システム終了 (ENDSYS)

実行可能場所: 対話環境 (*INTERACT *IPGM *IREXX *EXEC)
スレッド・セーフ: いいえ
パラメーター

エラー・メッセージ

システム終了 (ENDSYS)コマンドは,システムのほとんどの活動を終了し,システムを制御サブシステムでコンソールだけが活動状態であるような状態にしておきます。これは,操作員がシステムのバックアップ,新しいプログラムのロードなどの作業を行うことができるようにするために行われます。この状態は制限状態と呼ばれ,システムの保存や記憶域の再利用などの操作を行うために必要です。コンソールで制御サブシステム中に2つのジョブが活動状態である場合には,いずれのジョブも強制的には終了されません。ENDSYSコマンドは,(1つのジョブでサインオフすることによって,あるいは他のジョブからジョブを終了することによって)ジョブの1つを終了するまでは実行を完了することができません。

すべての活動サブシステムは,システム終了操作が実行中であることを通知されます。これらのサブシステムで新しいジョブまたはルーティング・ステップを受け入れることはできません。このコマンドは,活動状態のすべての作業に対して何が起こるかも指定します。

ジョブ転送 (TFRJOB)コマンドによってジョブ待ち行列に転送されている対話式ジョブは,サブシステム終了の一部として終了されます。バッチか対話式のいずれかのジョブがジョブ待ち行列上にある間に(TFRJOBコマンドのために)初期プログラム・ロード(IPL)が行われた場合には,ジョブはIPL時にジョブ待ち行列から除去され,そのジョブ・ログが作成されます。

制約事項:このコマンドは,制御サブシステム中の対話式ジョブにだけ入れることができます。このコマンドを使用するためには,ジョブ制御(*JOBCTL)権限がユーザーに必要です。このコマンドをパススルー・ジョブまたはワークステーション機能ジョブの中で使用することはできません。


パラメーター

キーワード 記述 選択項目 ノーツ
OPTION 終了方法 *CNTRLD, *IMMED オプショナル, 定位置 1
DELAY 制御された終了遅延時間 0-99999, *NOLIMIT オプショナル
ENDSBSOPT サブシステム終了オプション 単一値: *DFT
その他の値 (最大 3 回の繰り返し): *NOJOBLOG, *CHGPTY, *CHGTSL
オプショナル
CONFIRM 確認 *ENVVAR, *YES, *NO オプショナル

終了方法 (OPTION)

すべての活動ジョブが制御方式で終了するか(アプリケーション・プログラムは処理終結を実行することができます),あるいは即時に終了するかを指定します。いずれの場合にも,システムはある種のジョブ終結機能を実行します。

*CNTRLD
ジョブは制御された方式で終了します。これにより,実行中のプログラムはクリーンアップ(ジョブ終了処理)を行うことができます。終了中のジョブに非同期信号SIGTERM用の信号処理プロシージャーがある場合は,そのジョブに対してSIGTERM信号が生成されます。アプリケーションには,ジョブが終了する前にクリーンアップするための,DELAYパラメーターに指定されただけの時間の長さがあります。
*IMMED
ジョブは即時に終了します。終了中のジョブに非同期信号SIGTERM用の信号処理プロシージャーがある場合は,そのジョブに対してSIGTERM信号が生成され,QENDJOBLMTシステム値が時間制限を指定します。SIGTERM信号を処理する以外に,実行中のプログラムはいかなるクリーンアップも実行できません。

注: *IMMED値は,データが部分的に更新されている場合に好ましくない結果をもたらす可能性があります。この値は,制御された終了が正常に試みられなかった後に限り使用してください。

制御された終了遅延時間 (DELAY)

制御された終了操作の実行が可能な時間の量(秒数)を指定します。この時間が経過しても,終了操作が完了しない場合には,長時間実行命令を実行するジョブを除いて,まだ処理中のジョブはすべて即時に終了します。

