ソフトウェア・バンドルのパッケージ化

SMIT のインストール・アプリケーションは、/usr/sys/inst.data/sys_bundles および /usr/sys/inst.data/user_bundles の中でバンドルを探します。

sys_bundles ロケーションは、通常、システム定義のバンドル (AIX® に付属) 用に予約されています。 ユーザーは、独自のバンドル・ファイルを user_bundles ディレクトリーに作成することができます。

バンドル定義ファイル名の末尾は .bnd にする必要があります。バンドルを処理する AIX インストール・インターフェースが、.bnd で終わるバンドル・ファイルだけを認識するためです。 任意のエディターを使用して、バンドル・ファイルを作成してください。 この中にコメントとファイルセット名を入れることができます。 ポンド記号 (#) で始まる行は、コメントとして認識され、 バンドル処理コードにより無視されます。 ファイルセットのリストを完了したら、そのファイルを保存した上で、 ファイルが適切な読み取りアクセス権を持っているか確認してください。 バンドル・インストール・インターフェースを呼び出すと、.bnd 拡張子を持たないバンドルが表示されます。

以下に、事前定義バンドルの例を示します。

  • サーバー・バンドル。 マルチユーザーのスタンドアロンまたはネットワーク環境で AIX を実行するマシン用のソフトウェア・パッケージの集合。 このバンドルは、ディスク使用率よりも、機能性を強調します。
  • グラフィックス・バンドル。 グラフィカル環境のサポートを提供するソフトウェア・パッケージの集合。 グラフィカル・サポートは、一部のシステムでは、 BOS インストール中に自動的にインストールされることもあります。
  • 移行バンドル。 このバンドルは、BOS 移行プロセス中に、 移行インストールを完了するのに必要なディスク・スペースが不足した場合にだけ、 作成されます。 このバンドルは、移行を完了するためにインストールする必要のある、 ソフトウェア・パッケージの集合で構成されます。 移行インストールを完了させるには、 このバンドルをインストールする必要があります。 smit update_all 高速パスを使用してバンドルをインストールしてください。

    また、グラフィックス・バンドル もインストールする必要がある場合があります。

一部のシステム・バンドルは、 複数のメディアにまたがって展開されている、インストール・イメージを参照することがあります。 使用中のメディアにファイルセットが見つからないというエラーがあった場合は、 そのファイルセットが入ったメディアを挿入して、バンドルのインストールを再試行してください。

システム・バンドルは、/usr/sys/inst.data/sys_bundles ディレクトリーにあります。 次のようにタイプして、システム・バンドルをリストします。
ls /usr/sys/inst.data/sys_bundles/*.bnd
または、SMIT list_bundle 高速パスを使用して、システム・バンドルをリストすることもできます。

geninstall および gencopy コマンドは、バンドル・ファイルを使用するときに指定される複数のソフトウェア・ソースを処理します。 これは、バンドル・ファイルの #MEDIA= 見出し機能で、ソフトウェア・イメージをグループ化することによって行われます。 見出し機能の下でリストされたイメージはすべて指定したメディアに必ず存在します。 メディアは、CD (例えば、Base Install Media Volume 1 または AIX Linux Toolbox CD) またはローカル・ディレクトリー (例えば、/usr/sys/inst.images ディレクトリー) のように名前で指定することができます。

#MEDIA= 見出しは、バンドル内のファイルセットまたはパッケージのロケーションを指定するために使用します。 例えば、BaseAndLinuxCD Bundle に次の情報が含まれているとします。
# BaseAndLinuxCDBundle contains packages on volume 1 of base media and on the AIX 
# Linux Toolbox CD

#MEDIA=Base Install Media Volume 1
I:bos.adt.prof

#MEDIA=AIX Linux Toolbox CD
R:mtools
R:vim-common
geninstall および gencopy コマンドが追加のメディアを求めるプロンプトを出す場合、#MEDIA= 行に示されるワードを使用します。 上記の例では、geninstall および gencopy コマンドは、bos.adt.prof installp パッケージが Base Install Media Volume 1 にあるというメッセージを表示しています。また、mtools および vim-common RPM パッケージが AIX Linux Toolbox CD にあるメッセージも表示しています。
#MEDIA= 見出しはディレクトリーを示すためにも使用されます。 例えば、CD_Directory Bundle に次の情報が含まれているとします。
# CD_DirectoryBundle contains packages on volume 1 of base install media
# and in /usr/sys/inst.images

#MEDIA=/usr/sys/inst.images
I:bos.games

#MEDIA=Base Install Media Volume 1
I:bos.adt.prof
R:cdrecord-1.9-4
これは、geninstall および gencopy コマンドに、bos.games installp パッケージが /usr/sys/inst.images ディレクトリーにあること、bos.adt.prof installp パッケージおよび cdrecord-1.9-4 RPM パッケージが Base Install Media Volume 1 にあることを通知しています。

geninstall および gencopy コマンドは、バンドル・ファイル内の「%L」ワイルドカードを認識します。 このワイルドカードは、実行時に、適切なロケール環境変数の値に置き換えられます。LC_ALL が最初に検査され、次に LC_MESSAGES、その後に LANG が検査されます。 これにより、複数のインストール構成に対応する単一のバンドル・ファイルを作成することができます。

例えば、ABC プロダクトがあるとします。これには、abc.rte および abc.com ファイルセット、ならびにメッセージ・カタログ・ファイルセットおよび文書ファイルセットが必要です。 その後、次のようにして、英語、フランス語、およびドイツ語のメッセージ・ファイルセットと文書ファイルセットを用意します。
abc.cat.en_US
abc.cat.fr_FR
abc.cat.de_DE

abc.doc.en_US
abc.doc.fr_FR
abc.doc.de_DE
次のバンドル・ファイルにより、ターゲット・システムのロケール変数に応じて、インストールされるファイルセットが適切に組み合わされます。
I:abc.rte
I:abc.com
I:abc.cat.%L
I:abc.doc.%L
注: %L ワイルドカードを展開しても、インストール・メディアで使用可能なファイルセットに対応したファイルセット名が生成されない場合、現在のロケールの UTF-8 バージョンが試行され、次に en_US、その後に EN_US が試行されます。
バンドルの内容がシステムにインストールされているかどうかを、lslpp -Lb コマンドを使用して判別できます。 例えば、/usr/sys/inst.data/sys_bundles ディレクトリーにある Alt_Disk_Install バンドルのコンポーネントがインストールされているかどうかを判別するには、次のコマンドを実行します。
lslpp -Lb Alt_Disk_Install.bnd
例えば、次のような出力が表示されます。

Fileset                            Level      State  Type  Description
------------------------------------------------------------------------------------------------------
bos.alt_disk_install.boot_images   7.1.00     C      F     Alternate Disk Installation Disk Boot Image
bos.alt_disk_install.rte           7.1.00     C      F     Alternate disk Installation Runtime

State codes:
 A -- Applied.
 B -- Broken.
 C -- Committed.
 E -- EFIX Locked.
 O -- Obsolete. (partially migrated to newer version)
 ? -- Inconsistent State...Run lppchk -v.

Type codes:
 F -- Installp Fileset
 P -- Product
 C -- Component
 T -- Feature
 R -- RPM Package