ワークスペースのその他のカスタマイズ

ワークスペースのその他のカスタマイズ、および関連するワークスペース定義パラメーターについて説明します。

以下では、製品提供ワークスペースをカスタマイズするために使用できるいくつかの一般的なワークスペース定義ステートメントについて説明します。 ワークスペースをカスタマイズするための詳細な手順の例については、「 ワークスペースのカスタマイズ」を参照してください。

ワークスペースの初期および最新表示のカーソル位置

初期 (エントリー時) のワークスペース・カーソル位置は、CURSOR= ワークスペース定義ステートメントによって指定されます。 例えば、CURSOR=HOME は、初期カーソル位置がメニュー・バーのコマンド・フィールドにあることを指定します。

CURSORREFRESH= ワークスペース定義ステートメントは、例えば、PF3 (終了) を押した後にワークスペースが最新表示されたとき、またはワークスペースに戻ったときのカーソル位置の動作を決定します。 例えば、CURSORREFRESH=ASIS は、ワークスペースを最新表示したとき、またはワークスペースに戻ったときにカーソル位置が変更されないままになることを指定します。

CURSOR= ステートメントおよび CURSORREFRESH= ステートメントに指定可能な値は、以下のとおりです。
HOME
行 00、列 1
COMMANDLINE
カーソルは、コマンド行プロンプト Command ==> の後に表示されます。
SUBPANEL
カーソルは、最初のサブパネルの最初の選択可能フィールド内に表示されます。
ASIS
カーソルは、ワークスペースでユーザーがカーソルを置いた場所にとどまります。

静的に定義された列

静的に定義された列は、水平スクロール操作時には静的のままです。 これらの列は通常、特定の要約サブパネル・データ行の基本 ID 列です。 例えば、KOBSITEC ワークスペースの場合、「状況 (Status)」列および「シチュエーション名 (Situation Name)」列は静的として定義されます。 静的に定義された列は STATICCOLS= サブパネル定義ステートメントによって制御されます。 つまり、STATICCOLS=2 は、サブパネル表示内の左端の 2 つの列が静的として定義されることを指定します。すなわち、以下の KOBSITEC ワークスペース定義からの抜粋に示されているように、サブパネル DISPLAYCOLS ステートメントに指定されている最初の 2 つの列です。

 STATICCOLS=2                                       
                                                    
 DISPLAYCOLS='DELTASTAT(CAPTION='Status',WIDTH=7),  
 SITNAME(CAPTION='Situation_Name',WIDTH=30),        
 ORIGINNODE(CAPTION='MSN_Event_Source'),            
 GBLTMSTMP(CAPTION='HUB_Event_Time',DATETIME),      
 LCLTMSTMP(CAPTION='Agent_Event_Time',DATETIME),    
 ATOMIZE(WIDTH=30,SCROLL),                          
 TYPE(CAPTION='Type')'                              
                                                    

表示される列の数

特定のワークスペースに表示される列は、DISPLAYCOLS= ワークスペース定義ステートメントによって指定されます。 ワークスペースの表示から列を削除するには、DISPLAYCOLS 定義でその指定を削除します。 KOBSITEC ワークスペースから「タイプ (Type)」列を削除するには、以下の例に示されているとおり、DISPLAYCOLS 定義から TYPE(CAPTION='Type') 指定を削除します。

 STATICCOLS=2                                       
                                                    
 DISPLAYCOLS='DELTASTAT(CAPTION='Status',WIDTH=7),  
 SITNAME(CAPTION='Situation_Name',WIDTH=30),        
 ORIGINNODE(CAPTION='MSN_Event_Source'),            
 GBLTMSTMP(CAPTION='HUB_Event_Time',DATETIME),      
 LCLTMSTMP(CAPTION='Agent_Event_Time',DATETIME),    
 ATOMIZE(WIDTH=30,SCROLL)'                          
                                                     
重要: TYPE 列指定に続く右引用符 (') はドロップされません。 この引用符は、ATOMIZE 列定義の最後に移動されます。 終了引用符は、DISPLAYCOLS 定義ステートメントの終わりを示します。

