ミラーリングされたボリューム・グループ内の障害のある物理ボリュームの交換

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次の手順で、ミラーリングされたボリューム・グループ内の障害のある物理ボリューム (PV) を交換します。 replacepv コマンドは、ほとんどの構成で障害のある PV を交換する方法を備えています。 replacepv コマンドを使用できない構成には、代わりの手順もあります。

概要

このハウツー・シナリオの情報は、特定のバージョンAIX® を使用してテストされています。AIXの

障害のある PV を使用する論理ボリュームのすべてに、他の使用可能な PV 上で有効なコピーがあります (考えられる例外は専用ダンプ論理ボリュームです)。

replacepv コマンドを使用した障害のある PV の交換

以下の前提条件のいずれかを満たすことができない場合は、代替手順を参照してください。

障害のある PV を含むボリューム・グループは rootvg ではない。
交換 PV は、障害のある PV を含むボリューム・グループに追加することができます (これは、PV サイズおよびボリューム・グループ特性 ( MAX PPs per PVなど) によってはできない場合があります)。
交換 PV は、障害のある PV と同時にシステム内に構成できなければならない。
交換 PV の名前は、障害のある PV の名前と異なっていても構わない。
交換 PV のサイズは、少なくとも障害のある PV のサイズでなければならない。
障害のある PV を含むボリューム・グループは、スナップショット・ボリューム・グループであっても、スナップショット・ボリューム・グループを持ってもなりません。

障害のある PV が hdisk2 であり、交換 PV が hdisk10 であると想定して、以下のステップを行います。

交換 PV がまだシステムにインストールされていない場合は、インストールに必要なステップを行います。構成マネージャーを使用して新規 PV を定義するには、次のコマンドを実行します。
```
cfgmgr
```
lspv コマンドを使用して、PV に割り当てられた名前を判別します。この例の場合、新規 PV の名前は hdisk10 であるとします。
障害のある PV をステップ 1 で定義されたものと交換するには、次のコマンドを実行します。
```
replacepv hdisk2 hdisk10
```
コマンドが実行すると、hdisk2 は hdisk10 に交換され、hdisk2 はボリューム・グループに割り当てられなくなります。
障害のある PV を定義解除するには、次のコマンドを実行します。
```
rmdev -dl hdisk2
```
障害のあるディスクをシステムから物理的に除去します。
以下のステップを行って、手順が成功していたことを確認します。
1. すべての論理ボリュームが、指定したとおりに新規 PV にミラーリングされたことを検査するには、次のコマンドを実行します。
```
lslv lvname
```
  障害のある PV の影響を受けた各論理ボリュームの COPIES 属性を検査して、希望する数のコピーが現在存在することを確認します。論理ボリュームのコピー数が希望数を下回る場合は、mklvcopy コマンドを使用して、追加のコピーを作成します。
2. すべての論理ボリューム区画が同期化し、不整合区画がないことを確認するには、次のコマンドを実行します。
```
lspv hdisk10
```
  置換された PV の STALE PARTITIONS 属性を調べて、カウントがゼロであることを確認します。不整合区画がある場合は、syncvg コマンドを使用して区画を同期します。

