NIM インストールによる mksysb 移行の実行

AIX® バージョン 7.1 の NIM インストールを用いて、mksysb 移行を実行することができます。

前提条件

  • 外部デバイス (DVD-ROM ドライブなど) を含め、 すべての必要なハードウェアが、物理的に接続状態になっている必要があります。 外部デバイスの接続についての詳細は、システムに付属のハードウェア資料を参照してください。
  • インストールを開始する前に、インストール対象のシステムに対するアクセス権が与えられている他のユーザーは、ログオフしておく必要があります。
  • 使用するアプリケーションが AIX バージョン 7.1 で稼働することを確認します。 また、使用するアプリケーションが AIX バージョン 7.1 とバイナリー互換であることも確認してください。 現在のシステムがアプリケーション・サーバーなら、ライセンスの問題がないことを確認してください。 アプリケーションでどのレベルの AIX がサポートされ、ライセンス交付を受けているかについては、アプリケーションのマニュアルを参照するか、またはアプリケーションの提供元にお問い合わせください。
  • ハードウェア・マイクロコードが最新であることを確認します。
  • 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX バージョン 7.1 には、少なくとも 512 MB のメモリーと 5 GB の物理ディスク・スペースが必要です。 詳しいリリース情報については、「AIX 7.1 リリース・ノート」を参照してください。
  • システム・ソフトウェアおよびデータのバックアップ・コピーを作成します。 システム・バックアップの作成方法については、システム・バックアップの作成を参照してください。 このバックアップは、mksysb 移行インストールで、移行の前にシステム・ファイルを復元するために使用されます。
  • ソース・システムが使用可能な場合、そこで移行前スクリプトを実行します。 移行はターゲット・システムで行われるため、ソース・システムのハードウェア構成に関連するメッセージは無視します。 その他の問題は、スクリプトで推奨されるように訂正します。

ステップ 1. インストールのためのシステムの準備

システムを準備するには、以下の条件が満たされていることを確認してください。
  • ターゲット・システムが NIM マスターのクライアントとして定義されている。
  • 前提条件で説明されている必要なカスタマイズ済みの bosinst.data ファイルが、NIM bosinst.data リソースであるか、補足ディスケット方式を使用して用意されている。
NIM マスターに対してクライアントのインストールを開始するよう指示するには、次のコマンドを実行します。
# nim -o bos_inst -a source=rte -a spot=spot name -a lpp_source=lpp source name
 -a bosinst_data=bosinst_data resource name -a mksysb=mksysb name client_name 

SPOT ファイルと lpp_source ファイルが、AIX バージョン 7.1 レベルでなければなりません。

あるいは、別に alloc を使用して、最初に mksysb をクライアントに割り当てることもできます。 その後、コマンド・ラインまたは smitty nim を使用して、クライアントで bos_inst 操作を実行します。 bos_inst 操作の前に mksysb がクライアントに割り当てられている場合、mksysb の指定は不要です。

ステップ 2. インストール・メディアからのブート

以下のステップによって、オペレーティング・システムの現行バージョンを AIX バージョン 7.1 に移行します。 以前のシステムでは定義されていなかった ASCII コンソールを使用する場合、そのコンソールを定義する必要があります。 ASCII コンソールの定義についての詳細は、ステップ 3. ASCII 端末のセットアップを参照してください。

  1. ネットワーク・ブート・イメージが転送されたら、システムはネットワーク・リソースを使用してブートを開始します。
  2. mksysb 移行インストールは、不在インストール (プロンプトなし) として続行します。

BOS メニューでは現在 mksysb 移行がサポートされていないため、BOS メニューはロードされません。 従来の移行では、メニューを使用してユーザーに情報を求めるプロンプトを出せば修正できるエラーが発生した場合は、BOS メニューがロードされます。 そのようなエラーまたは問題が mksysb 移行中に検出された場合、インストールはアサートし、移行を続行できないというエラーが表示されます。 アサートの原因となったエラーによっては、エラー固有の情報が表示されることがあります。 インストールがアサートすると、LED に「088」が示されます。

ステップ 3. BOS 移行の完了

インストール・プロセスが始まると、「Installing Base Operating System (基本オペレーティング・システムのインストール)」画面が表示されます。

インストールが進行するにつれて、完了率のフィールドと経過時間のフィールドの数字が増加して、インストール状況が示されます。 mksysb が復元された後、基本ランタイム環境がインストールされ、インストールが進行中の他のソフトウェアに関して状況情報が表示されます。 BOS インストールが完了すると、システムは自動的にリブートされます。

システムが再始動された後、BOS のインストールを構成するようプロンプトが出されます。 BOS の構成について詳しくは、AIX の構成を参照してください。
注:

通常移行されるソフトウェアのすべてを移行するにはスペースが足りないという場合は、後で他のソフトウェアをインストールするときに、 移行バンドルと呼ばれるソフトウェアの集まりを使用することができます。 移行バンドルをインストールするマシンに追加のディスク・スペースを作成する必要があります。次に、smit update_all を実行してインストールを完了します。そのインストールの間に、移行バンドルがインストールされます。

グラフィックス・コンソールからインストールを実行していない場合、Graphics_Startup バンドルが作成されます。 詳しくは、オプションのプロダクトおよび保守更新を参照してください。 システムからソフトウェアを除去して、ディスク・スペースを解放する方法については、オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新の保守を参照してください。

移行前スクリプトがソース・システムで実行された場合、移行後スクリプトを実行して出力ファイルを検査します。