このトピックでは、分散データ管理機能 (DDM) の目的、DDM が提供する各種機能、および IBM® i DDM の概念について説明します。
DDM は、IBM i ライセンス・プログラムの一部です。ソースとしての IBM i DDM は、DDM 体系のレベル 2.0 以下をサポートします。 ターゲットとしての IBM i DDM は、レコード・ファイル (データをレコードに読み書きするディスク上のファイル) タイプの場合、レベル 2.0 以下をサポートし、ストリーム・ファイル (ドキュメント) およびディレクトリー (フォルダー) の場合は、DDM 体系のレベル 3.0 以下をサポートしています。
IBM i DDM がサポートされることによって、アプリケーション・プログラムやユーザーは、リモート・システムにあるデータ・ファイルにアクセスすることができ、リモート・システムもローカル IBM i オペレーティング・システムにあるデータ・ファイルにアクセスすることができます (図 1 を参照)。クライアント・システムとして DDM 体系をサポートするどのシステムも、接続先の他のどのシステムのデータにでも アクセスする (その許可を受けていれば) ことができます。接続先のシステムは、サーバー・システム (そのシステム上の 1 つ以上のファイルを使用したいという別のシステムからの要求を 受け取るシステム) として DDM をサポートすることが必要です。 ただしこの場合、 クライアント・システムとサーバー・システムは、互換性のある DDM 体系のサブセットとレベルを サポートしていなければなりません。
フォルダー管理サービス (FMS) サポートを利用することにより パーソナル・コンピューターのユーザーは、IBM i サーバー・システムにある フォルダーと文書にアクセスすることができます。 ストリーム・アクセス方法 がレベル 3.0 またはレベル 2.0 の DDM 体系 をサポートするリモート・システムは、ローカル・システムにあるフォルダー と文書にアクセスすることができます。
DDM は、IBM i・データベース管理サポートのファイルへの アクセス能力を拡張します。 本書では、データベース管理機能とは ローカル・ファイル処理を制御するシステム機能のことを指します。 すなわち、この機能はローカル・システムに保管されているファイル内のデータ へのアクセスを制御するとともに、そのデータの 同じシステムにある要求元プログラムへの転送を制御します。
分散データ管理は、リモート・ファイル処理を制御します。DDM を使用することにより、IBM i アプリケーション・プログラムは、DDM を サポートする別のシステムに保管されているデータ・ファイルへアクセスすることができます。同様に、DDM を持つ他のシステムは、ローカル・システムのデータベース内のファイルへ アクセスすることもできます。DDM は複数のシステム間でのファイル処理の分散を より簡単なものにします。

DDM を使用するシステム相互間の通信は、拡張プログラム間 通信機能 (APPC) サポート、拡張対等間通信ネットワーキング機能 (APPN) サポート、 または TCP/IP を使用して実行します。 APPC と APPN を使用するために必要な情報については、IBM i PDF および資料の通信管理 マニュアルと APPC、APPN、および HPR (高性能経路指定) のトピックを参照してください。
フォルダー管理サービス (FMS) は、IBM i オペレーティング・システム上にある文書やフォルダーへのローカル・アクセスを可能にします。システム上のフォルダー管理機能へのパーソナル・コンピューターからのアクセスは、DDM を使用して行います。
図 2 に示されているとおり、リモート・ファイルに関連した 要求をユーザー・アプリケーションが出すシステムをクライアント・システムと呼びます。また、ファイル要求を受信する システムをサーバー・システムと呼びます。別々の要求をシステムが同時に受信すると、 そのシステムは、クライアント・システムであるとともにサーバー・システムにもなり得ます。
DDM を使用することにより、アプリケーション・プログラムは、サーバー・システムにあるファイル内の データ・レコードを読み取り、追加、変更、および削除することができます。また、ファイルの作成、削除、名前の変更、 またはサーバー・システムから クライアント・システムへのコピーなどのファイル関連操作を行うこともできます。
DDM を使用すれば、アプリケーション・プログラムやプログラム・ユーザーは、必要なファイルがローカル・システムまたはリモート・システムのどちらにあるかに ついて知っておく必要はありません。DDM では、ローカル・ファイルがローカル・システムで処理されるのと 基本的には同じ方法でリモート・ファイルを処理するため、通常は、要求するファイルの所在場所の通知がアプリケーション・プログラムに 送られることはありません。(ただし、エラー条件の場合、リモート・システムにアクセスがあったことを 示すメッセージが必要に応じてユーザーに戻されます。) サーバー・システムのファイルの使用に関する 通知メッセージは、クライアント・システムのジョブ・ログ内に入ります。
DDM を使用する場合、ファイルがどこにあるかはアプリケーション・プログラマーがわかっていれば十分であり、 プログラマーは高水準言語 (HLL) プログラムの外部で制御言語 (CL) コマンドを 使用すれば、どのファイルを使用するかを管理できます。 なおプログラマーは、処理する通信障害に応じ、特定の回復機能を 選択して使用できます。この場合は、該当する障害の処理を組み込むように、 HLL プログラムを変更する必要が生じる場合もあります。
このため、ローカル・システム上でのデータベース・ファイル処理用に コンパイルされている BASIC、ILE COBOL、ILE RPG、ILE C、および IBM i などのプログラムの場合は、 リモート・システムへ移動された、またはリモート・システムにある同一ファイルを DDM で 処理する際に、変更したり再コンパイルしたりする必要はありません。
