BIND 9 は BIND 8 と類似していますが、ドメイン・ネーム・システム (DNS) サーバーのパフォーマンスを向上するための機能 (ビューなど)をいくつか提供しています。
view ステートメントを使用することにより、1 つの DNS インスタンスが照会元 (インターネットやイントラネットなど) ごとに異なる内容で照会に応答できます。
実際のビュー機能の 1 つの適用例として、複数の DNS サーバーを実行しなくても DNS のセットアップを分割できる点が挙げられます。 例えば、1 つの DNS サーバー内で、内部ネットワークからの照会に応答するためのビューを 1 つ定義し、同時に、外部ネットワークからの照会に応答するためのビューをもう 1 つ別に定義することが可能です。
以下のクライアント・コマンドにより、DNS サーバーの管理機能が向上します。
Remote Name Daemon Control (RNDC) コマンドは、システム管理者がネーム・サーバーの動作を制御できるようにする強力なユーティリティーです。 このコマンドは rndc.conf という構成ファイルを読み取って、ネーム・サーバーとの接続方法を決定し、どのアルゴリズムとキーを使用すべきかを判断します。 rndc.conf ファイルが見つからない場合、デフォルトによってインストール時に作成された rndc-key._KID ファイルが使用されます。このファイルはループバック・インターフェースを介して自動的にアクセスを許可します。
BIND 9 は IPv6 の現在定義されているすべての形式で、名前からアドレスおよびアドレスから名前への検索をサポートします。 順方向検索の場合、BIND 9 は AAAA と A6 の両方のレコードをサポートしますが、A6 レコードは非推奨となっています。 IPv6 逆検索では ip6.arpa ドメインで使用されている従来の「ニブル」フォーマットをサポートし、古い、非推奨の ip6.int ドメインもサポートします。
ジャーナル・ファイルはゾーンの動的更新を保持するために使用します。 このファイルは、クライアントから最初に動的更新を受け取ると自動的に作成され、消去されることはありません。 これはバイナリー・ファイルであり、編集してはなりません。
ジャーナル・ファイルがあると、シャットダウンや異常終了後に再始動されたサーバーはジャーナル・ファイルを再生して、最後のゾーン・ダンプ以降に行われたすべての更新をそのゾーンに取り込みます。 ジャーナル・ファイルは、増分ゾーン転送 (IXFR) 方式で行われた更新の保管用にも使用されます。
IBM® i用 DNS は BIND 9 を使用するように再設計されています。ご使用のシステムで BIND 9 DNS を実行するには、そのシステムが一定のソフトウェア要件を満たしていることが必要です。