プロセス・データの概要
ビジネス・プロセス・モデルを構成するには、プロセス・データとそれに関する概念を理解する必要があります。
プロセス・データ とは、プロセスの存続期間中に XML ドキュメント内で BPML 内の構成済みの指示に従って蓄積される、ビジネス・プロセスに関連するデータです。ビジネス・プロセスの作成者は、プロセス・データを使用して、プロセス内のアクティビティーを完了するために重要な情報の操作を使用可能にします。以下に例を示します。
- ビジネス・プロセス・モデルの BPML 構造には、プロセス・データのプレースホルダー (ルート・ノード) が常に含まれています。
- ビジネス・プロセス・モデルの作成者は、プロセス・データに情報を書き込むようにサービスおよびアクティビティーを構成します。また、サービスがそのデータにアクセスしてデータを使用することでプロセス・アクティビティーを完了するように構成します。例えば、プロセス内のあるステップは、1 次ドキュメントからルーティング番号をプルし、それをプロセス・データに追加することで、その情報を使用するように構成されたプロセスの後続のステップがその番号にアクセスできるようにします (1 次ドキュメント は購入注文などのビジネス・プロセスのコア・ドキュメントです)。
- これらのアクティビティーが具体的にどのように行われるかは、構成の詳細によって決まります。
- ステップ内のサービスを介して処理するデータは、常にプロセス・データと 1 次ドキュメントの組み合わせです。
サービスがプロセス・データに配置する情報のタイプは、サービス構成および実行されるタスクに応じて、サービスごとに変わります。また、1 次ドキュメントだけで動作し、プロセス・データをまったく使用しないサービスもあります。 プロセス・データと 1 次ドキュメントの両方が、サービスを介して処理中に変更される場合があります。
プロセス・データには、多くの場合以下が含まれます。
- 複数の選択肢から次のステップを決定する際に使用されるドキュメントから抽出された情報
- ビジネス・プロセス内のサービスによって使用されるようにプロセスの BPML 構成内で割り当てられる情報 (マップ名や抽出ディレクトリーなど)。これは、サービスのジョブの実行に役立ちますが、1 次ドキュメントの一部ではありません。
- サービスがそのジョブを実行する際に役立つ、各ドキュメントに固有の、サービスにより配置されるドキュメントまたはドキュメントの処理に関する情報 (コンテンツ・タイプ・インディケーターや送信側情報など)。
プロセス・データは XML であるため、プロセス・モデル内の XPath を使用して、その中の情報にアクセスできます。1 次ドキュメントが XML 形式でない場合でも、XPath ステートメントを使用して 1 次ドキュメントのコンテンツを参照できます (XPath とプロセス・データXPath とプロセス・データを参照)。もう 1 つの利点は、複雑な階層データをプロセス・データ内で直接表すことができることです。
ステップでプロセス・データを必要とせずに 1 次ドキュメントにアクセスするようにサービスを構成することが理想的ですが、複雑なプロセスが必要な結果を最も効率的に得るためには通常、プロセス・データを使用する必要があります。
日常のモニター・アクティビティーでは、ステップでプロセス・データがどのように使用されているか、その詳細を確認する必要がある場合は、プロセス内の個々のステップのプロセス・データを表示することができます。このデータは、「ビジネス・プロセスの詳細」ページを使用して表示します (「管理」メニューから、
> 選択したプロセスの ID > 情報 [ステップの「インスタンス・データ」列内] を選択します)。プロセス・データに関するビジネス・プロセス・モデルの構成についての技術情報が必要な場合は、このトピックの残りの部分が役に立ちます。この内容は、BPML の基本的な知識を前提としています。