EXPORT コマンド (ADMIN_CMD プロシージャーを使用)

EXPORT コマンドは、データベースから、いくつかある外部ファイル形式のいずれかにデータをエクスポートします。ユーザーは、SQL SELECT ステートメントによって、 または型付き表の階層情報によってエクスポートするデータを指定します。 データはサーバーにのみエクスポートされます。

詳細については、エクスポート・ユーティリティー用のファイル・タイプ修飾子を参照してください。

許可

以下の権限のいずれか。
  • DATAACCESS 権限
  • 関係するそれぞれの表またはビューに対する CONTROL または SELECT 特権

必要な接続

データベース。 Linux、UNIX、または Windows クライアントから Linux、UNIX、または Windows データベース・サーバーへのユーティリティー・アクセスは、エンジンを使用した直接接続でなければなりません。Db2 Connect ゲートウェイやループバック環境を介した直接接続によるアクセスであってはなりません。

コマンド構文

構文図を読む構文図をスキップするEXPORT TOfilenameOFfiletype LOBS TO,lob-pathLOBFILE,filenameXML TO,xml-pathXMLFILE,filenameMODIFIED BYfiletype-modXMLSAVESCHEMAMETHOD N(,column-name)MESSAGES ON SERVERselect-statementXQUERYxquery-statementHIERARCHYSTARTINGsub-table-nametraversal-order-listWHERE
traversal-order-list
構文図を読む構文図をスキップする( ,sub-table-name )

コマンド・パラメーター

TO filename
サーバーにおいてデータのエクスポート先となるファイルの名前を指定します。 このパラメーターは、完全修飾パスでなければならず、サーバー・コーディネーター・パーティション上に存在していなければなりません。

存在するファイルの名前を指定した場合、 エクスポート・ユーティリティーはファイルの内容を上書きします。 つまり情報は追加されません。

この節を指定するかどうかにかかわらず、fenced ユーザー ID に、 DB2_UTIL_MSGPATH レジストリー変数で指定したディレクトリーおよびデータのエクスポート先ディレクトリーにファイルを作成するための権限が必要です。

OF filetype
次のような出力ファイルのデータ・フォーマットを指定します。
  • DEL (区切り ASCII フォーマット)。 さまざまなデータベース・マネージャーやファイル・マネージャー・プログラムで使用されます。
  • IXF (統合交換フォーマット、PC バージョン) は、プロプラエタリー・バイナリー・フォーマットです。
LOBS TO lob-path
LOB ファイルが保管される、ディレクトリーへの 1 つ以上のパスを指定します。 それらのパスはサーバーのコーディネーター・パーティション上に存在するものでなければならず、また、完全修飾パスでなければなりません。LOB パスごとに少なくとも 1 つのファイルが存在する必要があります。 各ファイルには少なくとも 1 つの LOB が入ります。 指定できるパスの最大数は 999 です。 この設定によって、LOBSINFILE の動作が暗黙的に活動化されます。
LOBFILE filename
LOB ファイルに 1 つ以上の基本ファイル名を指定します。 最初の名前の名前空間がいっぱいになると、2 番目の名前が使用され、 以下 3 番目、4 番目と続きます。 この設定によって、LOBSINFILE の動作が暗黙的に活動化されます。

エクスポート操作での LOB ファイルの作成時には、現行パス (lob-path からの) にこのリストから現行ベース名を追加します。その後、 3 桁のシーケンス番号を最初に付加してから、3 文字の ID lob を付加する必要があります。 例えば、現行 LOB パスがディレクトリー /u/foo/lob/path/ で、 現行 LOB ファイル名が bar の場合、LOB ファイルは、/u/foo/lob/path/bar.001.lob/u/foo/lob/path/bar.002.lob (以下 003、004 と続く) などのように作成されます。LOB ファイル名の 3 桁のシーケンス番号で 999 が使用されてしまうとこの番号は 4 桁に増え、また、9999 が使用されてしまうと 4 桁が 5 桁に増えます。以下同様にシーケンス番号の桁数が増えていきます。