ステップ 5 で、障害のある PV の交換手順は完了です。

replacepv コマンドを使用できない構成のときの障害のある PV の交換

障害のある物理ボリューム、hdisk0 とそのミラー、hdisk1 が、yourvg ボリューム・グループの一部であるとします。

障害のある PV からミラー・コピーを除去するには、次のコマンドを実行します。
```
unmirrorvg yourvg hdisk0
```
PV の障害が rootvg で発生した場合は、次のコマンドを実行して、hdisk0 をブート・リストから除去します。
注: 構成で hdisk0 および hdisk1以外のブート・デバイスを使用する場合は、それらをコマンド・シンタックスに追加してください。
```
bootlist -om normal hdisk1
```
このステップの場合、hdisk1 はブート可能デバイスを rootvg のままにしておく必要があります。このステップの完了後、hdisk0 が出力に表示されないことを確認します。
PV の障害が rootvg で発生した場合は、障害のある PV からすべての専用ダンプ・デバイスを再作成します。
障害のある PV 上にあった専用ダンプ・デバイスがある場合は、mklv コマンドを使用して、既存の PV 上に新規論理ボリュームを作成できます。 sysdumpdev コマンドを使用して、新規論理ボリュームを 1 次ダンプ・デバイスとして設定します。
障害のある PV を定義解除するには、次のコマンドを実行します。
注: ディスク装置項目を除去すると、障害のある PV がシステムのブートに使用された PV である場合は、 /dev/ipldevice ハード・リンクも除去されます。
```
reducevg yourvg hdisk0
rmdev -dl hdisk0
```
障害のある PV が最近使用されたブート・デバイスの場合は、次のコマンドを実行して、ステップ 4 で除去された /dev/ipldevice ハード・リンクを再作成します。
```
ln /dev/rhdisk1 /dev/ipldevice
```
PV 名の前のプレフィックス r に注意してください。
/dev/ipldevice ハード・リンクが再作成されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
```
ls /dev/ipldevice
```
障害のあるディスクを交換します。
新規 PV を定義するには、次のコマンドを実行します。
```
cfgmgr
```
cfgmgr コマンドは、交換 PV に PV 名を割り当てます。割り当てられた PV 名は、これまで障害のある PV に割り当てられていた PV 名と同じであると思われます。この例では、デバイス hdisk0 が交換 PV に割り当てられているとします。
新規 PV をボリューム・グループに追加するには、次のコマンドを実行します。
```
extendvg yourvg hdisk0
```
以下のエラー・メッセージを受けることがあります。
```
0516-050 Not enough descriptor space left in this volume group.
Either try adding a smaller PV or use another volume group.
```
このエラーを受けて PV をボリューム・グループに追加できない場合は、論理ボリュームをボリューム・グループに既に存在する別の PV にミラーリングするか、あるいはより小さい PV の追加を試みることができます。いずれのオプションも不可能な場合は、chvg コマンドを使用して、ボリューム・グループをビッグ・タイプ・ボリューム・グループまたはスケーラブル・タイプ・ボリューム・グループにアップグレードして、この制限をバイパスしてみることもできます。
ボリューム・グループをミラーリングします。
注: mirrorvg コマンドは、以下のすべての条件が存在する場合には使用できません。
- ターゲット・システムが論理区画 (LPAR) である。
- ブート論理ボリューム (デフォルトでは、hd5) のコピーが、障害のある PV 上にある。
- 最後のコールド・ブート以降に、交換 PV のアダプターが LPAR に動的に構成された。
上の条件がすべて満たされている場合、以下のようにして、mklvcopy コマンドで論理ボリュームごとにミラー・コピーを再作成してください。
1. ブート論理ボリュームのコピーを作成して、それが一連の隣接する物理区画に割り振られているか確認します。
2. 残りの論理ボリュームのコピーを作成し、syncvg コマンドを使用してコピーを同期化します。
3. シャットダウンまたはリブート・コマンドを使用してリブートするのではなく、LPAR をシャットダウンし、それを活動化して、ディスクをブート可能にします。このシャットダウンは即時に行う必要はありませんが、システムは新規 PV からブートする必要があります。
そうでない場合は、新規 PV を次のコマンドとともに使用して、ボリューム・グループ内に、論理ボリュームの新規コピーを作成します。
注: mirrorvg コマンドは、デフォルトでクォーラムを無効にします。 rootvg の場合は、-m オプションを使用して、新規論理ボリュームのコピーが作業ディスクと同じ方法で hdisk0 にマップされることを確認します。
```
mirrorvg yourvg hdisk0
```
ご使用の構成が一部の論理ボリュームのコピーを保持している場合は、次のコマンドによって、これらのコピーを再作成する必要がある場合があります。
```
mklvcopy -k
```
PV の障害が rootvg で発生した場合は、次のコマンドを実行して、ブート・レコードを初期化します。
```
bosboot -a
```
PV の障害が rootvg で発生した場合は、次のコマンドを実行して、ブート・リストを更新します。
注: 構成で hdisk0 および hdisk1以外のブート・デバイスを使用する場合は、それらをコマンドに追加してください。
```
bootlist -om normal hdisk0 hdisk1
```
手順が成功したことを確認します。
- すべての論理ボリュームが新規 PV にミラーリングされたことを検査するには、次のコマンドを実行します。
```
lslv lvname
```
  障害のある PV の影響を受けた各論理ボリュームの COPIES 属性を検査して、希望する数のコピーが現在存在することを確認します。論理ボリュームのコピー数が希望数を下回る場合は、mklvcopy コマンドを使用して、追加のコピーを作成します。
- すべての論理ボリューム区画が同期化されていることを確認するには、次のコマンドを実行して、不整合区画がないことを検査します。
```
lspv hdisk0
```
  置換された PV の STALE PARTITIONS 属性を調べて、カウントがゼロであることを確認します。不整合区画がある場合は、syncvg コマンドを使用して区画を同期します。
PV の障害が rootvg で発生した場合は、次のステップを使用して、この手順のその他の局面を確認します。
- ブート・リストを確認するには、次のコマンドを実行します。
```
bootlist -om normal
```
- ダンプ・デバイスを確認するには、次のコマンドを実行します。
```
sysdumpdev -l
```
- ブート可能 PV のリストを確認するには、次のコマンドを実行します。
```
ipl_varyon -i
```
- /dev/ipl_device を確認するには、次のコマンドを実行します。
```
ls -i /dev/rhdisk1 /dev/ipldevice
```
  ls コマンドの出力の i ノード番号が、両方エントリーで同じであることを確認します。
このステップで手順は完了します。