DB2 10.5 for Linux, UNIX, and Windows

db2cli.ini 初期設定ファイル

db2cli.ini ファイルには、 CLI/ODBC ドライバーと CLI/ODBC アプリケーションの動作を構成するために使用できる、 さまざまなキーワードと値が含まれています。 それらのキーワードは、 CLI および ODBC アプリケーションによって、 特定のデータベース接続またはすべてのデータベース接続に関連付けることができます。

作業の開始に役立つように、 db2cli.ini.sample サンプル構成ファイルが IBM® データ・サーバー製品に含まれています。

db2cli.ini.sample ファイルに基づいて db2cli.ini ファイルを作成し、 その db2cli.ini ファイルを db2cli.ini.sample ファイルと同じ場所に置くことができます。 サンプル構成ファイルの場所は、使用する IBM データ・サーバー製品とオペレーティング・システムによって異なります。

Windows オペレーティング・システムには、ユーザー・レベル db2cli.ini 初期設定ファイルも存在する場合があります。 ユーザー・レベル db2cli.ini 初期化ファイルは、Windows オペレーティング・システムのバージョンに応じて ¥Documents and Settings¥UserName ディレクトリーまたは ¥Users¥UserName ディレクトリー (ここで、UserName はログインしているユーザーの名前を表す) に保管されます。 ログインしているユーザーのユーザー・レベル db2cli.ini 初期化ファイルがある場合は、ユーザー・レベル db2cli.ini 初期化ファイルの値が、その他すべての db2cli.ini 初期化ファイルの値よりも優先されます。 つまり、ユーザー・レベルの db2cli.ini 初期化ファイルに他の db2cli.ini 初期化ファイルと同じ CLI 構成パラメーターが存在している場合、有効になるのはユーザー・レベル db2cli.ini 初期化ファイル内の値です。

IBM Data Server ClientIBM Data Server Runtime Client、または IBM Data Server Driver Package の場合、サンプル構成ファイルは次のいずれかのパスに作成されます。
  • AIX®、HP-UX、Linux、または Solaris の各オペレーティング・システムの場合: installation_path/cfg ディレクトリー
  • Windows オペレーティング・システムの場合: C:¥ProgramData¥IBM¥DB2¥driver_copy_name¥cfg ディレクトリー
installation_path 値は、IBM データ・サーバー製品をインストールしたディレクトリーを表します。 例えば、 IBM Data Server Driver Package 製品を Windows 7 オペレーティング・システムにインストールして、 データ・サーバー・ドライバーのコピー名が IBMDBCL1 の場合、 db2cli.ini.sample ファイルは C:¥ProgramData¥IBM¥DB2¥IBMDBCL1¥cfg ディレクトリーに作成されます。
IBM Data Server Driver for ODBC and CLI 製品のインストールでは、 サンプル構成ファイルは次のいずれかのパスに作成されます。
  • AIX、HP-UX、Linux、または Solaris の各オペレーティング・システムの場合: installation_path/cfg ディレクトリー
  • Windows オペレーティング・システムの場合: db2cli install -setup コマンドを管理者権限で実行するとき、 C:¥ProgramData¥IBM¥DB2¥installation_path¥cfg ディレクトリー
installation_path 値は、 IBM Data Server Driver for ODBC and CLI 製品を解凍したディレクトリーを表します。 例えば、IBM Data Server Driver for ODBC and CLI 製品を Windows 7 オペレーティング・システムの C:¥IBMDB2¥CLIDRIVER¥ ディレクトリーにインストールする場合、 db2cli.ini.sample ファイルは C:¥ProgramData¥IBM¥DB2¥C_IBMDB2_CLIDRIVER¥cfg ディレクトリーに作成されます。