XML TO xml-path
XML ファイルが保管されるディレクトリーを指す 1 つ以上のパスを指定します。 XML パスごとに少なくとも 1 つのファイルが存在し、各ファイルには少なくとも 1 つの XQuery データ・モデル (XDM) インスタンスが含まれることになります。複数のパスが指定された場合、XDM インスタンスはそれらのパスに均等に分散されます。
XMLFILE filename
XML ファイルのための 1 つ以上の基本ファイル名を指定します。 最初の名前の名前空間がいっぱいになると、2 番目の名前が使用され、 以下 3 番目、4 番目と続きます。

エクスポート操作での XML ファイルの作成時には、現行パス (xml-path からの) にこのリストから現行ベース名を追加します。その後、3 桁のシーケンス番号と 3 文字の ID xml を付加する必要があります。 例えば、現行 XML パスがディレクトリー /u/foo/xml/path/ で、現行 XML ファイル名が bar の場合、XML ファイルは、/u/foo/xml/path/bar.001.xml/u/foo/xml/path/bar.002.xml などのように作成されます。

MODIFIED BY filetype-mod
ファイル・タイプ修飾子オプションを指定します。 エクスポート・ユーティリティー用のファイル・タイプ修飾子を参照してください。
XMLSAVESCHEMA
すべての XML 列について XML スキーマ情報を保管する必要があることを指定します。 エクスポートされた各 XML 文書のうち、挿入時に XML スキーマに関する妥当性検査が実行されたものについては、そのスキーマの完全修飾 SQL ID が、対応する XML Data Specifier (XDS) 内に SCH 属性として格納されます。エクスポートされた文書に対して XML スキーマに関する妥当性検査が実行されていない場合、またはそのスキーマ・オブジェクトがデータベースにもやは存在しない場合は、対応する XDS に SCH 属性は含められません。

SQL ID のスキーマと名前の各部分は、XML スキーマに対応する SYSCAT.XSROBJECTS カタログ表の行の "OBJECTSCHEMA" および "OBJECTNAME" の値として格納されます。

XMLSAVESCHEMA オプションには、整形式 XML 文書を生成しない XQuery シーケンスとの互換性がありません。

METHOD N column-name
出力ファイルで使用される 1 つ以上の列名を指定します。 このパラメーターが指定されない場合、表の列名が使用されます。 このパラメーターは IXF ファイルでのみ有効ですが、階層データをエクスポートするときは無効です。
select-statement
エクスポートされるデータを戻す SELECT または XQUERY ステートメントを指定します。このステートメントによってエラーが発生する場合、メッセージ・ファイル (または標準出力) にメッセージが書き込まれます。 エラー・コードが SQL0012W、SQL0347W、SQL0360W、SQL0437W、 または SQL1824W である場合、エクスポート操作は続行します。 これ以外のエラー・コードの場合、操作は停止します。
SELECT ステートメントが SELECT * FROM tablename という形式で、表に暗黙的な非表示列が含まれている場合には、エクスポート操作に非表示列のデータを含めるかどうかを明示的に指定する必要があります。 非表示列のデータを含めるかどうかを示すには、以下のいずれかの方法を使用します。
  • 非表示列のファイル・タイプ修飾子のいずれかを使用します。非表示列のデータをエクスポートに含める場合には implicitlyhiddeninclude を指定し、エクスポートに含めない場合には implicitlyhiddenmissing を指定します。
    db2 export to t.del of del modified by implicitlyhiddeninclude
       select * from t
  • 暗黙的な非表示列が含まれる表をデータ移動ユーティリティーが検出した場合のデフォルト動作を設定するには、Db2_DMU_DEFAULT レジストリー変数をクライアント・サイドで使用します。
    db2set Db2_DMU_DEFAULT=IMPLICITLYHIDDENINCLUDE
    db2 export to t.del of del select * from t 
HIERARCHY STARTING sub-table-name
デフォルトの走査順序 (ASC、または DEL ファイルの OUTER 順序、または PC/IXF データ・ファイルに保管されている順序) を使用して、 sub-table-name から始まる副階層をエクスポートします。
HIERARCHY traversal-order-list
指定した走査順序を使用して副階層をエクスポートします。すべての副表は、PRE-ORDER 方式でリストされていなければなりません。 最初の副表名が、SELECT ステートメントのターゲット表名として使用されます。
MESSAGES ON SERVER
EXPORT コマンドによってサーバー上に作成されるメッセージ・ファイルを保存することを指定します。戻された結果セットには、 MSG_RETRIEVAL および MSG_REMOVAL の 2 つの列が含まれています。 MSG_RETRIEVAL は、この操作中に発生したすべての警告メッセージおよびエラー・メッセージを取得するために必要な SQL ステートメントです。 MSG_REMOVAL は、メッセージをクリーンアップするために必要な SQL ステートメントです。

