IBM Integration Bus エージェントの構成

IBM® Integration Bus エージェントで IBM Integration Bus 環境のモニターを開始するには、事前にこのエージェントにインスタンス名を割り当て、エージェントを構成する必要があります。

始める前に

  • エージェントの開始および停止に使用するユーザー ID が mqm および mqbrkrs ユーザー・グループに属していることを確認します。
  • Windows
IBM MQ (WebSphere® MQ) が Windows システムにインストールされている場合、IBM MQ (WebSphere MQ) ライブラリー・パスを PATH 環境変数に追加します。それにより、IBM Integration Bus エージェントが開始するために必要な IBM MQ (WebSphere MQ) ライブラリーをロードできます。
    1. IBM MQ (WebSphere MQ) ライブラリー・パスを PATH 環境変数の先頭に追加します。

      例えば、IBM MQ (WebSphere MQ) のインストール・パスが C:¥IBM¥WMQ75 の場合は、C:¥IBM¥WMQ75¥bin を Windows システムの PATH 環境変数の先頭に追加します。

    2. Windows システムを再始動して、変更を有効にします。
  • エージェント構成時に、ご使用の環境に従って、以下の情報を指定する必要が生じることがあります。指定する適切な構成値が分からない場合は、IBM MQ (WebSphere MQ) および IBM Integration Bus の管理者から情報を収集します。
    • IBM MQ (WebSphere MQ) が IBM Integration Bus エージェントと同じシステムにインストールされている場合は、IBM MQ (WebSphere MQ) の 64 ビット・ライブラリー・パスを指定する必要があります。
    • IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 の統合ノードをモニターするように IBM Integration Bus エージェントを構成する場合は、IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 のインストール・ディレクトリーを指定する必要があります。
    • IBM Integration Bus エージェントが同じシステム上のすべてのものではなく特定の統合ノード (ブローカー) をモニターするようにする場合は、各統合ノード (ブローカー) の名前とインストール・パスを指定する必要があります。

このタスクについて

IBM Integration Bus エージェントは複数インスタンス・エージェントです。最初のインスタンスを作成し、エージェントを手動で開始する必要があります。

UNIX または Linux システムでは、対話式または非対話式でエージェントを構成することを選択できます。Windows システムでは、非対話式でのみ、エージェントを構成できます。

  • 対話式でエージェントを構成するには、構成スクリプトを実行してプロンプトに応答します。対話式の構成を参照してください。
  • 対話操作なしでエージェントを構成するには、サイレント応答ファイルを編集してから構成スクリプトを実行します。サイレント構成を参照してください。
重要: Cloud APM で提供される IBM Integration Bus エージェントと同じシステムに、ITCAM for Applications 製品の 1 つとして提供される ITCAM Agent for WebSphere Message Broker をインストールした場合には、これらをシステム上の同じ統合ノード (ブローカー) をモニターするために使用しないでください。

対話式の構成

手順

スクリプトを実行し、プロンプトに応答を入力してエージェントを構成する場合は、以下の手順を実行します。

  1. 以下のコマンドを入力します。
    install_dir/bin/iib-agent.sh config instance_name
    ここで、instance_name は、エージェント・インスタンスに指定する名前です。
    重要: 対話式の構成は、Windows システムではサポートされていません。
  2. IBM Integration Bus エージェントを構成することを確認した後に、一般エージェント設定の構成値を指定します。
    1. 「Agent Id」パラメーターの入力を求めるプロンプトが出されたら、最大 8 文字の長さの固有の英数字ストリングを指定します。
      要確認: エージェント ID の最大長は IBM Integration Bus エージェントのバージョン 7.3.0.1 からは 8 文字です。それ以前のバージョンでは、エージェント ID の最大長は 4 文字です。エージェントのバージョンを確認する方法については、エージェント・バージョンを参照してください。

      管理対象システム名には、指定したエージェント ID が組み込まれます。例えば、monitoredbrokername:agentID:KQIB のようになります。ここで、monitoredbrokername は、モニター対象統合ノード (ブローカー) の名前です。

    2. IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 の統合ノードをモニターする場合に、IIB version 10 or ACE version 11 Install Directory パラメーターの入力を求めるプロンプトが出されたら、IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 のインストール・ディレクトリーを指定します (例: /opt/ibm/mqsi/ace-11.0.0.3)。IBM Integration Bus V10 および IBM App Connect Enterprise V11 をモニターしない場合は、Enter を押してデフォルトを受け入れます。
      要確認: IIB version 10 or ACE version 11 Install Directory パラメーターに指定できるインストール・ディレクトリーは 1 つだけです。IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 を異なる複数のディレクトリーにインストール済みで、それらをすべてモニターしたい場合は、複数のエージェント・インスタンスを作成し、各エージェント・インスタンスに対して IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 のインストール・ディレクトリーを 1 つ指定します。
  3. オプション: Monitored Broker Settings セクションを使用して、このエージェントを使用して特定のいくつかの統合ノード (ブローカー) のみをモニターするかどうかを指定します。

