チュートリアル 1: ベース・マップの操作
これは、Db2®および Esri ArcGIS を使用した地理空間データの分析方法を示す 3 つのチュートリアルのうちの 1 番目です。
- ベース・マップの操作方法を既に理解していて、独自のマップを作成しますか。その場合は、この一連のチュートリアルの 2 番目であるチュートリアル 2: 新規マップの作成を表示してください。
- この一連のチュートリアルの 3 番目であるチュートリアル 3: 独自の地理空間データの使用では、独自の地理空間データのアップロード方法と使用方法を示しています。
このチュートリアルのビデオ・バージョンを表示するには、ここを参照してください。
このチュートリアルでは、以下のタスクの実行方法を示します。
- ArcMap でのデータベース接続の追加。
- ベース・マップの準備。
- ベース・マップへのデータの追加。
所要時間
10 分シナリオ
あなたは、大規模な保険会社のデータ・サイエンティストであり、米国内での竜巻の発生を分析するとします。最も多くの竜巻が発生する郡を判別します。また、竜巻の発生と顧客データを関連付けて、会社の竜巻の損害による支払いリスクのレベルが最高の郡を判別します。
難易度
初級
対象読者
データ・サイエンティスト
システム要件
- Windows 7 Ultimate、Professional および Enterprise (32 ビットおよび 64 ビット [EM64T])
- Windows 8 Pro および Enterprise (32 ビットおよび 64 ビット [EM64T])
- Windows 8.1 Pro および Enterprise (32 ビットおよび 64 ビット [EM64T])
前提条件
このシナリオでは、地理空間データを視覚化したり分析したりするために、Db2に接続されている Esri ArcGIS for Desktop インストールを使用します (Esri ArcGIS for Desktop の接続を参照してください)。このシナリオのデータは既に Db2のデータベースにロードされています。
ArcMap でのデータベース接続の追加
手順
- Esri ArcMap ソフトウェアを起動します。Esri ArcMap を初めて起動する場合、新規マップを作成するウィンドウが自動的に開きます。初めてではない場合は、「ファイル」、次に「新規作成」をクリックして、このウィンドウを開きます。Esri はさまざまなベース・マップを提供しています。この例では、米国を示すマップを選択します。
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「ウィンドウ」、次に「カタログ」を選択します。

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「カタログ」ウィンドウで、正符号をクリックして「Database Connections」ノードを開きます。新規データベース接続を追加するには、「データベース接続の追加」をダブルクリックします。

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データベース・プラットフォームとして DB2 を選択します。データ・ソース・フィールドに Knowledge Center からコピーしたストリングを貼り付け、以前にメモした値でホスト名、ポート、およびデータベース名を更新します。認証タイプについては、「データベース認証」を選択します。
ユーザー名とパスワードを入力して、「OK」をクリックします。

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新規データベース接続が「データベース接続の追加」アイコンの下に表示されます。このデータベースを右クリックして、「接続」を選択し、Db2のデータベースに ArcCatalog を接続します。

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各 Db2のインスタンスには、郡、顧客、および竜巻に関するデータを含む 3 つの表がプリロードされています。後で、独自の空間データのロード方法を説明しますが、ここでは、これらのプリロードされた表のみを使用します。

ベース・マップの準備
手順
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続行する前に、マップのデータ・ビューを設定する必要があります。ベース・マップのデフォルト・ビューは、レイアウト・ビューです。ただし、このシナリオでは、データ・ビューの方が適しています。データ・ビューを選択するには、「ビュー」、次に「データ ビュー」をクリックします。

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このシナリオでは、高速道路や河川などの詳細を表示する必要はないので、対応するチェック・ボックスをクリアして不要な属性をすべて削除します。

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サンプルの表に含まれるデータでは、「WGS 1984」座標系を使用します。座標系を設定するには、コンテンツで「Conterminous United States」を右クリックし、ポップアップ・メニューから「プロパティ」を選択します。

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「地理座標系」が表示されるまで、ウィンドウをスクロールします。正符号をクリックしてノードを開き、「World」フォルダーまでスクロールダウンします。その正符号をクリックしてスクロールダウンし、「WGS 1984」を選択します。「OK」をクリックして確定します。

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マップをサイズ変更するため、マップ・スケールの設定に使用するフィールドで、1:25000000 を入力します。