この節が指定されていない場合は、ADMIN_CMD プロシージャーから呼び出し元に戻る時点でメッセージ・ファイルが削除されます。結果セット中の MSG_RETRIEVAL および MSG_REMOVAL 列の内容は NULL 値になります。

この節を指定するかどうかにかかわらず、fenced ユーザー ID またはインスタンス所有者の 1 次グループに、DB2_UTIL_MSGPATH レジストリー変数で指定したディレクトリーおよびデータのエクスポート先ディレクトリーにファイルを作成するための権限が必要です。

次に示すのは、SAMPLE データベースにある STAFF 表から、 ファイル myfile.ixf に情報をエクスポートする方法の一例です。 これは、IXF フォーマットで出力されます。コマンドを発行する前に、SAMPLE データベースと接続する必要があります。
CALL SYSPROC.ADMIN_CMD ('EXPORT to /home/user1/data/myfile.ixf 
   OF ixf MESSAGES ON SERVER select * from staff')

使用上の注意

  • EXPORT コマンドで使用されるすべてのパスは、サーバー上の有効な完全修飾パスでなければなりません。
  • 表に LOB 列が含まれている場合、LOBS TO および LOBFILE 節を使用して、少なくとも 1 つの完全修飾 LOB パスと LOB 名が指定されていなければなりません。
  • エクスポート・ユーティリティーは操作の開始時に COMMIT ステートメントを発行します。このため、タイプ 2 接続の場合は、プロシージャーから SQL30090N、理由コード 2 が戻されます。
  • UCS-2 データベースから、区切り文字で区切られている ASCII (DEL) ファイルにエクスポートする場合、すべての文字データは、プロシージャーを実行する場所で有効なコード・ページに変換されます。文字ストリングと GRAPHIC ストリング・データのどちらも、サーバーの、同じ SBCS または MBCS コード・ページに変換されます。
  • エクスポート操作を開始する前に、すべての表操作が完了し、すべてのロックが解除されていることを確認してください。このステップを行うには、 WITH HOLD を指定してオープンしたすべてのカーソルをクローズし、COMMIT または ROLLBACK を発行します。
  • SELECT ステートメントでは表の別名を使用できます。
  • EXPORT 表がパーティション化されていない場合など、SQL27981W メッセージが該当しないように思えるのに、このメッセージが示される場合があります。その場合、この警告は無視しても安全です。この警告メッセージは、EXPORT コマンドの SELECT ステートメント内の SQL キーワード FROM の前に「from」という語が含まれている場合に返されることがあります。
  • メッセージ・ファイルに置かれたメッセージには、メッセージ検索サービスから戻される情報が含まれています。各メッセージは新しい行から始まります。
  • PC/IXF インポートは、データベース間でデータを移動する場合に使用する必要があります。 行区切り文字を含む文字データを区切り ASCII (DEL) ファイルにエクスポートし、テキスト転送プログラムで処理すると、行区切り文字を含むフィールドの長さが短くなったり長くなったりします。
  • ソースとターゲットのデータベースが両方とも同じクライアントからアクセス可能である場合、 ファイルのコピーというステップは必要ありません。
  • Db2 Connect を使用して、Db2® for z/OS®Db2 for VM and VSE、および Db2 for OS/400® などの DRDA サーバーから表をエクスポートすることができます。 PC/IXF エクスポートだけがサポートされています。
  • IXF フォーマットにエクスポートする際に、ID が IXF フォーマットでサポートされる最大サイズを超えている場合、エクスポートは成功します。ただし、 生成されたデータ・ファイルを後で CREATE モードのインポート操作に使用することはできません (SQL27984W)。
  • IXF フォーマットにエクスポートする際、エクスポート・ユーティリティーは、後で CREATE モードのインポート処理でカラム・オーガナイズ表を再作成するときに 必要となるカラム・オーガナイズ表のメタデータを維持しません。
