Db2 データベース環境におけるフィックスパックの適用

問題なく稼働させるためには、最新のフィックスパック・レベルで実行するように Db2 データベース環境を保守します。 フィックスパックを正常にインストールするには、インストール前およびインストール後に必要なタスクをすべて実行します。

Db2 pureScale® 環境の場合は、 Db2 pureScale 環境でのフィックスパックの適用を参照してください。

このタスクについて

Db2 フィックスパックには、 IBMでのテスト中に検出された問題に対する更新とフィックス (プログラム診断依頼書 (APAR))、およびお客様から報告された問題に対するフィックスが含まれています。 各フィックスパックに含まれているフィックスの完全なリストについては、 Fix List for Db2 Version 11.5 for Linux, UNIX and Windowsを参照してください。

フィックスパックは累積的です。つまり、あるバージョンの Db2 データベースの最新のフィックスパックには、 同じバージョンの Db2 データベース用のそれまでのフィックスパックに含まれているアップデートがすべて入っているということです。

次のタイプのフィックスパック・イメージが用意されています。
単一サーバー・イメージ。

単一サーバー・イメージには、 Db2 データベース・サーバー製品、 IBM® Data Server ClientIBM Data Server Runtime Client、および Db2 Connect Serverに必要な新しいコードと更新されたコードが含まれています。 Db2 サーバー・フィックスパックは、以下の Db2 サーバー・エディションのいずれかにサービスを提供できます。 Db2 Enterprise Server EditionDb2 Workgroup Server EditionDb2 Express® Server EditionDb2 Connect Enterprise EditionDb2 Connect Application Server EditionDb2 Connect Unlimited Edition for zSeries、および Db2 Connect Unlimited Edition for i5/OS)。 Data Server Client フィックスパックは、1 つの Db2 データベース・サーバー・フィックスパックに含まれています。 データベース・サーバーのフィックスパックを使用して、 Data Server Clientを更新できます。

また、単一サーバー・イメージは、すべての Db2 データベース・サーバー製品の特定のフィックスパック・レベルでのデフォルトの Db2 試用版ライセンスでのインストールに使用することもできます。

単一サーバーのフィックスパック・イメージには、すべての Db2 サーバー製品の Db2 試用版ライセンスが入っています。 新しいサーバー製品を選択してインストールするか、以前にインストールしたサーバー製品を選択してアップデートすると、特定の製品の試用版ライセンスがインストールされます。 試用版ライセンスは、同じ Db2 インストール・パスに既にインストールされている有効なライセンスには何の影響も及ぼしません。

その他の Db2 データベース製品ごとのフィックスパック。

このフィックスパックは、インストール済みの非サーバー・データベース製品にのみ使用してください。 例えば、 IBM Data Server Runtime Clientです。

インストールされている Db2 データベース製品が Db2 データベース・サーバー製品または Data Server Clientのみである場合は、このタイプのフィックスパックを使用しないでください。 代わりに、単一サーバー・イメージのフィックスパックを使用します。

Windows プラットフォームの場合、単一の Db2 コピーに複数の Db2 データベース製品 ( Data Server Client でも Db2 データベース・サーバーでもない製品が少なくとも 1 つ含まれています) がインストールされている場合は、対応する製品固有のフィックスパックをすべてダウンロードして解凍する必要があります。

Universal フィックスパック

Universal フィックスパックは、複数の Db2 データベース製品と Db2 アドオン製品が同じパスにインストールされているインストール済み環境にサービスを提供します。

インストールされた Db2 データベース製品が Db2 データベース・サーバー製品または Data Server Clientのみである場合、Universal フィックスパックは必要ありません。 このような場合は、単一サーバー・イメージのフィックスパックを使用します。

Linux® または UNIX オペレーティング・システムでは、各国語がインストールされている場合、別個の各国語フィックスパックも必要です。 各国語フィックスパックのみをインストールすることはできません。 Universal フィックスパックまたは製品固有のフィックスパックも一緒に適用されていなければならず、なおかつそれらの両方のフィックスパック・レベルが同じでなければなりません。 例えば、 Linux または UNIX上の英語以外の Db2 データベース製品に Universal フィックスパックを適用する場合は、Universal フィックスパックと各国語フィックスパックの両方を適用して、 Db2 データベース製品を更新する必要があります。