DB2CLIINIPATH 環境変数を使用して、db2cli.ini ファイルの別の場所を指定することができます。

CLI/ODBC 構成キーワードを使用して、以下のタスクを実行できます。
  • データ・ソース名、ユーザー名、パスワードなどの一般的な設定を構成する。
  • パフォーマンスに影響を及ぼす可能性のあるオプションを設定する。
  • ワイルドカード文字などの照会パラメーターを設定する。
  • さまざまな ODBC アプリケーション用にパッチや回避策を指定する。
  • コード・ページや IBM GRAPHIC データ・タイプなど、接続に関連した設定値を指定する。
  • アプリケーションによって指定されるデフォルト接続オプションをオーバーライドする。 例えば、アプリケーションが SQL_ATTR_ANSI_APP 接続属性を設定することによって CLI ドライバーに対して Unicode サポートを要求している場合でも、db2cli.ini ファイルの中で DisableUnicode キーワードが 1 に設定されていると、CLI ドライバーはアプリケーションに Unicode サポートを提供しません。
    重要: db2cli.ini ファイルの中で設定した CLI/ODBC 構成キーワードの値が SQLDriverConnect() 接続ストリングに含まれるキーワードの値と矛盾する場合、 SQLDriverConnect() キーワードの値が優先されます。

ほとんどの CLI/ODBC キーワードは、db2cli.ini 初期設定ファイルで設定できます。 ただし、いくつかのキーワードは、 SQLDriverConnect() 関数呼び出しの接続ストリングで設定する必要があります。

CLI/ODBC キーワードの有効範囲は、 このキーワードを db2cli.ini 初期設定ファイル内のどこに配置するかによって決まります。 CLI キーワードを db2cli.ini 初期設定ファイル内の特定のデータベース・セクション (データ・ソース・セクション) に指定した場合、 そのキーワードは、CLI/ODBC アプリケーションがその特定のデータベースに接続しているときにのみ適用可能となります。 CLI キーワードを db2cli.ini 初期設定ファイル内の [COMMON] セクションにリストした場合、 そのキーワードは、データベースに対するすべての CLI アプリケーション接続に影響を与えます。

以下の CLI キーワードは、 [COMMON] セクションにしか指定できません。
  • CheckForFork
  • DiagPath
  • DisableMultiThread
  • JDBCTrace
  • JDBCTraceFlush
  • JDBCTracePathName
  • QueryTimeoutInterval
  • ReadCommonSectionOnNullConnect
  • Trace
  • TraceComm
  • TraceErrImmediate
  • TraceFileName
  • TraceFlush
  • TraceFlushOnError
  • TraceLocks
  • TracePathName
  • TracePIDList
  • TracePIDTID
  • TraceRefreshInterval
  • TraceStmtOnly
  • TraceTime
  • TraceTimeStamp

db2cli.ini ファイルの [COMMON] セクションは、 見出し [COMMON] で始まります。

特定のクライアント用に共通キーワードを設定する前に、 そのクライアントからのすべての CLI/ODBC 接続に対するそのキーワードの影響を評価することは重要です。 例えば、TRACE キーワードは、 そのクライアントの DB2® データベース・サーバーに接続するすべての CLI/ODBC アプリケーションについての情報を生成します。

データベースに固有のセクションは、次のように大括弧で囲まれたデータ・ソース名 (DSN) で始まります。
[data_source_name]
大括弧で囲まれた名前は、セクション・ヘッダー と呼ばれます。
次のフォーマットを使用して、キーワードに値を設定します。
KeywordName=keywordValue
以下のような、他の規則が適用されます。
  • 特定のデータベースのすべてのキーワードとその関連値は、そのデータベースのセクション・ヘッダーの下に配置する必要があります。
  • データベース固有のセクションに DBAlias キーワードが含まれていない場合は、接続が確立される際にはデータ・ソース名がデータベース別名として使用されます。
  • キーワードには大/小文字の区別がありません。ただし、それらの値には、その区別がある場合もあります。
  • db2cli.ini ファイルにデータベースがない場合、キーワードのデフォルト値が適用されます。
  • 新しい行の先頭位置にセミコロンを入れると、注釈になります。
  • ブランク行は許可されます。
  • 1 つのキーワードに重複項目があると、最初の項目が使用され、警告は出されません。
2 つのデータベース別名セクションがある db2cli.ini サンプル・ファイルを次に示します。
; This is a comment line.
[MYDB22]
AutoCommit=0
TableType="'TABLE','SYSTEM TABLE'"

; This is another comment line.
[MYDB2MVS]
CurrentSQLID=SAAID
TableType="'TABLE'"
SchemaList="'USER1',CURRENT SQLID,'USER2'"

db2cli.ini ファイルはすべてのオペレーティング・システムで手動で編集できますが、 UPDATE CLI CONFIGURATION コマンドを使用することもできます (使用可能な場合)。 手作業で db2cli.ini ファイルを編集する場合、最後の項目の後にブランク行を追加してください。