  • Windows でディスケットにエクスポートしているときに 1 枚のディスケットの容量を超えるデータを持つ表がある場合、別のディスケットを挿入するようプロンプトが出されます。複数パーツ PC/IXF ファイル (マルチボリューム PC/IXF ファイル、または論理的に分割された PC/IXF ファイルとして知られる) が生成されて別々のディスケットに保管されます。最後のファイルを除く各ファイルに、 Db2 CONTINUATION RECORD (または略して "AC" レコード) が書き込まれます。 このレコードは、ファイルが論理的に分割されていること、および次のファイルを検索する場所を示しています。 その後、ファイルがインポート・ユーティリティーおよびロード・ユーティリティーによって読み取られるように、ファイルを AIX® システムに転送できます。エクスポート・ユーティリティーは、AIX システムから呼び出される場合、 複数部分からなる PC/IXF ファイルを作成しません。 詳しい使用法については、IMPORT コマンドまたは LOAD コマンドを参照してください。
  • エクスポート・ユーティリティーは、提供される SELECT ステートメントが、 SELECT * FROM tablename という形式である場合、 IXF ファイルの表の NOT NULL WITH DEFAULT 属性を保管します。
  • 型付き表をエクスポートする場合、副選択ステートメントは、ターゲット表名と WHERE 節を指定することによってのみ表現することができます。階層をエクスポートする場合、全選択と select-statement は指定できません。
  • IXF 以外のファイル形式の場合は、走査順序リストを指定することをお勧めします。 このリストにより、Db2 に、階層の走査方法とエクスポートする副表を示すことができます。 このリストを指定しない場合、階層内のすべての表がエクスポートされ、 デフォルトの順序は OUTER 順序になります。 OUTER 関数によって指定されるデフォルトの順序を使うこともできます。
  • インポート操作の間も同じ走査順序を使用します。 ロード・ユーティリティーでは、階層または副階層のロードはサポートされていません。
  • 保護行のある表からデータをエクスポートする場合は、セッション許可 ID の保持する LBAC 信用証明情報のために、エクスポートされる行が制限されることがあります。セッション許可 ID に行に対する読み取りアクセスがない場合、それらの行はエクスポートされません。 エラーも警告も出ません。
  • セッション許可 ID の保持する LBAC 信用証明情報のために、エクスポートに含まれている 1 つ以上の保護列からの読み取りが許可されない場合、エクスポートは失敗し、エラー (SQLSTATE 42512) が戻されます。
  • exportdb2move などのデータ移動ユーティリティーを実行する際に、照会コンパイラーが、基礎照会を基本表よりも MQT に対して実行する方が効率が良いと判別することがあります。そのような場合、照会は据え置きリフレッシュの MQT に対して実行され、ユーティリティーの結果は基礎表内のデータを正確に表していない可能性があります。
  • エクスポート・パッケージは、DATETIME ISO 形式を使用してバインドされます。 そのため、ストリング表記へのキャスト時にすべての日付/時間/タイム・スタンプの値は ISO 形式に変換されます。 CLP パッケージは DATETIME LOC 形式 (ロケール固有形式) を使用してバインドされるため、CLP DATETIME 形式が ISO と異なる場合に CLP とエクスポート間で矛盾した振る舞いが見られる場合があります。例えば、以下の SELECT ステートメントは、以下の期待される結果を戻します。
       db2 select col2 from tab1 where char(col2)='05/10/2005';
          COL2
          ----------
          05/10/2005
          05/10/2005
          05/10/2005
          3 record(s) selected.
    しかし、同じ select 節を使用した export コマンドでは、期待される結果が戻されません。
       db2 export to test.del of del select col2 from test 
       where char(col2)='05/10/2005';
          Number of rows exported: 0
    ここで、LOCALE 日付形式を ISO 形式に置き換えると、以下のように、期待される結果になります。
       db2 export to test.del of del select col2 from test
       where char(col2)='2005-05-10';
          Number of rows exported: 3