例外: サーバー・フィックスパック 1 以降のリリース、および Universal フィックスパック 4 以降のリリースでは、別個の各国語フィックスパックは必要ありません。

IBM Db2 pureScale 環境では、フィックスパック・イメージをオフラインまたはオンラインで適用できます。 Db2 pureScale 環境以外の Db2 環境では、フィックスパック・イメージはオフラインでのみ適用できます。


の制約事項

  • Db2 バージョン 11.5 フィックスパックは、 バージョン 11.5 一般出荷版 (GA) または バージョン 11.5 フィックスパック・コピーにのみ適用できます。
  • フィックスパックをインストールする前に、更新対象の Db2 コピーに関連するすべての Db2 インスタンス、DAS、およびアプリケーションを停止する必要があります。 ただし、 Db2 pureScale 環境では、オンライン・フィックスパック更新のために Db2 pureScale インスタンス を引き続き実行できます。
  • パーティション・データベース環境では、フィックスパックをインストールする前に、すべてのデータベース・パーティション・サーバー上のデータベース・マネージャーを停止する必要があります。 フィックスパックは、インスタンス所有データベース・パーティション・サーバー、および他のすべてのデータベース・パーティション・サーバーにインストールする必要があります。 インスタンスに参加しているすべてのコンピューターを同じフィックスパック・レベルに更新する必要があります。
  • Linux または UNIX オペレーティング・システムの場合:
    • Db2 データベース製品がネットワーク・ファイル・システム (NFS) 上にある場合は、フィックスパックをインストールする前に、すべてのインスタンス、Db2 Administration Server (DAS)、プロセス間通信 (IPC)、および、NFS にマウントされた同じインストール済み環境を使用する他のマシン上のアプリケーションが完全に停止していることを確認する必要があります。
    • システム・コマンド fuser または lsof が使用できない場合、installFixPack コマンドはロード済みの Db2 データベース・ファイルを検出できません。 Db2 ファイルがロードされていないことを確認し、フィックスパックをインストールするためのオーバーライド・オプションを指定する必要があります。 UNIX では、ロードされたファイルを検査するために fuser コマンドが必要です。 Linuxでは、 fuser コマンドまたは lsof コマンドのいずれかが必要です。

      オーバーライド・オプションの詳細については、installFixPack コマンドを参照してください。

  • クライアント・アプリケーションに対して、フィックスパックの適用後にアプリケーションの自動バインドを実行するために、ユーザーはバインド権限を持っている必要があります。
  • Db2 フィックスパックは IBM Data Studioを更新しません。

プロシージャー

フィックスパックをインストールするには、次のようにします。

  1. フィックスパックの前提条件を調べます。
  2. フィックスパックのインストールの準備」のタスクを実行します。
  3. フィックスパックのインストール方法を選択し、フィックスパックをインストールします。
  4. フィックスパックのインストール後のタスクを実行します。
  5. 適切な Db2 データベース製品ライセンスを適用します。

    ライセンス交付を既に受けた Db2 データベース・サーバー製品のコピーがマシンに存在しない場合は、単一サーバー・フィックスパック・イメージを使用して、任意の Db2 データベース・サーバー製品をインストールできます。 この場合、インストールした Db2 データベース製品は、試用版ライセンスとして扱われ、試用版ライセンスをアップグレードしない限り、90 日の試用期間後に稼働を停止します。

次の作業

インストール後に実行するステップ、エラー・メッセージ、および推奨処置がないかをログ・ファイルで確認してください。

Linux または UNIXへの非 root インストールの場合、 db2rfe コマンドを使用して、root ベースの機能 (高可用性やオペレーティング・システム・ベースの認証など) を有効にすることができます。 ルート・ベースのフィーチャーが Db2 データベース製品のインストール後に使用可能になっていた場合、それらのフィーチャーを再び使用可能にするために、フィックスパックを適用するたびに db2rfe コマンドを再実行する必要があります。 詳しくは、以下の非 root 関連のリンクを参照してください。

Db2 pureScale 環境以外の環境では、同じシステム上に複数の Db2 コピーがある場合、それらのコピーのバージョンとフィックスパック・レベルが異なる可能性があります。 1 つ以上の Db2 コピーにフィックスパックを適用したい場合、それぞれの Db2 コピーにフィックスパックを 1 つずつインストールする必要があります。