割り当てられたサブパネル行カウント

複数のサブパネルの表示を提供するワークスペースでは、画面スペースを調整することが望ましい場合があります。 例えば、特定のサブパネルに割り当てられる行の最小数を変更することができます。 この変更について、例として KOBSITEC ワークスペースを使用して説明します。 KOBSITEC ワークスペースは 2 つのサブパネルを提供します。最初のサブパネルは オープン・シチュエーションのリストを提供し、2 番目のサブパネルはシチュエーション・アラートのヒストリー・リストを提供します。 現行の定義に従って、ユーザーが 3270 モデル 5 エミュレーション・モード (27 行) でインターフェースにログオンする場合、最初のサブパネルのデータ行が 5 行を超えると、ヒストリー (2 番目の) サブパネル・ヘッダーのみが表示されます。 特定のサブパネルに割り当てられる最大行数は、 KOBSITEC ワークスペースの最初のサブパネル定義からの以下の抜粋に示されているように、サブパネルの LINESnn= パラメーター・ステートメントによって定義されます。

 LINES24=4       
 LINES32=8       
 LINES43=12      
 LINES62=20      
 LINES90=25      
                 
ヒント: LINESnn=nn は、特定の 3270 端末で使用可能な最大画面行数を表します。

例えば、ほとんどの Enhanced 3270 ユーザー・インターフェースのユーザーが低レベルの最大行エミュレーション・モード (例えば、24 行が使用可能な 3270 モデル 2) を使用している場合など、最初のワークスペース・サブパネルに割り当てることができるデフォルト・スペースを変更するために、LINES24 定義を LINES24=2 に調整できます。 この変更により、最初のサブパネルに割り当てられる画面スペースが削減され、2 番目のサブパネルで使用するために 2 行が解放されます。 または、2 番目のサブパネルの使用頻度が低く、最初のサブパネルにさらに多くのスペースを割り当てたい場合は、別の調整を適用できます。すなわち、LINES24 定義を LINES24=8 に設定し、最大 8 行の詳細データを最初のサブパネルに表示できるよう調整します。 ただし、これは極端な例ということができます。 Enhanced 3270 ユーザー・インターフェースで推奨される最小画面サイズは 43 x 80 で、例えば、43 行が使用可能な 3270 モデル 4 です。

ワークスペース・ソート列

ワークスペース・サブパネルのソート可能な列は、SORTCOLS= 定義ステートメントによって指定されます。 行データが取得された後でワークスペースがレンダリングされる前に、ソート索引が構成されるとすると、製品提供ワークスペースはこの定義ステートメントを自由裁量で使用します (特に、予想される、返される行セットで多数の行が生成される可能性がある場合)。 製品提供ワークスペースは、最も一般的なユース・ケースを想定するように設計されています。

Enhanced 3270 ユーザー・インターフェースを一定期間使用した後、ソート可能列を増やすことにより、特定のワークスペースの使いやすさが向上することが分かった場合、SORTCOLS= 定義の拡張を検討することがあります。 例えば、KOBSITEC ワークスペースで、現行の SORTCOLS= 定義が SORTCOLS='SITNAME' の場合、定義を拡張して他のサブパネル列 (「MSN イベント・ソース (MSN Event Source)」列や「HUB およびエージェント・イベント時刻 (HUB and Agent Event Time)」列など) も含める場合、定義を SORTCOLS='SITNAME, ORIGINNODE, GBLTMSTMP, LCLTMSTMP' に変更できます。

SORTCOLS 定義ステートメントは、ロード・コストが発生する可能性があることを考慮して、慎重に定義する必要があります。 最大 30 の SORTCOLS 列を定義するか、SORTCOLS=ALL を定義してすべてのサブパネル列でソートを使用可能にすることができますが、取得したデータに含まれるデータ行数が少ないとの確信がなければ、このオプションは避けたほうが賢明です。

列表示値が内部の列挙リストから得られる場合、すなわち、表示値が内部値の変換から得られる場合は、SORTCOLS 指定の使用は限定的になる可能性があることに注意してください。 この場合、ソート索引は内部列値から生成されます。 その結果、列の表示値はグループ化されているように見えることがありますが、必ずしも予想された表示順序になっているとは限りません。