結果セット情報

コマンドの実行状況は、CALL ステートメントからの結果である SQLCA で戻されます。 実行が成功したなら、以下の結果セットによりコマンドから追加情報が戻されます。
表 1. EXPORT コマンドから戻される結果セット
列名 データ・タイプ 説明
ROWS_EXPORTED BIGINT エクスポートされた行の総数。
MSG_RETRIEVAL VARCHAR(512) このユーティリティーによって作成されたメッセージを取り出すために使用する SQL ステートメント。以下に例を示します。
SELECT SQLCODE, MSG
   FROM TABLE (SYSPROC.ADMIN_GET_MSGS
   ('3203498_txu')) AS MSG
MSG_REMOVAL VARCHAR(512) このユーティリティーによって作成されたメッセージをクリーンアップするために使用する SQL ステートメント。以下に例を示します。
CALL SYSPROC.ADMIN_REMOVE_MSGS
   ('3203498_txu')

エクスポート・ユーティリティー用のファイル・タイプ修飾子

表 2. エクスポート・ユーティリティーで有効なファイル・タイプ修飾子: すべてのファイル・フォーマット
修飾子 説明
lobsinfile lob-path には、LOB データの入ったファイルへのパスを指定します。

各パスには、データ・ファイル内で LOB ロケーション指定子 (LLS) によって示される 1 つ以上の LOB の入った、少なくとも 1 つのファイルが組み込まれます。 LLS は、LOB ファイル・パスに保管されるファイル内の LOB のロケーションのストリング表現です。LLS の形式は、filename.ext.nnn.mmm/ です。 filename.ext は LOB を収めたファイルの名前、 nnn はファイル内の LOB のオフセット (バイト単位)、 mmm は LOB の長さ (バイト単位) を表します。 例えば、データ・ファイルに保存されたストリングが db2exp.001.123.456/ である場合、 この LOB は、ファイル db2exp.001 のオフセット 123 に存在し、その長さは 456 バイトです。

EXPORT の使用時に lobsinfile 修飾子を指定した場合、LOB データは LOBS TO 節に指定されたロケーションに置かれます。 指定しない場合、 LOB データはデータ・ファイル・ディレクトリーに送られます。 LOBS TO 節は、LOB ファイルが保管されるディレクトリーへのパスを 1 つ以上指定します。 LOB パスごとに少なくとも 1 つのファイルが存在し、各ファイルには少なくとも 1 つの LOB が入ります。LOBS TO または LOBFILE オプションによって、LOBSINFILE 動作が暗黙的にアクティブ化されます。

NULL LOB を指定するには、サイズに -1 と入力します。 サイズを 0 と指定すると、長さが 0 の LOB として扱われます。 長さが -1 の NULL LOB の場合、オフセットとファイル名は無視されます。 例えば、NULL LOB の LLS は、db2exp.001.7.-1/ のようになります。

implicitlyhiddeninclude この修飾子は SELECT * 照会と一緒に使用し、SELECT * 照会の結果に含まれない暗黙的な非表示列のデータもエクスポートすることを指定します。 この修飾子は、 implicitlyhiddenmissing 修飾子と共に使用することはできません。

この修飾子を使用して、照会に SELECT * が含まれていないと、エラーが戻ります (SQLCODE SQL3526N)。

この修飾子は、生成別ランダム方式を使用するランダム分散表の非表示の RANDOM_DISTRIBUTION_KEY 列には適用されません。 エクスポートされるデータにこの列を含めるには、その列を照会で明示的に参照する必要があります。

implicitlyhiddenmissing この修飾子は SELECT * 照会と一緒に使用し、暗黙的な非表示列のデータをエクスポートしないことを指定します。 この修飾子は、 implicitlyhiddeninclude 修飾子と共に使用することはできません。

