NIM インストールによる mksysb 移行の実行

AIX® バージョン 7.2の NIM インストールを使用して、 mksysb 移行を実行できます。

前提条件

  • 外部デバイス (DVD-ROM ドライブなど) を含め、 すべての必要なハードウェアが、物理的に接続状態になっている必要があります。 外部デバイスの接続についての詳細は、システムに付属のハードウェア資料を参照してください。
  • インストールを開始する前に、インストール対象のシステムに対するアクセス権が与えられている他のユーザーは、ログオフしておく必要があります。
  • アプリケーションが AIX バージョン 7.2で実行されていることを確認します。 また、アプリケーションが AIX バージョン 7.2とバイナリー互換であることも確認してください。 現在のシステムがアプリケーション・サーバーなら、ライセンスの問題がないことを確認してください。 ご使用のアプリケーションがサポートおよびライセンス交付を受けている AIX バージョン 7.2 のレベルを確認するには、ご使用のアプリケーションの資料またはプロバイダーにお問い合わせください。
  • ハードウェア・マイクロコードが最新であることを確認します。
  • 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX バージョン 7.2 には、最小 4 GB のメモリーと 20 GB の物理ディスク・スペースが必要です。 追加のリリース情報については、 AIX リリース・ノートを参照してください。
  • システム・ソフトウェアおよびデータのバックアップ・コピーを作成します。 システム・バックアップの作成方法については、「 システム・バックアップの作成」を参照してください。 このバックアップは、mksysb 移行インストールで、移行の前にシステム・ファイルを復元するために使用されます。
  • ソース・システムが使用可能な場合、そこで移行前スクリプトを実行します。 移行はターゲット・システムで行われるため、ソース・システムのハードウェア構成に関連するメッセージは無視します。 その他の問題は、スクリプトで推奨されるように訂正します。

ステップ 1. インストール用にシステムを準備

システムを準備するには、以下の条件が満たされていることを確認してください。
  • ターゲット・システムが NIM マスターのクライアントとして定義されている。
  • 前提条件で説明されている必要なカスタマイズ済みの bosinst.data ファイルが、NIM bosinst.data リソースであるか、補足ディスケット方式を使用して用意されている。
NIM マスターに対してクライアントのインストールを開始するよう指示するには、次のコマンドを実行します。
# nim -o bos_inst -a source=rte -a spot=spot name -a lpp_source=lpp source name
 -a bosinst_data=bosinst_data resource name -a mksysb=mksysb name client_name 

SPOT ファイルおよび lpp_source ファイルは、 AIX バージョン 7.2 レベルでなければなりません。

または、mksysb を、最初に別の alloc 操作を使用してクライアントに割り振ることができます。 次に、コマンド行または smitty nim を使用して、クライアント上で bos_inst 操作を実行します。 bos_inst 操作の前に mksysb がクライアントに割り当てられている場合、mksysb の指定は不要です。

ステップ 2. インストール・メディアからブート

以下のステップでは、オペレーティング・システムの現行バージョンを AIX バージョン 7.2にマイグレーションします。 以前のシステムでは定義されていなかった ASCII コンソールを使用する場合、そのコンソールを定義する必要があります。 ASCII コンソールの定義について詳しくは、 ステップ 3 を参照してください。 ASCII 端末のセットアップ.

  1. ネットワーク・ブート・イメージが転送されたら、システムはネットワーク・リソースを使用してブートを開始します。
  2. mksysb 移行インストールは、不在インストール (プロンプトなし) として続行します。

BOS メニューでは現在 mksysb 移行がサポートされていないため、BOS メニューはロードされません。 従来の移行では、メニューを使用してユーザーに情報を求めるプロンプトを出せば修正できるエラーが発生した場合は、BOS メニューがロードされます。 そのようなエラーまたは問題が mksysb 移行中に検出された場合、インストールはアサートし、移行を続行できないというエラーが表示されます。 アサートの原因となったエラーによっては、エラー固有の情報が表示されることがあります。 インストールがアサートすると、LED に「088」が示されます。

ステップ 3. BOS マイグレーションの終了

インストール・プロセスが始まると、「Installing Base Operating System (基本オペレーティング・システムのインストール)」画面が表示されます。

インストールが進行するにつれて、完了率のフィールドと経過時間のフィールドの数字が増加して、インストール状況が示されます。 mksysb が復元された後、基本ランタイム環境がインストールされ、インストールが進行中の他のソフトウェアに関して状況情報が表示されます。 BOS インストールが完了すると、システムは自動的にリブートされます。

システムが再始動された後、BOS のインストールを構成するようプロンプトが出されます。 BOS の構成について詳しくは、 AIXを参照してください。
注:

通常移行されるソフトウェアのすべてを移行するにはスペースが足りないという場合は、後で他のソフトウェアをインストールするときに、 移行バンドルと呼ばれるソフトウェアの集まりを使用することができます。 マイグレーション・バンドルをインストールするマシンに追加のディスク・スペースを作成する必要があります。その後、 smit update_all を実行して、マイグレーション・バンドルがインストールされているインストールを完了できます。

グラフィックス・コンソールからインストールを実行していない場合、Graphics_Startup バンドルが作成されます。 詳しくは、 オプションの製品およびサービスの更新を参照してください。 ディスク・スペースを解放するためにシステムからソフトウェアを除去する方法については、 オプションのソフトウェア製品およびサービス更新の保守を参照してください。

移行前スクリプトがソース・システムで実行された場合、移行後スクリプトを実行して出力ファイルを検査します。