*NOLIMIT
制御方式による終了を完了する時間に制限を設けません。
0から99999
終了操作が完了可能である秒数を指定してください。

サブシステム終了オプション (ENDSBSOPT)

活動サブシステムの終了時に取られるオプションを指定します。一般に,これらのオプションを指定すると,ENDSYSコマンドのパフォーマンスが改善されます。各オプションには特定の副次作用があるので,それらのオプションの使用の前にそれを分析する必要があります。

このパラメーターは,既に終了状況にあるジョブには影響しません。

*DFT
サブシステムは特殊な終了オプションなしで終了されます。
  • ジョブ・ログが生成されます。
  • 実行優先順位は変わりません。
  • タイム・スライス値は変わりません。
*NOJOBLOG
このコマンドの呼び出しによって,終了されるジョブのジョブ・ログは作成されません。これには,サブシステム・モニター・ジョブおよびサブシステムのすべてのユーザー・ジョブが含まれます。このオプションでは,ENDSYSコマンドの完了までに要する時間を大幅に短縮することができますが,ジョブ中で問題が起こった場合には,その問題を記録するジョブ・ログがないので,問題の診断が困難になるかまたは不可能になる可能性があります。
*CHGPTY
終了しているジョブのCPU優先順位が高い値(より劣る優先順位)に変わります。*CHGPTYを指定すると,システム上の残りの活動ジョブのパフォーマンスは改善されることがありますが,終了中のジョブはその完了に長くかかる場合があります。サブシステムが制御付きで終了される場合には,このオプションは無視されます。しかし,DELAY時間制限が満了すると,このオプションは即時に有効となります。
*CHGTSL
終了しているジョブのタイム・スライスは下限値に変わります。*CHGTSLを指定すると,システム上の残りの活動ジョブのパフォーマンスは改善されることがありますが,終了中のジョブはその完了に長くかかる場合があります。サブシステムが制御付きで終了される場合には,このオプションは無視されます。しかし,DELAY時間制限が満了すると,このオプションは即時に有効となります。

確認 (CONFIRM)

システムを終了する前に,その要求を確認する必要があるかどうかを指定します。

*ENVVAR
環境変数QIBM_ENDSYS_CONFIRMの値は,その要求を確認する必要があるかどうかの判別に使用されます。この値が*YESまたは*NOに設定された場合には,その値について下記で説明される処置が取られます。環境変数が定義されないか,あるいはこれらの値の1つに設定されない場合には,確認は行われません。
*YES
ENDSYSコマンドが出されると,確認パネルが表示されます。
*NO
ENDSYSコマンドが出されると,確認は行われません。

1:システム活動の終了

ENDSYS

このコマンドは,システム内のすべての活動ジョブにその固有の処理の終了の実行が許可された後に,システム活動を終了します。終了に要する時間の長さは制限されません。

2:ジョブが終了した後のシステム活動の終了

ENDSYS   OPTION(*IMMED)

このコマンドは,すべての活動ジョブが即時に終了された後に,システム活動を終了します。


エラー・メッセージ

*ESCAPE メッセージ

CPF1001
システム応答の待機時間が満了した。
CPF1017
コンソールの電源がオフになったか,あるいはオフに構成変更された時に,ENDSYSを使用することはできない。
CPF1032
*CNTRLDオプションでシステムが終了中である。
CPF1033
*IMMEDオプションでシステムが終了中である。
CPF1034
*CNTRLDオプションですべてのサブシステムが終了中である。
CPF1035
*IMMEDオプションでサブシステムが終了中である。
CPF1036
*CNTRLDオプションでシステムの電源が切られた。
CPF1037
*IMMEDオプションでシステムの電源が切られた。
CPF1038
コマンドを使用する権限がない。
CPF1051
コマンドは制御サブシステムでしか実行することができない。
CPF1082
制御サブシステムが既に単一ジョブに終了中である。
CPF1091
システム・アービターで機能チェックが起こった。
CPF18C3
出口点プログラム&1は制限状態に入ることができません。