この修飾子を使用して、照会に SELECT * が含まれていないと、エラーが戻ります (SQLCODE SQL3526N)。

この修飾子は、生成別ランダム方式を使用するランダム分散表の非表示の RANDOM_DISTRIBUTION_KEY 列には適用されません。 エクスポートされるデータにこの列を含めるには、その列を照会で明示的に参照する必要があります。

xmlinsepfiles 各 XQuery データ・モデル (XDM) インスタンスが別のファイルに書き込まれます。 デフォルトでは、同じファイルの中で複数の値が連結されます。
lobsinsepfiles 各 LOB 値が別のファイルに書き込まれます。 デフォルトでは、同じファイルの中で複数の値が連結されます。
xmlnodeclaration XDM インスタンスが XML 宣言タグなしで書き込まれます。デフォルトでは、XDM インスタンスのエクスポート時に、エンコード属性を指定した XML 宣言タグが先頭に組み込まれます。
xmlchar XDM インスタンスが文字コード・ページで書き込まれます。文字コード・ページは、codepage ファイル・タイプ修飾子で指定された値です。指定されていない場合はアプリケーションのコード・ページです。デフォルトでは、XDM インスタンスは、Unicode で書き込まれます。
xmlgraphic EXPORT コマンドで xmlgraphic 修飾子を指定すると、アプリケーション・コード・ページまたは codepage ファイル・タイプ修飾子にかかわりなく、エクスポート XML 文書は、UTF-16 コード・ページでエンコードされます。
表 3. エクスポート・ユーティリティーの有効なファイル・タイプ修飾子: DEL (区切り付き ASCII) ファイル形式
修飾子 説明
chardelx x は単一文字のストリング区切り文字です。 デフォルト値は、二重引用符 (") です。指定した文字は、文字ストリングを囲むために、二重引用符の代わりに使用されます。 2 文字ストリング区切り文字として明示的に二重引用符を指定する場合、次のように指定する必要があります。
   modified by chardel""
以下のように、文字ストリング区切りとして単一引用符 (') を指定することもできます。
   modified by chardel''
codepage=x x は、ASCII 文字ストリングです。この値は、出力データ・セットに含まれているデータのコード・ページとして解釈されます。エクスポート操作中に、このコード・ページの文字データをアプリケーション・コード・ページから変換します。

DBCS のみ (GRAPHIC)、混合 DBCS、および EUC の場合、 区切り文字の範囲は x00 から x3F に制限されます。

coldelx x は単一文字の列区切り文字です。 デフォルト値はコンマ (,) です。 列の終わりを示すコンマの代わりに指定の文字を使用します。2
以下の例では coldel; を指定しているので、エクスポート・ユーティリティーは、セミコロン文字 (;) をエクスポート・データの列区切りとして使用します。
   db2 "export to temp of del modified by coldel;
      select * from staff where dept = 20"
decplusblank 正符号文字。正の 10 進値の接頭部として、正符号 (+) ではなくブランク・スペースを使用します。 デフォルトのアクションでは、正の 10 進数の前に正符号 (+) が付けられます。
decptx x は、小数点文字としてピリオドの代わりに使用される単一文字です。 デフォルト値はピリオド (.) です。小数点文字として、ピリオドの代わりに指定の文字を使用します。2
nochardel 列データが文字区切りで囲まれなくなります。Db2 を使用してデータのインポートまたはロードを実行する場合は、このオプションを指定しないでください。 これは、区切り文字を持たないベンダー・データ・ファイルをサポートするために用意されています。 不適切に使用すると、データが損失または破壊される場合があります。

