lpp_source リソースの使用

lpp_source リソースは、ソフトウェア・インストール・イメージが格納されているディレクトリーを表します。

lpp_source に、マシンのインストールに必要な最小セットのサポート・イメージが含まれている場合、このリソースは、simages 属性が指定され、BOS インストール (bos_inst) 操作に使用できます。 lpp_sourcesimages lpp_source として十分なソフトウェアが含まれていない場合、このリソースは、NIM の cust 操作で、実行中のマシンおよび SPOT にソフトウェアをインストールするためにのみ使用できます。

NIM lpp_source リソースの推奨タイプは次のとおりです。
  • AIX オペレーティング・システムを AIX マシンにインストールできる AIX® 基本インストール・ファイル・セット ( AIX 基本インストール・メディアから生成される) を含む完全な (simages=yes) NIM lpp_source リソース。
  • テクノロジー・レベルまたはサービス・パックの更新のみを含む更新 lpp_source リソース ( AIX 更新メディア上の更新、または IBM® サービス・サイトからダウンロードできる更新など)。
  • (基本オペレーティング・システムのインストール後にインストールされる) 追加アプリケーション・ソフトウェアを含むアプリケーション lpp_source リソース。
これらのイメージを 1 つの lpp_source リソースに結合する場合は、 lppmgr コマンドを使用して、置き換えられたイメージまたは重複するイメージを削除します。
注: テクノロジー・レベルのベース・メディアから作成された Lpp_Source リソースを、同じテクノロジー・レベルの更新メディアからのイメージと結合しないでください。

NIM は、lpp_source をインストール操作に使用する場合、まず最初に lpp_source をクライアント・マシンにマウントします。 次に、マウントされた lpp_source をインストール・イメージのソースとして使用して、クライアント上で installp コマンドが開始されます。 インストール操作が完了すると、NIM は自動的に リソースをアンマウントします。

lpp_source リソースは、マシンのインストールのためにイメージを提供するほか、SPOT リソースの作成および更新にも使用できます。

以下に、lpp_sourcesimages 属性を指定するために必要なイメージの最小セットを示します。

POWER ® プロセッサー・ベース Itanium プロセッサー・ベース
BOS BOS
bos.64bit 該当なし
bos.rte.up 該当なし
bos.rte.mp 該当なし
bos.up 該当なし
bos.mp bos.mp
bos.net bos.net
bos.diag bos.diag
bos.sysmgt bos.sysmgt
bos.terminfo bos.terminfo
bos.terminfo.data bos.terminfo.data
devices.base devices.ia64.base
devices.buc 該当なし
devices.common devices.common
devices.graphics devices.graphics
devices.mca devices.pci
devices.rs6ksmp.base 該当なし
devices.scsi devices.scsi
該当なし devices.ide
devices.sio devices.isa_sio
devices.sys 該当なし
devices.tty devices.tty
xlC.rte xlC.rte
注: Lpp_Sourceとして定義する予定のディレクトリーにデバイス・イメージをコピーする場合は、必ず、特定のタイプのデバイスのすべてのデバイス・イメージをコピーしてください。 次に例を示します。
cp /cdfs/usr/sys/inst.images/devices.pci.*  lpp_source_directory 
lpp_source を定義するには、次のようにいくつかの方法があります。
  • インストール・イメージが含まれている既存のディレクトリーがある場合は、それを直接 lpp_source リソースとして定義できます。
  • BOS インストール用のデフォルトのサポート・イメージ・セットを使用して、NIM によりディレクトリーを作成し、転送する必要がある場合は、リソースを定義するときに source 属性を使用します。 この属性は、デバイスの名前、インストール・イメージを含む絶対ディレクトリー・パス名または絶対 ISO イメージ・パス名を指定します。 NIM は、このソースから lpp_source 用に指定されたロケーションにソフトウェア・イメージをコピーします。 コピーされるイメージには、simages リストの内容、使用可能なすべてのデバイス・サポート、および通常インストールされるいくつかの追加ソフトウェア (例えば、X11) が同様に含まれています。
  • デフォルトのイメージ・セット以外の一連のソフトウェアを使って、lpp_source をソース・デバイスから作成する必要がある場合は、lpp_source を定義するときに packages 属性を指定します。 コピーするソフトウェア・イメージの代替セットをリストするには、packages 属性を使用します。
  • ソースの simages リストを基にソフトウェアのリストを使用してソース・デバイスから lpp_source を作成する必要がある場合は、lpp_source を定義するときに、yes の値の use_source_simages 属性を指定してください。 この属性を使用するときには、ソース属性を指定する必要があり、packages 属性は提供できません。
  • lpp_source リソースを作成するときに警告メッセージ 0042-256 が表示される場合は、リストされているファイルセットがこのソース・レベルに使用できなくなりました。 この問題は、旧リリースの既知の制限です。

lpp_source のサイズは、それに組み込まれるソフトウェアの量により大幅に異なります。 simages 属性をかろうじて獲得できる程度のソフトウェアだけを組み込んだ最小の lpp_source であれば 100 MB 以下になることもありますが、CD-ROM から作成するデフォルトの lpp_source は 350 MB を超える可能性があります。 スペースを管理しやすくするために、lpp_source を入れる別のファイルシステムを作成することをお勧めします。 デフォルトでは、lpp_source を作成してソース・デバイスからイメージをコピーするときに、必要に応じて NIM が自動的にファイルシステムを拡張します。

simages メッセージは、lpp_source リソースをデフォルト・インストール・パッケージで作成する場合にのみ表示されます。 simages メッセージは、simages 属性を lpp_source に設定できなかった場合に表示されます。 ユーザーが lpp_source を作成し、パッケージのリストを指定した場合、simages メッセージは表示されません。 simages 属性は、simages メッセージが表示されるかどうかに関わらず、正しく設定されます。

rte BOS インストールを、simages 属性が指定されていない lpp_source で試みると、エラーがユーザーに送信されます。 このエラー・メッセージは、rte BOS インストールに必要な欠落しているパッケージを判別するために、nim -o checklpp_source 上で実行するよう、ユーザーに知らせます。 lpp_source が作成された後、この上で nim -o check を実行するといつでも、rte BOS インストールに必要なすべてのイメージが lpp_source に含まれていない場合に、simages メッセージが表示されます。