シミュレーションを作成して実行するためのワークフロー

Business Console には、シミュレーションをアセンブルして実行するためのプロセスが示されます。

シミュレーションを実行するには、メトリック、キー・パフォーマンス・インディケーター (KPI)、およびシナリオ・ファイルが含まれているエレメントをアセンブルする必要があります。 シミュレーション・インターフェースは、ワークフローを実行するように編成されています。

図は、シミュレーションを行うためのワークフローを示しています。

メトリック

メトリックは、KPI で使用する値を定義します。 KPI を作成するには、メトリックを作成しておく必要があります。

メトリックは、ビジネス・モデル・ランゲージを使用して定義します。 例えば、メトリック式 the amount of 'the loan'を作成することにより、 Loan amount という名前のメトリックを定義できます。

シミュレーターには、以下のタイプのメトリックがあります。

  • 数値: 数値を使用します (例えば、 the age of 'the borrower' または the amount of 'the loan')。
  • DateTime: : 日付と時刻の値を使用します。例えば、 the birth date of 'the borrower'the start date of 'the loan' などです。
  • ブール値: 値が true か false か、または特定のグループに一致するかどうかを検査します (例: the corporate score of 'the loan' is at least 10)。
  • ストリング: テキスト値があるかどうかを検査します (例: the zip code of the address of 'the borrower')。
  • ドメイン: メトリック式で事前定義値を使用します。例えば、式 the category of the customer の場合、ドメイン・メトリックにより、category の値が PlatinumGold、および Silver に制限されることがあります。 この場合、シミュレーションでは、事前定義値に一致する入力データのみが使用されます。

条件はメトリック式内に定義する必要があります。 条件付き KPI は作成できません。 条件を追加するには、メトリック式で when を使用します (例: the amount of 'the loan' when 'the loan' is approved)。

条件に一致しなかった場合のためのデフォルト値を指定することができます。 例えば、メトリック Age of Borrower のデフォルト値を設定できます。0 一連のデータがメトリックの条件ステートメントに一致しなかった場合に、その結果として、シミュレーション・レポートで、このメトリックを使用する KPI に 0 と表示することができます。

デフォルト値を指定しない場合、またはブール値タイプのメトリックに「未定義」を選択した場合、メトリックの条件は定義されません。 KPI により値を決定する場合は、デフォルト値を指定しないでください。 ただし、デフォルト値を未定義のままにすることが 0 に相当するわけではありません。

シミュレーションのエレメントを作成するときは、意思決定操作を選択する必要があります。 「操作の選択」ウィンドウに、意思決定サービスで使用できる操作のリストが表示されます。 各エントリーに、操作の説明が含まれています。 操作には、シミュレーションで使用できるルールが含まれています。 1 つのシミュレーションに選択できる操作は 1 つのみです。

重要: メトリックまたは KPI を作成する場合、 ageなどの 1 ワードの言語化を使用することはできません。 例えば age of the borrower のような句を使用する必要があります。 短い、暗黙的な言語化はエラーを生成します。

KPI

KPI には、実行したシミュレーションの結果が示されます。 KPI を定義するには、メトリックと KPI 値をペアにします。 例えば、一度のローン・アプリケーションで扱われる複数のローンの総額を示す KPI を作成する場合であれば、sum of 'Loan amount' といった KPI 式を使用します。 シミュレーションが実行されると、複数のローンの金額が合計され、その総額がシミュレーション・レポートに表示されます。

以下の 2 つのタイプの KPI を作成できます。
  • スカラー: 値のグループから得られた単一値が表示されます。 例えば、ローン検証アプリケーションでは、すべてのローン金額の合計として単一の KPI 値を使用する場合があります。
  • グループ: 値のセットが表示されます。 例えば、シミュレーションによって、一連の顧客カテゴリーのために複数の平均ローン金額をグループ化する場合があります。 この場合、レポートでは円グラフなどのグラフで値のセットを表示できます。
1 つの KPI に使用できるメトリックは、1 つまたは 2 つです。 2 つのメトリックを使用する場合、2 番目のメトリックは値の分布を定義します。