    デフォルトでは、IBM Integration Bus エージェントと同じホスト・システム上で実行されているすべての統合ノード (ブローカー) がモニターされます (セルフ・ディスカバリーで判別)。エージェントでいくつかの特定の統合ノード (ブローカー) をモニターする場合は、モニターする統合ノード (ブローカー) の名前を指定し、Monitored Broker Settings セクションで Collect Node Data 設定を No (デフォルト値) に設定します。Monitored Broker Settings セクションは複数存在することが可能です。各セクションは 1 つの統合ノード (ブローカー) のモニター設定を制御します。

    ヒント: 複数の Monitored Broker Settings セクションを指定できます。Monitored Broker Settings セクションを編集する場合、以下のオプションを指定できます。
    • Add: 他の統合ノード (ブローカー) 用に構成するために Monitored Broker Settings セクションを作成します。
    • Edit: 現在の Monitored Broker Settings セクションの設定を変更します。
    • Del: 現在の Monitored Broker Settings セクションを削除します。
    • Next: 次の Monitored Broker Settings セクションに移動します。
    • Exit: Monitored Broker Settings の構成を終了します。
  4. IBM MQ (WebSphere MQ) が同じシステムにインストールされていることを確認した場合、「WebSphere MQ 64-bit library path」パラメーターを求めるプロンプトが出されます。Enter キーを押してデフォルト値を受け入れます。このデフォルト値は、エージェントによって自動的にディスカバーされた IBM MQ (WebSphere MQ) の 64 ビット・ライブラリー・パスです。デフォルト値が表示されない場合は、必ず IBM MQ (WebSphere MQ) の 64 ビット版ライブラリーのパスを指定してから次のステップに進んでください。例えば、/opt/mqm8/lib64 です。
    要確認: ご使用の統合ノード (ブローカー) が複数の異なるバージョンのキュー・マネージャーを使用する場合、このパラメーターには、最新バージョンの IBM MQ (WebSphere MQ) の 64 ビットのライブラリー・パスを指定してください。
  5. 構成の完了後に、以下のコマンドを入力してエージェントを開始します。
    install_dir/bin/iib-agent.sh start instance_name

サイレント構成

手順

サイレント応答ファイルを編集し、対話操作なしでスクリプトを実行することでエージェントを構成するには、以下の手順を実行します。

  1. テキスト・エディターで以下に示すエージェントのサイレント応答ファイルを開きます。
    • Linux または AIXinstall_dir/samples/iib_silent_config.txt
    • Windows
install_dir¥tmaitm6_x64¥samples¥qi_silent_config.txt
    ここで、install_dirIBM Integration Bus エージェント のインストール・ディレクトリーです。デフォルトのインストール・ディレクトリーは次のとおりです。
    • Linux または AIX/opt/ibm/apm/agent
    • Windows
C:¥IBM¥APM
  2. 「agentId」パラメーターに、エージェントの短い ID として、最大 8 文字の長さの固有の英数字ストリングを指定します。
    要確認: エージェント ID の最大長は IBM Integration Bus エージェントのバージョン 7.3.0.1 からは 8 文字です。それ以前のバージョンでは、エージェント ID の最大長は 4 文字です。エージェントのバージョンを確認する方法については、エージェント・バージョンを参照してください。

    管理対象システム名には、指定したエージェント ID が組み込まれます。例えば、monitoredbrokername:agentID:KQIB のようになります。ここで、monitoredbrokername は、モニター対象統合ノード (ブローカー) の名前です。

  3. IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 の統合ノードをモニターする場合は、defaultWMBInstallDirectory パラメーターに IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 のインストール・ディレクトリーを指定します。例えば、Windows システムの場合は C:¥Program Files¥IBM¥ACE¥11.0.0.3¥、Linux システムの場合は /opt/ibm/mqsi/ace-11.0.0.3 のようにします。IBM Integration Bus V10 および IBM App Connect Enterprise V11 をモニターしない場合は、このパラメーターは必要ありません。これは、IBM Integration Bus エージェントはそれより前のバージョンの統合ノード (ブローカー) を自動的にディスカバーできるからです。
    要確認: defaultWMBInstallDirectory パラメーターには、インストール・ディレクトリーは 1 つしか指定できません。IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 を異なる複数のディレクトリーにインストール済みで、それらをすべてモニターしたい場合は、複数のエージェント・インスタンスを作成し、各エージェント・インスタンスに対して IBM Integration Bus V10 または IBM App Connect Enterprise V11 のインストール・ディレクトリーを 1 つ指定します。
  4. オプション: このエージェントを使用して特定のいくつかの統合ノード (ブローカー) のみをモニターするかどうかを指定します。