このオプションを chardelx または nodoubledel と一緒に指定することはできません。 この 2 つのオプションは相互に排他的です。

nodoubledel 二重文字区切りの認識を抑止します。2
striplzeros エクスポートするすべての 10 進数列から先行ゼロを除去します。
以下の例について考慮します。
   db2 create table decimalTable ( c1 decimal( 31, 2 ) )
   db2 insert into decimalTable values ( 1.1 )
   
   db2 export to data of del select * from decimalTable
    
   db2 export to data of del modified by STRIPLZEROS 
      select * from decimalTable
最初のエクスポート操作では、エクスポート・ファイル・データの内容が +00000000000000000000000000001.10 になります。2 番目の操作は、striplzeros 修飾子以外は最初の操作と同じですが、この場合は、エクスポート・ファイル・データの内容が +1.10 になります。
timestampformat="x" x は、ソース・ファイルのタイム・スタンプの形式です。4 有効なタイム・スタンプ・エレメントは、以下のとおりです。
YYYY
年 (0000 から 9999 までの範囲の 4 桁の数)
M
月 (1 から 12 までの範囲の 1 桁または 2 桁の数)
MM
月 (01 から 12 までの範囲の 2 桁の数。M および MMM とは相互に排他的)
MMM
月 (大文字小文字を区別しない月名の 3 文字の省略形。M と MM とは相互に排他的)
D
日 (1 から 31 までの範囲の 1 桁または 2 桁の数)
DD
日 (01 から 31 までの範囲の 2 桁の数。D とは相互に排他的)
DDD
年間通算日 (001 から 366 までの範囲の 3 桁の数。他の日または月のエレメントとは相互に排他的)
H
時 (12 時間制の場合は 0 から 12 まで、24 時間制の場合は 0 から 24 までの範囲の 1 桁または 2 桁の数。)
HH
時 (12 時間制の場合は 00 から 12 まで、24 時間制の場合は 0 から 24 までの範囲の 2 桁の数。H とは相互に排他的)
M
分 (0 から 59 までの範囲の 1 桁または 2 桁の数)
MM
分 (00 から 59 までの範囲の 2 桁の数。M (分) とは相互に排他的)
S
秒 (0 から 59 までの範囲の 1 桁または 2 桁の数)
SS
秒 (00 から 59 までの範囲の 2 桁の数。S とは相互に排他的)
SSSSS
午前 0 時から数えた秒数 (00000 から 86400 までの範囲の 5 桁の数。他の時刻エレメントとは相互に排他的)
U (1 から 12 時)
小数秒 (U の出現数は桁数を表します。各桁は 0 から 9 までの範囲の数字です)
TT
午前/午後の指定子 (AM または PM)
タイム・スタンプ・フォーマットの例を以下に示します。
   "YYYY/MM/DD HH:MM:SS.UUUUUU"

MMM エレメントは、以下の値を生成します。 「Jan」、「Feb」、「Mar」、「Apr」、「May」、「Jun」、「Jul」、 「Aug」、「Sep」、「Oct」、「Nov」、および「Dec」。 「Jan」は 1 月と等しく、「Dec」は 12 月と等しいです。

以下の例は、「schedule」という表から、ユーザー定義のタイム・スタンプ・フォーマットを示すデータをエクスポートする方法を示しています。
   db2 export to delfile2 of del
      modified by timestampformat="yyyy.mm.dd hh:mm tt"
      select * from schedule
表 4. エクスポート・ユーティリティーで有効なファイル・タイプ修飾子: IXF ファイル・フォーマット
修飾子 説明
codepage=x x は、ASCII 文字ストリングです。この値は、出力データ・セットに含まれているデータのコード・ページとして解釈されます。エクスポート操作中に、文字データをこのコード・ページからアプリケーション・コード・ページに変換します。