提供されている各種の KPI で、一般的な値はカバーされています。 さらに KPI 値を追加する場合は、システム管理者に連絡してください。

データ

シミュレーションでは、入力データとして提供されるビジネス情報を使用します。 シミュレーションを実行するには、Excel のシナリオ・ファイルを使用する必要があります。

実際のデータも架空のデータも使用できます。 この Excel フォーマットでは、データが分かりやすく表示され、また、フォーマットを簡単に変更することができます。

Excel データ・ファイルを Business Console から生成およびダウンロードし、そのファイルにローカルでデータを追加してからアップロードして Business Console に戻すことができます。

シナリオ

シナリオは、ビジネスのユース・ケースを表します。 これらには、実際のデータも架空のデータも使用できます。 シナリオは、ルールの作用を検証するために使用します。 シナリオのグループをシミュレーションで使用する場合は、ルールを実行するために必要なすべてのデータが各シナリオに含まれていなければなりません。

Excel ファイル内に、表としてシナリオをインポートします。

イメージは、Excel ファイル内のシナリオを示しています。

表の各行が完全なシナリオを示しています。 通常、シナリオの数が多いほど、より正確な結果になります。

シナリオ・データ・ファイルを使用するには、それを Business Console にインポートする必要があります。

重要:

アプリケーションをテストするために作成されたシナリオ・データ・ファイルを使用できます ( Business Console でのルール・セットのテストを参照)。 ただし、シミュレーション専用に作成されたデータ・ファイルを使用してビジネス・アプリケーションをテストすることはできません。 テスト用のデータ・ファイルには、予期される結果が含まれています。 シミュレーションでは、予期される結果は使用されず、テスト用のデータ・ファイル内の予期される結果は無視されます。

レポートのフォーマット

シミュレーションを実行すると、その結果がレポートに表示されます。 さまざまなレポートを定義して、1 回のシミュレーションで各種レポートが生成されるようにできます。

セクションと KPI を追加して、テンプレートでレポートをレイアウトします。 エレメントは、必要な数だけ追加できます。

レポートは KPI を以下のようにフォーマット設定できます。
  • テキスト: KPI によりデータのセットから単一の値が作成されると、その値はテキストとして表示されます。 シミュレーション・レポートでのテキストの表示方式は構成可能です。 書式設定オプションには、フォント、フォント・サイズ、および色があります。
  • グラフ: 比較可能な値のセットが KPI により作成されたら、それらの間の差異が強調して表示されるように、それらの値をグラフで表示することができます。 シミュレーション機能には、棒グラフ、折れ線グラフ、面グラフ、および円グラフの、4 つのタイプのグラフが用意されています。 タイトル、色、および軸ラベルを含む、グラフのフォーマットを設定することができます。

レポートをフォーマットするとき、KPI の値に適合した記述子を選択できます。例えば、以下のようなものです。

円グラフをフォーマット設定するためのメニューを示すイメージ。

シミュレーション

入力データ、アプリケーション・サーバー、およびレポートのフォーマットを 1 つにまとめるようにシミュレーションを構成します。 シミュレーションを実行すると、関連する意思決定サービスのルールを使用して、結果がレポートに記載されます。

シミュレーション中にレポートの生成を中断することができます。 中断してもレポートは作成されますが、そこに含まれる結果は一部のみになります。

レポート

シミュレーションを実行すると、結果の評価に使用するレポートが生成されます。

Business Console で 2 つのレポートを並べて比較することができます。 また、レポートからシミュレーションのさまざまな部分にアクセスすることもできます。 例えば、ルールの部分に直接移動して、データ・ソースを変更し、さらにレポートのフォーマットを変更する、といったことが可能です。 シミュレーションの要素をレポートから変更し、シミュレーションを「シミュレーション」タブから再度実行すると、新しいレポートが生成されます。

注: 検証アクティビティーでは、シミュレーション・レポートは シミュレーション タブにリストされます。