションが行われます。 システムと PC は、必要に応じて、交換されたデータを用いて自身を構成することができます。 さらに、PC は、コンソール・セッションを開始するために使用できる構成済み接続を作成します。 VSDISCOVER 機能は接続を構成するためのデフォルトのメカニズムです。 BOOTP プロセスは、VSDISCOVER が不要になってもまだ使用されます。ユーザーが既に構成済みの接続を持っていて、ネットワーク・データをリセットする必要がある場合などです。

ネットワーク上のローカル・オペレーション・コンソールは、ブートストラップ・プロトコル (BOOTP) を使用してサーバー・サービス IP コミュニケーション・スタックを構成します。 オペレーション・コンソール構成ウィザードは、IP スタックの構成およびサーバーのシリアル番号と区画 ID を要求します。 サーバーは BOOTP 要求をブロードキャストします。 オペレーション・コンソール PC は、 構成ウィザード中にサブミットされた情報を使用して応答します。 そこで、サーバーはサービス IP コミュニケーション・スタック用に構成情報を保管して使用します。

オペレーション・コンソール PC は、サーバーがアクセスできるネットワーク上に配置する必要があります。 これは同じ物理ネットワークであっても、またはブロードキャスト・パケットを流すことができる別のネットワークであってもかまいません。 これは初期セットアップの要件です。通常のオペレーション・コンソールの操作ではこのセットアップは必要ありません。 このセットアップは、同じ物理ネットワーク上で行うようにしてください。

BOOTP 要求には、サーバーのシリアル番号と区画 ID が含まれています。 サーバーのシリアル番号と区画 ID は、IP 構成情報を割り当てるのに使用されます。 サービス IP コミュニケーション・スタックの構成で問題が起こった場合は、オペレーション・コンソール PC が同じ物理ネットワーク上にあること、および構成内のサーバーのシリアル番号と区画 ID が正しいことを確認します。

ネットワーク (LAN) 接続ローカル・コンソールは、ポート 2323、3001、および 3002 を使用します。 別の物理ネットワーク内の オペレーション・コンソールを使用するには、ルーターおよびファイアウォールがこれらのポートの IP トラフィックを許可する必要があります。 BOOTP は、RFC 951 に従って UDP ポート 67 および 68 を使用します。 詳しくは、「Bootstrap protocol RFC」Web サイト ( RFC 951-Bootstrap Protocol (RFC951) (http://www.faqs.org/rfcs/rfc951.html)) を参照してください。

BOOTP が正常に終了するかどうかは、サーバーおよび PC の接続に使用するネットワーク・ハードウェアに依存します。 一部のケースでは、DST で接続を構成するために異なるコンソール・デバイスが必要になります。 BOOTP を使用するために用いるネットワーク・ハードウェアは、オペレーション・コンソール接続用に、速度および全二重のオートネゴシエーションが可能なものでなければなりません。

システムに BOOTP を強制的に実行させるには、現行の LAN コンソール・リソースを割り振り解除するか、IP アドレスを 0.0.0.0 に設定して、コンソール・サービス機能を使用してシステムにコンソール装置をリセットさせる機能を実行する必要があります。