DBCS のみ (GRAPHIC)、混合 DBCS、および EUC の場合、 区切り文字の範囲は x00 から x3F に制限されます。

注:
  1. サポートされていないファイル・タイプを MODIFIED BY オプションで使用しようとしても、 エクスポート・ユーティリティーは警告を出しません。 そのような手順を試行すると、エクスポート操作が失敗し、エラー・コードが戻されます。
  2. データ移動のための区切り文字の制約事項に、区切り文字の指定変更として使用できる文字に適用される制限のリストが示されています。
  3. 通常、エクスポート・ユーティリティーは、以下のような形式で書き込みを行います。
    • 日付データ: YYYYMMDD の形式
    • 文字 (日付) データ: YYYY -MM -DD の形式
    • 時刻データ: HH.MM.SS の形式
    • タイム・スタンプ・データ: YYYY -MM -DD -HH.MM.SS.uuuuuu の形式
    エクスポート操作のために SELECT ステートメントで指定される日時列に組み込まれたデータも、これらの形式になります。
  4. タイム・スタンプ・フォーマットの場合、 月の記述子と分の記述子のどちらも文字 M を使用するため、 区別があいまいにならないように注意する必要があります。 月のフィールドは、他の日付フィールドの横になければなりません。 分のフィールドは、他の時刻フィールドの横にある必要があります。あいまいなタイム・スタンプ形式の例を以下に示します。
       "M" (月または分のどちらにもとれる)
       "M:M" (月と分の区別がつかない)
       "M:YYYY:M" (両方とも月と解釈される)
       "S:M:YYYY" (時刻値と日付値の両方に隣接している)
    あいまいな場合、ユーティリティーはエラー・メッセージを報告し、操作は失敗します。
    以下に、明確なタイム・スタンプ・フォーマットを示します。
       "M:YYYY" (M (月))
       "S:M" (M (分))
       "M:YYYY:S:M" (M (月)....M (分))
       "M:H:YYYY:M:D" (M (分)....M (月))
  5. XMLFILE 節や XML TO 節が指定されていない場合でも、 すべての XDM インスタンスは、メイン・データ・ファイルとは別個の XML ファイルに書き込まれます。 デフォルトで、XML ファイルはエクスポートされるデータ・ファイルのパスに書き込まれます。 XML ファイルのデフォルトのベース名は、エクスポートされるデータ・ファイル名に拡張子 ".XML" を追加したものとなります。
  6. XMLNODECLARATION ファイル・タイプ修飾子が指定されていなければ、 すべての XDM インスタンスはエンコード属性を含む XML 宣言を先頭に付けて書き込まれます。
  7. XMLCHAR または XMLGRAPHIC ファイル・タイプ修飾子が指定されていなければ、 デフォルトで、すべての XDM インスタンスは Unicode で書き込まれます。
  8. XML データおよび LOB データのデフォルト・パスは、メイン・データ・ファイルのパスです。 デフォルトの XML ファイルのベース名は、メイン・データ・ファイルです。 デフォルトの LOB ファイルのベース名は、メイン・データ・ファイルです。 例えば、メイン・データ・ファイルが
    /mypath/myfile.del
    の場合、XML データおよび LOB データのデフォルト・パスは
    /mypath"
    となります。デフォルトの XML ファイルのベース名は
    myfile.del
    となります。デフォルトの LOB ファイルのベース名は
    myfile.del

    LOB ファイルを生成するには、LOBSINFILE ファイル・タイプ修飾子が指定されている必要があります。

  9. エクスポート・ユーティリティーは、数値 ID を各 LOB ファイルまたは XML ファイルに付加します。 この ID は、0 が埋め込まれた 3 桁のシーケンス値で、
    .001
    から始まります。 999 番目の LOB ファイルまたは XML ファイルの後は、ID への 0 の埋め込みは行われません (例えば、1000 番目の LOG ファイルまたは XML ファイルの拡張子は
    .1000
    となります)。 数値 ID の後に、データ・タイプを表す次のどちらかの 3 文字のタイプ ID が続きます。
    .lob
    または
    .xml
    例えば、生成される LOB ファイルの名前は
    myfile.del.001.lob
    の形式となり、 生成される XML ファイルの名前は
    myfile.del.001.xml
    の形式となります。
  10. XQuery を指定すると、エクスポート・ユーティリティーは、 整形式でない文書である XDM インスタンスをエクスポートできます。 ただし、XML 列に含めることができるのは完全な文書だけなので、これらのエクスポートされた文書を XML 列に直接インポートまたはロードすることはできません。