ローカルまたはエージェントでのフィルター定義

ワークスペース・サブパネルのフィルター可能列は、FILTERCOLS= 定義ステートメントによって指定されます。 以下は、FILTERCOLS 定義ステートメントを使用する際の考慮事項です。
  • FILTERCOLS の指定では、FILTERCOLS ステートメントを定義する各ワークスペース・サブパネルのデータ結果行セットをサポートします。
  • 取得されたデータ行セット、すなわち、再使用可能照会 を共有する複数のサブパネルがワークスペースで提供される場合があります。 この場合、フィルター指定では、特定の結果行セットを共有するすべてのサブパネルがサポートされます。
  • FILTERCOLS ワークスペースは、FILTERWHERE= 定義ステートメントと一緒に動作して、フィルターがどこで適用されるかを指定します。これは、データが収集されて Enhanced 3270 ユーザー・インターフェースに返された後、またはデータが Enhanced 3270 ユーザー・インターフェースに返される前のエージェントでのデータ収集中のいずれかです。 デフォルトの FILTERWHERE= 定義は FILTERWHERE=AGENTで、フィルター処理はエージェントで行われます。
  • FILTERCOLS ステートメントが FILTERWHERE=AGENT (デフォルト) と共に定義されている場合、フィルターはエージェントで適用されます。 その結果、FILTERWHERE=AGENT が指定された FILTERCOLS ステートメントは、データ取得のために発生するロードに影響を与えます。 フィルターが有効であると想定した場合、フィルターにより、収集されて Enhanced 3270 ユーザー・インターフェースに返されるデータの量が削減されます。
  • FILTERCOLS ステートメントは、常に有効であるとは限らないため、慎重に使用する必要があります。 例えば、このステートメントは、テキスト・ストリングが含まれた列値で最も効果的に使用できます。 しかし、数字の列値、または内部の列挙リストから得られた列値 (すなわち、表示値が内部値の変換から得られる場合) では、このステートメントの使用は限定的です。
フィルター可能な列の調整について詳しくは、 フィルター可能な列の調整を参照してください。
注意: 製品で提供されるワークスペースで指定できるフィルターに関連する他のワークスペース定義ステートメント ( FILTERVIEW(S)FILTERSTRIPなど) があります。 フィルター定義ステートメントは複雑になる可能性があります。また、製品提供ワークスペースのフィルター定義の変更は、予期しない副次的影響が発生しないように慎重に行う必要があります。

ワークスペース・サブパネルの数と順序

ワークスペース・サブパネル定義の開始 は、サブパネル開始を示す <SUBPANEL> タグ・ステートメントによって指定されます。 サブパネル定義の終了は、以下のいずれかの方法で指定されます。
  1. <WORKSPACEEND> タグによって定義される暗黙的終了
  2. <SUBPANELEND> タグによって定義される明示的終了
  3. 別のサブパネルの開始を示す以降の <SUBPANEL> タグによって定義される暗黙的終了
注意: <WORKSPACEEND> タグは、ワークスペース定義の終了を示します。

サブパネルの削除について詳しくは、 サブパネルの削除 を参照してください。

以下の考慮事項は、ワークスペース・サブパネルの削除または再配列に関するものです。
  • サブパネル定義の境界が <SUBPANEL> および <SUBPANELEND> タグ・ステートメント、またはサブパネルの暗黙的終了によって定義されている場合、特定のサブパネルを定義しているすべての行からなるブロックを、ワークスペース定義内のある場所から別の場所に移動することにより、サブパネルの順序を変更できます。
    注意: 製品で提供されるワークスペースの場合、ワークスペースの順序は問題になる可能性があります。 例えば、ワークスペース A の取得されたデータ結果セットは、ワークスペース B によって共有される可能性があります。 別の例として、ワークスペース B がワークスペース A によって設定された値に依存している場合があります。 別のケースとして、サイレント・ワークスペース、すなわち、表示されることはないが、ナビゲーション・シナリオに役立つワークスペースが挙げられます。 例えば、サイレント・ワークスペースでは、以降のプロセスに必要な中間ステップが実行される場合があります。 ワークスペースのカスタマイズ、例えば、特定のワークスペース内でサブパネルの削除、追加、または再配列を行う場合は、これらの考慮事項に留意してください。

ワークスペース・パネル定義 - 参照

内容および順序に影響する可能性のあるワークスペース定義ステートメントについて詳しくは、「 ワークスペース・パネル定義 」を参照してください。