acctprc1、acctprc2、または accton コマンド

目的

プロセス・アカウンティング・プロシージャーを実行します。

構文

/usr/sbin/acct/acctprc1InFile ]

/usr/sbin/acct/acctprc2 [ -X ]

/usr/sbin/acct/accton [ [-@] OutFile ]

説明

3 つの acctprc コマンド、つまり acctprc1acctprc2、および accton は、runacct コマンドにより呼び出され、プロセスのアカウンティングのシェル・プロシージャーを実行します。

acctprc1 コマンドは、acct フォーマットの標準入力からレコードを読み取り、ユーザー ID に対応するログイン名を追加して、ASCII レコードを標準出力に書き出します。 このレコードには、ユーザー ID、ログイン名、プライム CPU 時間、非プライム CPU 時間、合計転送文字数 (1024 バイト単位)、読み書きされたブロックの合計数、および各プロセスの平均メモリー・サイズ (64 バイト単位) が含まれています。

InFile パラメーターを指定する場合、このファイルには、ユーザー ID とログイン名に基づきソートされた、utmp フォーマットのログイン・セッションのリストが入っています。 File パラメーターを指定しなければ、acctprc1 は、/etc/passwd パスワード・ファイルからログイン名を入手します。 InFile パラメーター内の情報は、同じユーザー ID を共用する異なるログイン名を区別するのに役立ちます。

acctprc2 コマンドは、acctprc1 コマンドにより書き込まれたレコードを (標準入力から) 読み取り、ユーザー ID および名前別に合計し、ソート済みの合計を合計アカウント・レコードとして標準出力に書き出します。

accton コマンドをパラメーターなしで使用した場合は、プロセスのアカウンティングはオフになります。 OutFile パラメーター (既存ファイル) を指定すると、プロセスのアカウンティングがオンになり、カーネルはレコードをそのファイルに追加します。 プロセスのアカウンティングを開始するには、OutFile パラメーターを指定する必要があります。 OutFile パラメーターは、accton コマンドでは作成されません。 OutFile パラメーターに指定するファイルは、適正なグループ、オーナー、および許可を持ち、既に存在しているものでなければなりません。 多くのシェル・スクリプトでは、/var/adm/pacct ファイルが想定されています。

フラグ

項目 説明
-X 最初の 8 文字に切り捨てることをせずに、各ユーザー名の使用可能なすべての文字を処理します。 またこのフラグを使用すると、acctprc2 コマンドが、tacct バイナリー・レコードではなく tacctx フォーマットのバイナリー・レコードを作成します。
注: このフラグは acctprc2 コマンドにしか使用できません。
-@ グローバル WPAR アカウンティング出力ファイルにworkload partition・プロセスのアカウンティング・レコードを組み込みます。 このオプションは、workload partition 内では無効です。

セキュリティー

アクセス制御: これらのコマンドは、adm グループのメンバーだけに実行 (x) アクセス権を与える必要があります。

  1. バイナリー・ファイル内の各プロセス・アカウンティング・ファイルにそれぞれユーザー名を 追加し、それらのレコードを out.file という名前の ASCII ファイルに変換する 場合は、コマンドを次のように入力するか、またはこれと同じ行をシェル・スクリプトで使用します。
    
    /usr/sbin/acct/acctprc1 < /var/adm/pacct >out.file
  2. 例 1 の ASCII 出力ファイルの合計アカウンティング・レコードを作成する場合は、コマンドを次のように 入力するか、またはこれと同じ行をシェル・スクリプトで使用します。
    /usr/sbin/acct/acctprc2 < out.file > ¥
    /var/adm/acct/nite/daytacct 
    この結果生成されるファイルは、tacct フォーマットのバイナリー合計アカウンティング・ファイルで、ユーザー ID 別にソートされた個々のレコードが入っています。 ファイル /var/adm/acct/nite/daytacct は、acctmerg コマンドにより他の合計アカウント・レコードとマージされ、/var/adm/acct/sum/tacct ファイル内に日計要約レコードを生成します。
  3. プロセスのアカウンティングをオフにする場合は、次のように入力します。
    /usr/sbin/acct/accton

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/acct/acctprc1 acctprc1 コマンドが入っています。
/usr/sbin/acct/acctprc2 acctprc2 コマンドが入っています。
/usr/sbin/acct/accton accton コマンドが入っています。
/etc/accton 実際の accton コマンド・ディレクトリーへのシンボリック・リンク。
/etc/passwd acctprc1 コマンドで使用されるユーザー ID を含め、基本ユーザー属性が入っています。