ベース・マップへのデータの追加
これで、ArcMap が Db2に接続され、ベース・マップが準備されたので、シナリオを開始する準備ができました。このシナリオでは、保険会社にとって関心のある新規情報が生成されるように、プリロードされた表のデータを結合する方法を示します。 続行する前に、サンプルの表を詳しく見てみます。郡の表には、すべての米国の郡を精密にマップするために必要なデータが含まれます。竜巻の表には、1950 年から 2013 年までの米国でのすべての竜巻をカバーする過去の竜巻のデータが含まれます。顧客の表には、保険顧客の被保険物の場所や価値を含めた、人工物についての情報が含まれています。
手順
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最初に、データ・テーブルをカスタマイズ・マップに追加します。ウィンドウの右側の「カタログ」タブを選択して、「カタログ」ウィンドウに戻ります。

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データベース接続のリストから郡の表 (BLUDB.SAMPLES.GEO_COUNTY) をドラッグして、コンテンツのベース・マップのエントリー上にドロップします。「範囲の計算」ウィンドウが表示されます。このウィンドウで、「空間参照範囲の使用」をクリックします。これによって、「範囲の入力」を選択した場合よりもベース・マップは速く更新されます。

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目次に新規エントリーが追加され、そのチェック・ボックスが選択されていることに注意してください。
この新規エントリーは、「クエリー・レイヤー」と呼ばれ、SQL 照会に対応する ArcGIS の構造です。この新規クエリー・レイヤーは、表の内容を選択する SQL 照会を指定します。コンテンツでクエリー・レイヤーが選択されている場合、その内容がマップに反映されるので、現在のマップでは USA が郡に分割されて表示されています。

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残りの 2 つの表についてもこの手順を繰り返します。竜巻の表をコンテンツの郡のクエリー・レイヤーの上にドラッグ・アンド・ドロップします。ArcGIS では自動的に竜巻の表の新規クエリー・レイヤーが作成され、各竜巻は、進路を示す線としてマップに表されます。コンテンツで竜巻のクエリー・レイヤーは郡のクエリー・レイヤーの上にあるので、竜巻の進路は郡の上面に重ね合わせられます。順序を逆にした場合、郡のシェーディングが竜巻に関する情報を覆い隠してしまうため、コンテンツにリストするクエリー・レイヤーの順序は重要です。

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次に、顧客の表を竜巻のクエリー・レイヤーの上にドラッグ・アンド・ドロップします。顧客の場所が点として表示されます。

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ズームインして、マップをさらに詳細に表示できます。これを行うには、パン機能を表す手のアイコンを選択します。

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マップ上にポインターを移動させると、手の形状に変化していることがわかります。ズームインするには、Shift キーを押したまま左クリックしながらマウスをドラッグします。これにより、長方形のフレームを作成して、マップの領域を選択できます。左マウス・キーを離すと、選択した領域を表示するためにマップがズームインします。必要に応じてこの手順を繰り返すと、マップのより小さな領域をズームイン表示できます。

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左マウス・キーを離すと、選択した領域を表示するためにマップがズームインします。必要に応じてこの手順を繰り返して、マップの非常に小さな領域をズームイン表示できます。

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顧客データはロードに長い時間がかかることがあり、顧客データの多数の点は大きな領域を示すマップでは混乱するため、表示されるスケール範囲の下限を設定することをお勧めします。これにより、マップの現在のスケールをズームアウトしたときに、レイヤーが再描画されなくなります。これを行うには、顧客レイヤーを右クリックし、「表示する縮尺範囲」を選択してから、「現在の縮尺を最小に設定」を選択します。これにより、顧客のクエリー・レイヤーの最小スケールが現在のマップ・スケール (1:183,605) に設定されます。

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最小スケールの設定を確認するには、マップをズームアウトします。これを行うには、マウス・ホイールを前方にスクロールするか、またはスケールのフィールドにより大きいスケールを入力します。指定された最小スケールを超えてズームアウトすると、顧客の点は表示されなくなります。

チュートリアルのまとめ
マップを選択し、データベース・プラットフォームとして DB2 を選択することによって、ArcMap にデータベース接続を追加できます。ベース・マップを準備するには、適切なマップ・スケールを設定し、必要なマップの詳細のみを表示します。データベース接続のリストからデータベースの表をドラッグしてコンテンツにドロップし、ベース・マップにデータを追加します。このアクションにより、クエリー・レイヤーが作成されます。複数のクエリー・レイヤーを作成する場合は、意図しない不明瞭な情報になることを回避するために、それらの順序に注意します。