    デフォルトでは、IBM Integration Bus エージェントと同じホスト・システム上で実行されているすべての統合ノード (ブローカー) がモニターされます (セルフ・ディスカバリーで判別)。特定の統合ノード (ブローカー) をモニターするには、モニターする統合ノード (ブローカー) ごとに、collectNodeData および WMBInstallDirectory パラメーターを設定します。

    collectNodeData
    モニター対象統合ノード (ブローカー) のノード定義データを収集するかどうかを指定します。 構文は、collectNodeData.brkr_name=NO|YES です。ここで、brkr_name は統合ノード (ブローカー) の名前です。
    デフォルト値は NO です。Cloud APM コンソールではノード定義データはサポートされないため、デフォルト値を使用することをお勧めします。
    WMBInstallDirectory
    モニターする統合ノード (ブローカー) のインストール・ディレクトリー。構文は、WMBInstallDirectory.brkr_name=broker_install_dir です。ここで、broker_install_dir はモニターする統合ノード (ブローカー) のインストール・ディレクトリーです。
    要確認: バージョン 10 の統合ノードの場合、WMBInstallDirectory パラメーターにより、前のステップで設定した defaultWMBInstallDirectory パラメーターをオーバーライドできます。
    例えば名前が BK1 と BK2 の 2 つの統合ノード (ブローカー) のみをモニターするには、以下のようにパラメーターを設定します。
    collectNodeData.BK1=NO
    collectNodeData.BK2=NO
    WMBInstallDirectory.BK1=BK1_install_dir
    WMBInstallDirectory.BK2=BK2_install_dir
  5. IBM Integration Bus V10 より前のブローカーをモニターするには、WMQLIBPATH パラメーターに IBM MQ (WebSphere MQ) の 64 ビット版ライブラリーのパスを指定します。例えば、C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere MQ¥bin64 (Windows システムの場合) や /opt/mqm8/lib64 (Linux システムの場合) などです。
    要確認: ご使用の統合ノード (ブローカー) が複数の異なるバージョンのキュー・マネージャーを使用する場合、このパラメーターには、最新バージョンの IBM MQ (WebSphere MQ) の 64 ビットのライブラリー・パスを指定してください。
  6. エージェントのサイレント応答ファイルを保存して閉じ、次のコマンドを入力します。
    • Linux または AIXinstall_dir/bin/iib-agent.sh config instance_name path_to_responsefile
    • Windows
install_dir¥BIN¥iib-agent.bat config "instance_name path_to_responsefile"
    ここで、instance_name は構成するインスタンスの名前であり、path_to_responsefile はサイレント応答ファイルの絶対パスです。
    警告: Windows システムでは、サイレント応答ファイルの絶対パスを囲む二重引用符 ("") を含めないでください。構成エラーの原因となるためです。
  7. 構成の完了後に、以下のコマンドを入力してエージェントを開始します。
    • Linux または AIX
      install_dir/bin/iib-agent.sh start instance_name
    • Windows
      install_dir¥bin¥iib-agent.bat start instance_name

タスクの結果

これで、Cloud APM コンソールにログインし、アプリケーション・エディターを使用して IBM Integration Bus エージェント・インスタンスを Application Performance ダッシュボードに追加できます。Cloud APM コンソールを開始する方法については、Cloud APM コンソールの始動を参照してください。アプリケーション・エディターの使用について詳しくは、アプリケーションの管理を参照してください。

要確認: モニター対象統合ノード (ブローカー) を更新またはマイグレーションするときは必ず、統合ノード (ブローカー) のアップグレードまたはマイグレーション後に IBM Integration Bus エージェントを再始動する必要があります。

次のタスク

次のステップでは、データ使用可能化のために IBM Integration Bus を構成します。以下のデータが Application Performance ダッシュボードで使用可能になるのは、IBM Integration Bus でそれらを使用可能にした後のみです。

  • アーカイブ・アカウンティングおよび統計
  • JVM リソース統計
  • トランザクション・トラッキング

説明については、データ使用可能化のための IBM Integration Bus の構成を参照してください。